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漢方による体調管理。これからの季節の身近な体調ケア 

これから体調を壊しやすい冬の季節。受験生はストレスケアのほか風邪対策も重要ですが、「薬の飲みすぎは体に悪そう…」という不安を抱えている人も多いようです。そんな人たちにとって、日常的な体調管理でも注目されている「漢方」にクローズアップ! その歴史や特徴などについてご紹介します。

衝撃! 漢方は日本で生まれたものだった!

  • 摂南大学薬学部 矢部武士教授

    摂南大学薬学部 矢部武士教授

 訪ねたのは、摂南大学薬学部の矢部武士教授。20年以上にわたり漢方の薬理研究に携わってこられたそうです。まずは「漢方って何?」という初歩的な質問から伺いました。

 「中国や韓国、日本など東アジア一帯で現在行われている生薬を使った医療の総称を『漢方医学(漢方)』だと思っている人が多いのですが、それは間違いです」(矢部教授・以下同)そもそも『漢方医学』とは古代中国で展開された医学が日本に伝わり、その後、日本独自に発展していったもので、あくまで日本の伝統医学なんだそうです。ちなみに現在中国で行われている伝統医学は、「中医学」と呼ばれているそうで、『漢方医学』とは異なる発展を遂げたものだそう。

 「漢方という言葉自体が江戸時代にできたものですから、そんなに古いものではありません。オランダから蘭学とともに伝わった医学を『蘭方』と呼んだことに対して、日本の医学は中国の漢の時代の医学がルーツなので『漢方』と呼んだわけです」。

 漢方医学と中医学では生薬の使用量が大きく違っていて、中医学では、多くの場合、漢方医学の2〜3倍量の生薬を使うそうです。医学はその国の気候風土や民族の体質の違いなどによって、独自の発展を遂げてきたんですね。

組み合わせで効果が変わる、漢方の妙

 「漢方のように、生薬を使った医療は世界中にあります。ただ、漢方医学や中医学の最大の特徴は、複数の生薬を組み合わせるということです」。“組み合わせて使う”という発想は、これらの医学の起源に関係があるそうで…。

 「現在の中医学や漢方医学は、古代中国の江南文化圏で発展した医学が起源となっているわけですが、江南文化圏は中国南部の高温多湿で伝染病などが発生しやすい地域でした。そういう厄介な病気にはひとつの生薬では太刀打ちできないので、複数の生薬を組み合わせることで強い薬効や異なる薬効を見出してきたわけです。例えば麻黄(マオウ)という生薬。桂皮(ケイヒ)と組み合わせると発汗、ヨク苡仁(ヨクイニン)との組み合わせで鎮痛、杏仁(キョウニン)となら咳止めという風に、組み合わせる生薬によって薬効が変わってきます」。

 確かに、漢方薬の成分表を見てみると、色々な生薬が使われていることが分かります。単に「この生薬は◯◯に良い」ということだけではなく、組み合わせによってさまざまな力を発揮する漢方の“秘められたパワー”は、注目されている理由のひとつなのかもしれません。

最新の西洋医学にも負けない漢方のチカラ

 西洋医学が広く深く浸透している現代社会において、改めて漢方の力が注目されている理由は、ほかにもあるんだそう。「特に期待されているのが、アトピー性皮膚炎や喘息といった慢性の治りにくい疾患の治療です。慢性疾患では、長期間薬を服用することが多いため、自然の成分である漢方は、副作用の面からも安心です。また、西洋医学で治療法が確立されていない病気においても、漢方の薬効が認められた例も多くあります」。

 漢方といえば胃腸薬や風邪薬をイメージする人が多いですが、プロフェッショナルの現場では慢性疾患や難病などの治療も視野に入れた研究が行われているとは! 矢部教授によると、認知症薬としての研究も進んでいるそうです。まだまだ解明されていない漢方の薬効メカニズム。今後の展開に期待が高まります。

薬学部生にインタビュー!

 未知の可能性を秘めた漢方。現在重宝されている薬効も、江戸時代から明治、大正、昭和、平成と、脈々と受け継がれた研究の結果により発見されたものです。そして今、将来多くの人たちの健康を支えることになるかもしれない研究が、矢部教授の研究室で行われています。日々研究に取り組む学生たちにも話を聞きました。
  • 西田将治さん(6年)

    西田将治さん(6年)

西田将治さん精神疾患の発症や病態のメカニズムを遺伝子発現制御機構のひとつである「エピジェネティクス」を指標に解析を行っています。また漢方薬や生薬などの天然由来のものから「エピジェネティクス調節作用」を有する新たな薬を見つけることを目指しています。これまでも「エピジェネティクス」をターゲットとした研究は多く進められてきましたが、漢方からアプローチする事例はあまりないので何とか成果につなげたいですね。
  • (左から)雪岡亮佑さん(6年)/岡本玖美さん(5年)

    (左から)雪岡亮佑さん(6年)/岡本玖美さん(5年)

雪岡亮佑さん岡本玖美さん炎症によって鬱状態にあるマウスに漢方を投与して脳内でどんな変化が起こっているかを解析し、鬱に対する漢方の効能を調べています。その結果、「加味帰脾湯(カミキヒトウ)」という漢方が鬱様症状に効能があることを導き出しました。もともと「加味帰脾湯」は精神症状に効くとされていましたが、科学的に検証された例は少なかったので結果を出せて良かったです」。

摂南大学薬学部のココがおすすめ

西田将治さん1年から4年まで6人程度の学生をひとりの先生が受け持つ担任制で、先生との距離が近く研究に関することはもちろん、学生生活の悩みや進路のことなどについても相談しやすいです。
雪岡亮佑さん「摂南大学は薬剤師国家試験対策のカリキュラムが充実している」と、他大学の友人に羨ましがられることが多いです。
岡本玖美さん臨床を意識した実習が充実しています。看護学部との合同実習もあり、視野が広がりました。

 恵まれた学修環境で薬剤師としての資質を養いながら、漢方の研究を通じて現代医学に新しい風を吹きこもうとしている学生たち。私たちの生活で漢方がさらに身近な存在となるのは、それほど遠い先のことではないかもしれません。

摂南大学

7学部13学科からなる総合大学。薬剤師国家試験や青年海外協力隊選考試験では、全国トップレベルの合格実績を毎年達成。心の通った少人数教育と、理論と実践を連動させたアクティブ・ラーニングなどにより、学生の可能性を伸ばしている。


〒572-8508 大阪府寝屋川市池田中町17-8
摂南大学 公式HP:http://www.setsunan.ac.jp/(外部サイト)

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