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BEYOND2020『見直される「高品質」、Technicsブランドの復活』

 「ステレオ」という言葉は本来、左右2chを1 組として音を鳴らす「ステレオフォニック」再生の略語だが、つい最近までは、据置型オーディオ機器全般を示す言葉でもあった。60年代から70年代、真空管からソリッドステート化への移行が進むと量産化も進み、それまで高額な電化製品だったステレオは庶民にも手が届くものにもなって、そこに込められた技術力とともに、この領域でも「メイド・イン・ジャパン」ブランドが世界を席巻していく。

 時は流れ、デジタルの時代。すべては「いかに簡単に、手軽に扱えるか」に重きが置かれるようになった。音楽についても、より高圧縮な音源が主に聴かれるようになり、「良い音で音楽を聴くための機器」という響きを伴っていた「ステレオ」という言葉も使われなくなっているが、そんななか、パナソニックが「Technics」ブランドの復活を宣言した。奇しくも今年は「ハイレゾ元年」、「4K 元年」とも目される。

 東京オリンピックの翌年の65年に発表され、本棚に納まるサイズでありながら、完全密閉型構造による豊かな音像再生でヒットした第1号機「Technics 1」の登場から、ちょうど50年後の15年に再スタートを切る「Technics」。デジタルの流れのなか、再度、「高品質」が見直され始めている今を象徴する出来事とも言え、「メイド・イン・ジャパン」復権の旗頭の1 つとなるか、注目度は高い。

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