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有村架純インタビュー『本当に恋をして、切なくて苦しかった3週間』

ドラマや映画だけでなく舞台、声優と活躍の幅を広げ、今まさにエンタテインメント・シーンのトップを突き進む女優・有村架純。髪をバッサリと切って臨んだ最新主演作『ストロボ・エッジ』では、人気俳優・福士蒼汰と共演し、同世代の熱い注目を集めている。そんな有村に、福士との共演、自身の高校時代の恋愛、新鮮な印象のショートカットについて聞いた!

<<動画インタビュー>>恋愛&ファッショントークも!

22歳の1年間の目標――引き込む演技をする

──2月に22歳の誕生日を迎えたばかりですが、有村さんは1年間の目標を立てるタイプですか?
有村そうですね。1年間どうしようかという目標を立てます。目標を持たないと何を目指していいのか分からなくなってしまうので……。今年の目標のひとつは、撮影現場にいる方たちを引き込む演技をする、ということです。21歳の後半から思い始めたことなんですけど、お芝居をしているとき、その場にいるスタッフさんの心を動かさないことには、スクリーンを通して気持ちは伝わらないと思うんです。もうひとつは、監督に言われたこと(演出)にプラスアルファにプラスアルファぐらい付け足しが出来るようになりたい。もっと引き出しを増やしていきたいです。

──そういう意味では、昨年は声優や舞台といった新しいことに挑戦し、引き出しを増やせましたね。
有村いろいろなことに挑戦させてもらったおかげで自分に足りないものも見つかりましたし、仕事に対する気持ちの強さや自分への自信も増えました。今年はそれをどう活用できるか、ですね。そして、そんなことを考えはじめた時期に、この作品で廣木(隆一)監督と出会いました。それは私の人生のなかでほんとに大きな出来事。私にとって『ストロボ・エッジ』はとても大きな作品になりました。

──いい出会いだったんですね。廣木監督との出会いの何がそれほどまで有村さんを動かしたのか、詳しく聞かせてください。
有村まず、リハーサルのときに廣木監督から「芝居は引き算だから」って言われて、最初は「……!?」って思ったんですね。デビューしてからいろいろな経験をさせてもらってきたけれど、少しずつ演技の技術を手に入れることができて、知らず知らずのうちにその技術に頼って演じてしまっているのかなと。だから監督に「引き算」って言われて、自分なりに考えて──ああ、気持ちだけでいいんだと気がつきました。そうしたらお芝居がますます楽しく感じられたんです。いままで、もう少し先に行きたいのになかなか進めなかったのは、これだったのか! と腑に落ちました。気づけたことがたくさんあったんです。

──演じた仁菜子のドキドキや切なさがすごくよく伝わってきたのは、そういうことなんですね。ちなみに、一番ドキドキしたのはどのシーンですか? 一ノ瀬蓮役の福士蒼汰さんはパーカーのシーンが殿堂入りだと言っていましたが……。
有村パーカーのシーンもそうですね、ドキドキしますよね。でも、私が一番ドキドキしたのは、蓮くんが階段から落ちそうになった仁菜子を受け止めてギュってするシーンかな(笑)。あとは、ふたりの目が合うところ。すれ違いざまに自分だけに目線をくれるとかドキドキしました。原作でも描かれているシーンです。

求められるならすべて応えていきたい

──あの目線、いいですよね(笑)。少し話を戻しますが、そもそも『ストロボ・エッジ』という作品で仁菜子役のオファーが来たときというのは、どんな気持ちだったんでしょう?
有村もともと漫画を読んでいたので、まさか自分が仁菜子を演じるなんて! と驚きました。こんなにピュアな女の子を私が演じるのか!? と(笑)。自分自身も原作ファンであるからこそ仁菜子を演じるなら原作の仁菜子に少しでも近づきたくて、髪の毛は短くしたいなと。思いきってバッサリ切りました。

──役のためとはいえ20センチってかなりバッサリですよね。
有村でも、躊躇はなかったです(笑)。切ってみて思ったんですけど、ロングよりショートのほうがいろいろファッションを楽しめるんですよね。けど、ロングは髪をアレンジできるので、今はまた髪を伸ばしているところです(笑)。

──どちらも似合ってます。諸先輩方には役のために体重を増減したり、身体をはった役作りをする方もいます。有村さんはどこまでやれそうですか?
有村痩せろと言われたら痩せるし、太れと言われたら太ります。求められるならすべて応えていきたいです。

──今後も期待しています! 今回、髪を切る以外に仁菜子を演じるにあたって準備したこと、心がけていたことはどんなことですか?
有村ただ蓮くんを好きでいる気持ちですね。その気持ちがあるから仁菜子は一生懸命になれて、一生懸命さゆえにドジだったりするんです。

