ディズニープラスには音楽コンテンツも充実!音楽ライターがオススメ作品をレビュー
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『ザ・ビートルズ:Get Back』
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『ザ・ビートルズ:Get Back』(C)2021 Disney (C)2020 Apple Corps Ltd.
その元素材である60時間超の未公開フィルムと150時間を超える未公開音源を、3度のアカデミー賞(R)受賞経験を持つピーター・ジャクソン監督が丹念に修復・編集し、初のルーフトップ・コンサート完全版を含む長編ドキュメンタリー3部作として完成させたのが、ディズニープラス独占配信の『ザ・ビートルズ:Get Back』だ。
本タイトルでは、そうしたザ・ビートルズの1ヶ月間が赤裸々に映し出されており、4つの才能がぶつかり合う緊張感に満ちたシーンがある一方で、笑顔でセッションに没頭する様子は、ピュアに音楽が好きな4人組というバンドの原点を感じさせる。そして、今や世界中の人々が知る名曲が生み出されていく過程は、音楽史的にも貴重。そうした4人の様子を、50年前とは思えないほどのクリアな映像で堪能できる。
さらに、音楽的な側面だけでなく、4人のファッションにも注目。とかく4人は息を飲むほどにお洒落であり、加えて当時のロンドンの街並みや一般市民の様子、風俗を知るうえでも、極めて貴重な映像資料と言える。なお、冒頭で触れた映画『Let It Be』も『ザ・ビートルズ: Let It Be』として映像が修復され、2024年からディズニープラスで配信されている。

(C)2021 Apple Corps Ltd. All Rights Reserved.

(C)2021 Apple Corps Ltd. All Rights Reserved.

(C)1969 Paul McCartney. Photo by Linda McCartney.
『Taylor Swift | The Eras Tour (Taylor's Version)』
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『Taylor Swift | The Eras Tour (Taylor's Version)』(C)2024 TAS Rights Management LLC. (C)2024 Disney and its related entities.
本タイトルは、同ワールドツアーの2023年米国ツアー最終公演、ロサンゼルス・SoFiスタジアムでの様子を収録した劇場版コンサートを映画作品にし、さらに26分を超えるアコースティック・コレクションを追加収録したディズニープラス・オリジナルの“Taylor's Version”。
こうした細かな部分のすべてにテイラー・スウィフト自身の意思が反映されていることを考えると、彼女が現代のトップ・アーティストであることに十分納得できる。その上で、あまりに完璧な本編映像に対し、エンドロールでのハプニング集的な映像には、思わず笑みがこぼれてしまう。実に素敵なエンディングであった。

(C)2024 TAS Rights Management LLC. (C)2024 Disney and its related entities.

(C)2024 TAS Rights Management LLC. (C)2024 Disney and its related entities.

(C)2024 TAS Rights Management LLC. (C)2024 Disney and its related entities.
『BTS Monuments: Beyond The Star』
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『BTS Monuments: Beyond The Star』(C) 2023 BIGHIT MUSIC & HYBE
これらの全エピソードを観終えた感想としては、デビューしてからのあらゆる出来事が網羅されているものの、トップ・アーティストに上り詰めるまでの苦労話ではなく、むしろ名実共に世界的なトップ・アーティストとなったからこその苦悩や、突如として世界中を襲ったパンデミックによる世界ツアーの中止など、直近の逸話に重きが置かれているのが印象的だった。そこから徐々に活動を再開させていきながら、各人がソロ活動に取り組み、そしてメンバー全員が兵役を終える2025年に向け、観る者の期待を大きく膨らませるエンディングとなっており、ただの想い出話ではなく、今と未来のBTSを感じさせてくれるドキュメンタリーとしている点が好印象だ。
最後に付け加えると、本ドキュメンタリーでは彼らが感極まり涙するシーンが幾度となく映し出される。その様子から、彼らがいかに感情豊かで、音楽やダンスに対してピュアで、なおかつARMYを大切にしているのかが強く伝わり、これだけ世界中にARMYが広まった理由を垣間見たような想いだった。

