スキャンダラスな不倫愛を描いた昨年のNHKドラマを映画化する『セカンドバージン』（黒崎博監督・9月23日公開）に主演する鈴木京香と、長谷川博己が28日、都内ロケの合間に取材に応じた。約半年ぶりに同じ役で再共演する二人。鈴木は長谷川に対し、「主演ドラマ（テレビ東京系『鈴木先生』）を終えて、ひと回りもふた回りも大きくなって帰ってきてくださったので、頼もしく思っています」。恐縮しながらも長谷川は「ドラマはながら見もできるが、映画ではディテールにこだわって、1秒も見逃がせないものになると思います」と力を込める。

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　同作は、仕事一筋に生きてきた45歳のキャリア女性・中村るい（鈴木）と、妻（深田恭子）のある17歳年下のネット証券会社社長・鈴木行（長谷川）が恋に落ち、年齢差や困難な状況を超えて求め合う主人公たちの愛の物語。

　スキャンダラスと純愛。一見、相反するもののようにも思えるが、鈴木は「設定はすごくスキャンダラス。でも、愛するという気持ちや行為は、大胆なわけでも過激なものでもない。その落差が面白いんだろうなって思います」。そのスキャンダラスな設定も「あり得ないと思われたらつらかった。多くの働く女性に『るいのモデルは私？』などと共感していただけたのは、本当に光栄で嬉しかった」と明かす。

　長谷川も「不倫や年齢差のある恋愛＝スキャンダラスなのかどうかもわからないが、るいも行（こう）も一途に相手を想い続けているというのが物語の前提。今回の映画も死の香りのする純愛映画になると思う」と“純愛推し”だ。

　ドラマの脚本を務めた大石静氏が、ドラマでは描かれていなかったエピソードを盛り込んで映画用に新たに脚本を書き下ろした。鈴木は「映画では仕事よりも恋に悩む部分の比重が増しています。強い女性なのに愛する人の前では、いつもの自分でいられなくなってしまう、その気持を大事に、大人の女性の心のひだを丁寧に表現したい」と話す。

　きょうは、都内の施設を借り、るいと行が初めて出会ったパーティーのシーンを長回しで撮影した。近くの上空を飛んでいたヘリコプターの騒音や夕焼けチャイムなどの影響を受け、テイク9でようやくOKが出た。「働いている時の押しの強さを見せる大事な出会いのシーン。気合入れて臨みました。ドラマとは出会いの場所の設定が違ったので、新しい気持ちで演じることができました」と鈴木。爽やかな笑顔で話す姿に、いまの充実ぶりがうかがえる。

　長谷川も「ドラマの時はいっぱいいっぱいでしたが、より深みが出せている気がします。きょうは大事な出会いのシーンでしたけど、楽しかったです」と話していた。撮影は7月中旬まで予定されている。