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神木隆之介インタビュー『一歩引いて、支えて、歩いていけるか?』

頭のなかで物語を作るのが大好き

――サイコーが倒れる直前のシーンでは、監督のアイディアで、サイコーがシュージンの肩に手をかける動きを付け足されたそうですね。電話中でありながらも、シュージンの一瞬の反応から、ふたりの親密さが伝わってきました。大根監督はどんな演出をされる方でしたか?
神木何も言わないときも多いんですけど、そういう大事なシーンだったり、物語が動くシーンのときには、それぞれの役者の動きをしっかりと見て、このセリフはもうちょっと弱くていいとか、もうちょっと表情に出していいということを細かく伝えてくださいました。じゃあ今度はこうやってみようとか、もっと繊細に表現したくなるというのか。大根監督が芝居を追求できる環境を作ってくれたと思います。感謝しています。
――大根監督の演出が印象に残っているシーンはどこですか?
神木疲れが溜まって、サイコーとケンカするシーンは、健くんと大根監督と僕の3人で、ふたりが言い合うセリフを考えたんですけど、楽しかったです。大根監督も「いいじゃん、それ!」って言ってくださったりして。あとは、桐谷(健太)さん演じる福田(真太)さんと電話で、中井(巧朗)さんの連載が終わっちゃったねって話しているシーンで「あ、そうですね」って相づちを打つ前の間の長さや、セリフの言い方。もうちょっと仕事ふうにとか、もっと事務的に、自分たちにも言われているような気持ちでとか、もう少し落ち込んでもいいやとか。

 「そうですね」のひと言に対して、間とトーンとテンションの微調整をしてくださいました。完成作でそのシーンを観たとき、ただ受け流すのではなくて、相手の言葉を聞いて、その一瞬の間に、何を思って「そうですね」のタイミングが遅れたのかということが、ちゃんと意味のある間として表現されているなと思いました。重みがあるというのか、心が変わったことを(観る人にも)考えさせてくれるような間だったなって。やっぱり大根監督はすごいなって思いました。

――「そうですね」というひと言を、何パターンも表現できる神木さんも、すごいです! 役を演じる上で、産みの苦しみってあるんですか?
神木僕はあまり感じたことがないかもしれないです。どう振る舞えば、そう見えるのかな? って疑問は、もちろんあったりしますけど、苦しんで役を作ったことはないと思います。作ることが好きで、本当にシュージンのように、頭のなかで勝手にその役の物語を作ってみたりするのが大好きなので。あんまりそういうので、困ったことはないです。楽しく演じています(笑)。

いかに自分のやっていることを愛せるか

――やっぱり天才だ! 完成作は、どうご覧になりましたか?
神木新しい映画だなと思いました。プロジェクションマッピングとか、映画で初めて斬新な表現をしたのではないかと思いましたし。大きなペンを振ったら、インクが出て、エイジとの攻防戦になっていくCGバトルのシーンも、白い背景のなかでやっていたので、どう仕上がるのかわからなかったんですけど、実際に映画を観て、サカナクションの音楽も合わさって、すごく新しい表現だと思いました。今までの映画では、あまりやらない表現の仕方をするんだな、本当にジャンプのマンガを観ているような映画になっているなって。カメラの切り返しをはじめ、CGや音、照明などを工夫して、いろいろな表現ができるのは、映像ならではのおもしろさじゃないかと改めて思いました。完成作にこういう新鮮さを感じることは、僕にとっては珍しい感覚でした。
――神木さんは、映画のエンディングをどう受け取られましたか?
神木好きじゃなきゃやれないだろうなっていうのはすごく思いました。サイコーが病気になったときも、マンガを描くことが嫌なら、病室で寝ていればいいわけですが、漫画家として描かなければいけないという使命感もありつつ、チャンスを逃したくないという気持ちもあって……。だけどサイコーは“好きだから、描きたいんだ”って、仕事場に戻った。仕事って、いかに自分のやっていることを愛せるか、好きになれるかだと思いました。

 自分がやりたいこと、好きなことを仕事にできればいちばんいいけど、いま自分が就いている仕事に対して、カッコ悪くても、ヘトヘトになっても、ボロボロになっても、ちゃんと心は正面から向き合っているサイコーの心に打たれて、(漫画家仲間の)みんなが集まってくるというのは、仕事の理想形だなって。それこそ、ジャンプのマンガみたいなテーマ“友情・努力・勝利”は、男子だけじゃない、女の人も、人間なら誰しも持っている精神だと思うので。とくに、みんなが集まってくる後半の部分を観ていて“好きだから”って原動力は、すごく大きいし……なんだろう、人を集めることのできるパワーにもなるんだなっていうのをすごく感じましたね。
(文:石村加奈/撮り下ろし写真:逢坂 聡)

バクマン。

 高校生の真城最高(佐藤健)は、高い画力がありながらも将来に夢を持たず、ただ流されて普通に生きていくだけの日々を送っていた。最高の叔父(宮藤官九郎)は、かつて週刊少年ジャンプに連載し、その作品がアニメ化もされた漫画家・川口たろうであった。だが結局は連載打ち切りとなり、その後叔父は過労により亡くなった。そのことが最高の心に暗い影を落としていた。
 ある日、些細な出来事をきっかけに、秀才のクラスメイト・高木秋人(神木隆之介)に、「俺と組んで漫画家にならないか」と誘われる。はじめは一緒に漫画を描くことを拒絶していたが、声優を目指している片想いのクラスメイト亜豆美保(あずきみほ 小松菜奈)と、「漫画家として、声優として、お互いの夢が実現したら結婚する」と約束したことから、漫画家への道を志すことになる。

脚本・監督:大根仁
出演:佐藤健 神木隆之介
染谷将太 小松菜奈 桐谷健太 新井浩文 皆川猿時
宮藤官九郎 山田孝之 リリー・フランキー
2015年10月3日 全国東宝系にてロードショー
【公式サイト】(外部サイト) (C)2015映画「バクマン。」製作委員会
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