(C)2023 BIGHIT MUSIC & HYBE

(C)2023 BIGHIT MUSIC & HYBE

(C)2023 BIGHIT MUSIC & HYBE
『エド・シーラン:The Sum of It All』
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『エド・シーラン:THE SUM OF IT ALL』(C) 2024 Disney and its related entities
本タイトルは、そんな彼がいかにして独自の音楽を生み出し、世界的な成功を掴んだのかを自らが語る、ディズニープラス・オリジナルのドキュメンタリー。ところが撮影開始後、妻チェリー・シーボーンの病気が発覚。さらに追い打ちをかけるように、デビュー前から彼を応援し続けてきた親友ジャマル・エドワーズの訃報が届くなど、想定外の苦難が襲いかかる。そうした中でも創作活動を続けるエド・シーランの喜怒哀楽が、本タイトルには包み隠さず収録されており、多くのファンが初めて接するであろう彼の一面が垣間見られる “人間エド・シーラン”という奥行きの深いヒューマン・ドラマとなっている。

(C) 2024 Disney and its related entities

(C) 2024 Disney and its related entities

(C) 2024 Disney and its related entities
『アビー・ロード・スタジオの伝説(If These Walls Could Sing)』
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『アビー・ロード・スタジオの伝説』(C) 2023 Mercury Studios Media Limited. All Rights Reserved.
近年、レコーディング機器の小型化/高性能化により、大きなスタジオはどんどん姿を消し、主流はホーム・レコーディングへと移行している。しかしスタジオだからこそ生まれる音、そこでしか鳴らせない音というものが確実に存在しており、そんな裏方中の裏方であるスタジオにスポットを当て、守り続けようとする着眼点には敬意を表したい。なお、なぜ英語タイトルが「If These Walls Could Sing」なのか。それは作品の最後の最後で明らかに。そのシーンも、ぜひ見逃さずに楽しんでほしい。

(C) 2023 Mercury Studios Media Limited. All Rights Reserved.

(C) 2023 Mercury Studios Media Limited. All Rights Reserved.

(C) 2023 Mercury Studios Media Limited. All Rights Reserved.
メイキング・オブ『ハピアー・ザン・エヴァー:L.A.へのラブレター』
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「メイキング・オブ 『ハピアー・ザン・エヴァー:L.A.へのラブレター』」(C) 2024 Disney
ビリーの楽曲は、実兄であるフィニアス・オコネルが曲作りを行っていることで知られているが、本メイキングでも2人が共に主役として映し出され(フィニアスはステージでもパフォーマンスを行っている)、さらに両親も意外な形で今回のプロジェクトに関わっており、結果的に彼女の家族や生い立ち、そして人となりが伝わるメイキング映像となっている。
しかも、「Goldwing」で共演したのは、彼女が兄と共に幼い頃に参加していたロサンゼルス児童合唱団。ビリー・アイリッシュの原点回帰であると同時に、故郷の子どもたちへの音楽的継承とも言えるシーンは、とても心を打つ。
こうした人間的なドラマと同じくらい、テクニカルな舞台裏も興味深い。中でも注目は、ビリーのアイデアで実現されたという、ハリウッド・ボウルでのリアルな映像とディズニー・アニメーション化されたビリーとの融合。そのシーンにはどのような想いがこめられ、どのように具現化されたのかが語られており、必見だ。
彼女のファンであれば、本編を観てからメイキングを観て、再び本編を楽しむと、アルバム『ハピアー・ザン・エヴァー』の世界をより立体的に味わえるだろうし、ビリー・アイリッシュという名前は知っているものの、それほど詳しくは知らないという人なら、まずメイキングを観てから本編を楽しむと、彼女の音楽を、より深く味わえるのではないだろうか。
「ディズニープラス」
https://www.disneyplus.com/ja-jp(外部サイト)




