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古川雄輝インタビュー『女性の心を読むのは難しい…』

後悔する自分が嫌で選んだいまの道

──なるほど! 自分からアイディアを出したりしたことは?
古川キスシーンはこれまでの作品で経験があったので、自信をもってやるぞ! って意気込んで撮影に臨んだんですけど、結局「いや……そういうキスじゃないな」って、完璧にやりたかったのにNGを出してしまいました(苦笑)。でも、作品ごとに新しい課題が出てくるのは役者という仕事のおもしろさでもありますね。

──俳優の道に進むきっかけとなったのは、ミスター慶応コンテストでのグランプリ受賞でした。もともと演技の世界でやっていきたいという未来図を持っていたんでしょうか?
古川ミスター慶応に選ばれたのが大学3年のときで、その後、声をかけてもらって今の事務所のオーディションを受けたんです。当時はもちろん就活をしていたし、大学院も受かっていて……。なので、このまま就活するのか、大学院に進んでから就活するのか、大学院に進むのかどうか、それとも俳優になるか、4つの道のどこを進むか脳内会議をして、“衝動”で「俳優になる!」と決めました。就活もやめて大学院も断って、俳優の道を選んだんです。
──その決め手となったのは何だったんですか?
古川ここでやめたら一生後悔するって思ったんです。僕は理系だったので、大学か大学院を卒業してエンジニアになったとしますよね。で、仕事で嫌なことがあったときに「あのとき、俳優の道を選んでいたら……」って後悔する自分が嫌で、それで俳優の道を選びました。

──当時、どのくらい脳内会議をしたんですか?
古川俳優の道って決めるまでは衝動だったので決断は早かったんですが、決めた後はけっこう会議しましたね。決めたはいいけど、仕事は全然ないし、どうしよう……って(苦笑)。そのときは、この映画でいう“理性”とか“ネガティブ”な要素が多かったんですけど、考えても仕方ないのでとにかくがむしゃらにがんばりました。

──お芝居自体に興味を持ったのはいつですか?
古川自分が俳優になれるなんてまったく思っていなかったけれど、オーディションのときに初めてお芝居をして、ものすごくおもしろくて。僕、ダンスを7年ほどやっていたんですけど、ダンス以外でおもしろいと思ったのがお芝居だったんです。これを職業にできたらなんて素晴らしいんだろうって思いました。

思ったことをすぐ口にしてしまうタイプ…

──これだと思うものに出会ってしまったわけですね。ただ、海外生活が長かったわけですから海外で就職という選択肢はなかったんですか?
古川それはなかったです。カナダに8年、ニューヨークに3年住んでいましたけど、日本が大好きで日本に帰りたくて仕方なかったんです。日本の学生生活にも憧れていたし、だからもう一生日本で暮らしたい(笑)。でも、英語を活かして海外の仕事はしていきたいと思っています。

──楽しみにしています。続いて、今回の撮影で一番印象に残っているシーンはどこでしょう?
古川早乙女がいちこさんが30歳だと知ったときの「ないわ〜」っていうシーンの撮影ですね。監督が冗談で「10パターンぐらい撮るぞ!」って言っていたんですけど、結局20パターンくらい撮りました(苦笑)。台本に書かれている台詞はたったのひと言「ないわ〜」なんですが、その後にアドリブを入れなくてはならなくて。いちこさんが頭のなかで勝手に想像している早乙女のリアクションなので、早乙女としてはそんなこと思っていないけれど、いちこさんに向かってひどいこと、バカにするようなことを“がんばって”言いました。監督がまた楽しそうに、煽るように指示を出してくれるんです(笑)。
──女性としては「ひどいっ!」と思いつつも笑わせてもらいました(笑)。古川さん自身はいちこのどんなところが好きですか?
古川可愛いなぁと思ったのは、早乙女が「じゃあ、つき合う?」と言ってつき合うことになるシーン。いちこさんが満面の笑みでベロを出すシーンがあるんですけど、それがものすごく可愛くてキュンとしました。また、可愛いだけじゃなくて、女性って恋愛に関してこんなに脳内会議をしているんだってことを知って、女性の心を読むのは難しいなって(苦笑)。男性としては、映画のなかの早乙女のセリフにもあるんですけど、ちゃんと言ってほしい。いちこさんは会議だけして、遠慮して本当の気持ちを言わないけれど、男性はそれに気づかないことが多いんです。

──ちなみに古川さんは?
古川すぐに言っちゃうタイプです。フィルターを通さずに(よく考えないままに)言っちゃって失敗した経験も多々ありますね。でもまあ、いい意味で素直ということにしておいてください。そういうところは早乙女と似ているんですよね(笑)。
(文:新谷里映/撮り下ろし写真:鈴木一なり)

脳内ポイズンベリー

 三十路を目前に、7歳年下の早乙女(古川雄輝)に恋をした櫻井いちこ(真木よう子 )。どうするべきかいちこの頭の中では、5つの思考“ポジティブ”、“ネガティブ”、“理性”、“衝動”、“記憶”が脳内会議中。そんななか、彼女の前に仕事相手、越智(成河)が現れる。いちこの恋の行方は……。

監督:佐藤祐市
出演:真木よう子 西島秀俊 古川雄輝 成河 吉田 羊 桜田ひより 神木隆之介 浅野和之
2015年5月9日公開 全国東宝系公開
(C)水城せとな/集英社 (C)2015 フジテレビジョン 集英社 東宝
【公式サイト】(外部サイト)

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