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朝ドラで異彩を放った柳楽優弥の存在感
俳優復活を認識させた『アオイホノオ』
その後も映画の主演などが続くも、華々しいデビューのプレッシャーからか、体重が増減したり、体調を崩して仕事量を減らしたりの日々が続く。そして、2008年8月には安定剤を多量に服用して病院に運ばれるまでになってしまう。そんな時期に彼の支えになっていたのは、2010年に入籍した妻の豊田エリーの存在であったのではないだろうか。
柳楽の俳優としての復帰作は、2010年の『すべては海になる』であった。しかし、柳楽の俳優としての復活を世間に認識させたのは、2014年の連続ドラマ『アオイホノオ』(テレビ東京)の焔モユル役だったのではないだろうか。この作品で柳楽は、デビューしたときからつきまとう、カンヌ最年少の男優賞受賞俳優というイメージや、ナイーブで内に向かう少年というイメージを振り払い、ナルシストで勘違い屋のストレートで変な人物なのに、どこか憎めなくて魅力的な青年役をふりきれた感じで好演した。そして、柳楽優弥はこんなふうに笑える役をやってもいいのだと視聴者に思わせることに成功した。
退廃的でミステリアスな大人になった
今後は、故・杉浦日向子原作の時代劇映画『合奏』で、柳楽は瀬戸康史とダブル主演を張るほか、NEWSのメンバーである加藤シゲアキが原作で話題の映画『ピンクとグレー』にも出演する。また、国内外から注目を浴びる真利子哲也監督の商業映画デビュー作『ディストラクション・ベイビーズ』でも、菅田将暉や小松菜奈、村上虹郎とともに主演することも発表されたばかりだ。
旬の俳優というのは、映画にキャスティングされただけで、なんとなくその映画に勢いやパワーを感じさせ、期待させるものである。ドラマ『アオホノオ』以降、俳優としてだけでなく人間としても一回りも二回りも大きくなった柳楽は、そんな俳優のひとりになりつつあるのではないだろうか。シリアスで硬派な作品がその雰囲気にあっている柳楽だが、突き抜けたコメディを演じる姿もまた観てみたいと思わせる。