──たしかに、よく転んでました(笑)。
有村そうなんです(笑)。よく転ぶし天然だしドジったりする、すごく可愛らしい女の子なんです。そして蓮くんのことが好きという想いを突き通す強さを持っています。彼女はもともと自分に自信がなくて、ひとつのことを突き通したことがなかったんです。でも、蓮くんを好きになったことで、初めて想いを伝えたり行動できるようになっていきます。そこが仁菜子の素敵なところ。とにかく一生懸命なんです。

──本当に一生懸命、ですよね。ふつうなら安堂くん(山田裕貴)に傾いても……。
有村傾きたく……なりますよね、ふつう(笑)。演じながら、自分のなかでも安堂くんの所に行けたらどんなに楽なんだろうって葛藤していたと思うんです。花火大会から帰るシーンはそういう気持ちであの道を歩いていました。安堂くんを好きになれたらすごく楽なのに……と。でも、足は自然と蓮くんの方に向かって、あの場面に遭遇してしまう。もう、あのシーンはものすごく悲しくなってしまって……。

改めて恋をしたときの苦しさを思い出した

──撮影中、ほんとに(仁菜子として)恋をしていたんですね。
有村はい。ずっと蓮くんのことを考えていたので、仁菜子の想いが蓮くんに届くまでは切なかったし、苦しかったです。とても濃密な3週間でした。と同時に、恋ってこんなに苦しかったんだなと、改めて恋をしたときの苦しさを思い出しました。

──有村さん自身がかつて経験したその苦しさの対象って、どんな男の子だったんですか?
有村優しくてスポーツが得意な人でした。あまり騒ぐタイプではなかったので、どこか蓮くんっぽいところもあったかもしれないです(笑)。

──蓮くん、口数は少ないですけど理想の男子ですよね。撮影中に有村さん自身が感じた一ノ瀬蓮というキャラクターの素敵なところってどんなところですか?
有村そうですね……想いは言葉にしないと伝わらないので、できれば言葉として言ってほしいですけど、言わなくても伝わることもあるし、言わない優しさもあります。言わないけど伝わる、言わないけど感じ取る、そういう蓮くんって大人だなと思いました。

──仁菜子は恋に一生懸命ですが、高校時代の有村さんは何に一生懸命でしたか? 恋? 夢?
有村私は夢に一生懸命でした。中学3年の頃からこの仕事をしたいと思ってずっとオーディションを受けていたので……。もちろん、学生時代には片想いをしたりもしたけれど、夢の方が大きかったので仁菜子ほど恋には傾きませんでした。彼氏がほしいとか恋がしたいとか、そこまでじゃなかったです。でも、この映画で仁菜子を演じたことで疑似体験させてもらいました。青春させてもらいました!

──いい経験でしたね。学生当時に抱いていた夢を叶えて、いまこうして女優として生きている。夢を叶えるってすごいことです。
有村でも、苦しいときもありました。上京したのは18歳のとき。私、上京してからずっと日記をつけていたんですけど、ある日、読み返してみたらすごくしんどいことばっかり書いていて……。きっと、言葉には出せない自分の想いを日記に書くことによって整理していたと思うんです。それにしても悩みすぎでした(苦笑)。

──そういう苦しみを知っているからこそ、演技に深みが出るんでしょうね。日記はいまも……。
有村その日記はもう捨ててしまいました。

──けっこう潔いタイプですね(笑)。
有村もう過去は思い出さないぞと(笑)。いまでもたまに日記を書くことはありますけど、ほんとにたまにですね。気持ちを整理する、悩みを綴ることがあまりないということは、いま充実しているんだと思うんです。そういう環境にいさせてもらっていることに本当に感謝しています。
(文:新谷里映/撮り下ろし写真:鈴木一なり)

<<予告編映像>>ショートカットが似合いすぎる有村架純!?

ストロボ・エッジ

 木下仁菜子(有村架純)は、学校中の女子から人気を集める同級生の一ノ瀬蓮(福士)に恋をしたが、蓮には中学の時から付き合っている年上の彼女・麻由香(佐藤ありさ)がいて、告白したが振られてしまう。それでも、蓮を好きだという気持ちがどんどん積もっていく仁菜子。麻由香と付き合いながらも仁菜子の真っすぐな想いに触れるうちに、心の中にある変化が生まれ始める蓮。それぞれの切ない片思いが、徐々に加速していくが……。

監督:廣木隆一
出演:福士蒼汰 有村架純 山田裕貴 佐藤ありさ 入江甚儀
2015年3月14日(土)全国公開
(C)2015映画「ストロボ・エッジ」製作委員会 (C)咲坂伊緒/集英社
【予告編】(外部サイト)【公式サイト】(外部サイト)

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