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宮野真守&LiSAインタビュー『健気にがんばっている姿にいつのまにか夢中になる』
善と悪が共存している役柄がLiSAらしい!?
宮野初めてのアフレコで、あんなに堂々とアメリカンなママ、マージを演じられたのは本当にすばらしい! 収録しているときに「もっと、オーバーに!」という演出があったらしいんですが、それをちゃんと吸収してあの役ができたのだと思うと、すごいなって感心します。
LiSAわぁ、嬉しい! 初めての吹き替えは、本当に難しかったんです。オーバーにやるとひと言でいっても、最初は自分の殻の破り方が分からなかったんですよね。ものすごく苦労した吹き替えだったので、いまの宮野さんの言葉をいただいて、やっと自信をもって「がんばりました!」と言えます!
宮野すごく楽しいファミリーを演じられていたと思います。とくにバナナマンさんが演じる旦那と子どもに引けを取っていないところが、本当にすばらしかったです。LiSAさんはお芝居も初めてだったんですか?
LiSAはい。
宮野えぇっ。信じられない! マージ役を映画で観て、すごくスムーズに言われたことを吸収して、瞬発力で返している声だと思ったので、何度もお芝居をしているんだと思っていました。
LiSAいやいやいや、幼いころにミュージカルを少しだけやっていたくらいで、勉強などは全くしていなかったので、この吹き替えのお話は、不安しかなかったんです。
――でも、LiSAさんが演じたマージの家族は、とても楽しそうで幸せそうなのがすごく伝わってきましたよ。
宮野うん、そうですよね。でも、銀行強盗をするような家族なので、褒めていいのかはわからないですけど(笑)。
――そういった、善と悪が共存している役柄が、とてもLiSAさんらしいなって思いました。
LiSAあぁ〜〜! この作品でLiSAを知る人たちにも宮野さんにも、ブラックな面は見せていないので、内緒〜っ(笑)!
宮野そうなんですか!? その部分が見えてくるのがちょっと怖いですねぇ……(笑)
――あはは。LiSAさんは、その両面があっての魅力がありますからね。そんなLiSAさんは、大好きなミニオンたちと共演してみて、いかがでしたか?
LiSA私がオープニング曲を担当しているアニメを観るときもそうなんですが、ひとりで観ながら「来る、来る、どうしよう!? いつ流れるの!?」というドキドキがかなりありました。とくに『ミニオンズ』は純粋に大好きな作品。その世界に自分が入れるということ自体が奇跡なんですよね。最初に自分の声を聴いた瞬間、幸せで胸がいっぱいになりました。
衝撃を受けて戸惑った…忘れられないシーン
宮野実は僕もドキドキしながら映画を観ました。今回演じたのはナイスミドルのクールな発明家・ハーブと、エキセントリックなおじいちゃん・フラックス教授。これまで、青年や少年を演じたことはあっても、それ以外を演じることは少なかったので、挑戦だった部分もあるんです。役柄をいただいたときから、かなりハードルが高かったので、収録するまではドキドキでしたが、やり始めて作品の世界に飛び込んでみたら、全力で楽しめるキャラクターだったのですごくやりやすかったです。実際に出来上がった作品を観たときは、ちゃんとあの世界観に僕が演じたふたりが溶け込んでいたので、すごく安心しました。
――宮野さんが声を担当するおじいちゃんは、少ししか出てこないのに、誰よりもインパクトがありましたね。
宮野ありがとうございます。おじいちゃんの役も初めてなのに、わけあって8体もそのおじいちゃんがいるので、8人分を演じなくてはいけなかったんです。これにはかなりの衝撃を受け、戸惑ったんですが、そのぶん忘れられないシーンになりました。
――LiSAさんは、宮野さんを見て、どんなところが勉強になりましたか?
LiSAすべてです! 声を吹き込まれる方によって、そのキャラクターの魅力が決まるんですよね。宮野さんが演じるハーブは、みんなが大好きになっちゃうし、許しちゃうんです。もし他のキャラクターが溶岩銃をミニオンたちに与えたり、悪いことをしたとしたら、ブーイングが起きると思うんですが、宮野さんが演じるハーブに対しては、なぜか「全然OK!」って許しちゃうんです(笑)。そう思わせる声が出せるって、本当に才能だと思います。
宮野(笑)ミニオンたちをいじめようとしても、結局一緒になって遊んじゃうしね(笑)。
――でも、よく考えると、この映画って許しちゃいけないことばかりですよね(笑)。
宮野そうなんです! まず、悪党が主役ですからね。日本のアニメにはなかなかない攻めた作品だと思うんです。でも、その毒の部分をこのかわいいミニオンたちが中和してくれます。どんなに悪いことだとわかっていても、無邪気なミニオンたちが健気にがんばっている姿に、いつのまにか夢中になってしまうんです。
――それこそ、子どもだけが観るのはもったいないですよね。
LiSA本当にそう思います。この映画の登場人物は、全員がそれぞれの夢を追いかけているんです。それは悪党になるんだとか、悪党大会で優勝するんだとか、さらに王冠を略奪して、この国を支配するとか……。みんな悪い夢ですけど、ピュアにがんばっているんです。その夢を目指す姿は、絶対に刺激になるし、温かい気持ちになると思います。
どんなことがあっても楽しみながら切り抜けていく
LiSA私が演じたなかで一番好きなセリフが、子どもに対しての「あなたはまだまだこれからよ」。すべてを見越して、子どもの成長を見守っているママの懐の深さを感じることができます。それに、この家族は、ヒッチハイクで突然出会った得体の知れないミニオンたちを快く車に乗せちゃうんですよ。もしかしたら、ミニオンは途中で爆発するかもしれないじゃないですか。そんな警戒心を持たず、ピュアに誰かを応援するこの家族はとても素敵だなと思いました。
LiSA絶対受け入れられない(笑)! それができちゃうのがこの家族のすごいところ!
宮野あとは、どんなことがあっても楽しみながら切り抜けていくミニオンたちに勇気をもらえるので、純粋に楽しめると思います。いろんな事件が次から次へと巻き起こるし、見た目も奇抜な人たちばかりで色合いも鮮やかなので、観ていてとても楽しいです。それに、ミニオンたちが確実に成長していくんですよ。そういう姿を観ていると心が温まるし、夢のある作品だと思いますね。
――宮野さん演じるハーブの見どころもたくさんありますよね。
宮野ハーブは、悪党の女王・スカーレットを心から愛しているのがすごくよくわかります。それに、ものすごい発明家だし、自分に自信があるからカッコいいんですよ。でもやっていることはベタベタなアメリカンコメディ。だからこそ、愛される存在なんですよね。
LiSAスカーレットとハーブを観ていると、すごくドキドキしますよね。ハーブには、宮野さんがキメて歌っているときのカッコよさがすごく出ているので、女子はクラクラになると思いますよ!
宮野(笑)自分たちが担当したからこそ、爪跡は残したいし、自分たちだからこそできるキャラクターにしたいと思うんです。なので、そう思ってもらえたのなら嬉しいですね。小さな子どもからおじいちゃんおばあちゃんまで楽しめる作品になっているので、ぜひ楽しんでもらいたいです!
(文:吉田可奈/撮り下ろし写真:鈴木一なり)
ミニオンズ
ミニオン滅亡の危機が迫るなか、兄貴肌のケビン、バナナのことで頭がいっぱいのスチュアート、そして弱虫のボブが仲間たちを救うべく立ち上がった。極寒の南極からニューヨーク、そして流行の最先端を行くロンドンへ……新たな最強最悪のボスを探しに、ミニオンズの壮大な旅が始まる。
監督:ピエール・コフィン&カイル・バルダ
声の出演(日本語吹替版):天海祐希 バナナマン(設楽統、日村勇紀) 宮野真守 LiSA 藤田彩華 山寺宏一
2015年7月31日(金)公開
(C)2015Universal Studios.
【公式サイト】(外部サイト)