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98歳・新藤兼人監督が若手を激励「頑張るにはいい年頃だ」

 その年の最優秀新人監督に贈られる『新藤兼人賞2010』と、映画のプロデューサーの功労を顕彰する『SARVH賞』授賞式が3日、都内で行われた。『新藤兼人賞』の金賞は『オカンの嫁入り』の呉美保監督、銀賞は『さんかく』の吉田恵輔監督が受賞。新藤監督自らプレゼンターとして登壇し、33歳の呉監督を「頑張るにはいい年頃だ」と激励。吉田監督には「エネルギーがハツラツと発散されていいて、いい気持ちになれる映画だった」と絶賛の講評を述べた。

 『オカンの〜』は呉監督の長編2作目。母娘ふたりきりの生活に、母の再婚相手を名乗る若い男が割り込んでくる。近すぎて踏み込めない女同士の心模様を、大阪を舞台に軽快に描いた。女優の大竹しのぶと宮崎あおいが母娘を演じ、キャスティングを生かした演出が評価された。呉監督は「好きな監督は誰かと聞かれると、新藤監督の名前を挙げていた。きょう初めてお会いできて、とても恐縮でありがたいことです」と喜んだ。

 『さんかく』はダメ男と同棲中の恋人・佳代の元に、夏休みを利用して佳代の妹で女子中学生の桃がやって来る。ひと夏の奇妙な三角関係を描いた作品。吉田監督は、劇場用長編映画3作目までという選考対象ギリギリの3作目での受賞で、「10年間、あきらめずに自主映画を撮り続けてきたことが形になった。新藤監督のようにずっと映画を撮り続けていきたい」。

 審査委員長を務めた映画会社シグロの山上徹二郎氏は講評で「審査大賞作品は133本もあり、昨年と比べても新人監督作品は増加傾向にある。低予算化が進んでいることも顕著で、企画に対して明らかに予算不足で無理やり作られた残念な作品も見受けられた。身近なテーマも多く、若松孝二監督のように低予算でも社会性や普遍性のある作品を撮る監督が少ないことも懸念されるが、新しい才能、新しい視点のある映画が生まれているのは確か、日本映画も進化している」と話していた。

 なお、『SARVH(サーブ)賞2010』は『キャタピラー』の若松監督と、『アンダンテ〜稲の旋律〜』の桂壮三郎氏が受賞。若松監督は「これからも自分の好きな、思い通りの映画を撮っていきたい。私は74歳だが、なるだけ新藤監督に近づこうと思っている」と、新藤監督の前で決意を新たにしていた。

 これらの映画賞は、日本映画の独立系プロダクション60社の協同組合、日本映画製作者協会が与えているもので、1996年より最優秀新人監督賞として始まり、2000年より日本のインディペンデント映画の先駆者として新藤監督の名前を冠した。今年、公開された『悪人』の李相日監督(2003年『BORDER LINE』で金賞)、『レオニー』の松井久子監督(1997年『ユキエ』で金賞)、『トイレット』の荻上直子監督(2006年『かもめ食堂』で銀賞)らが同賞を受賞している。

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関連写真

  • 2010年度『新藤兼人賞』で、金賞の呉美保監督(右)、銀賞の吉田恵輔監督(左)と新藤兼人監督 (C)ORICON DD inc. 
  • 2010年度『新藤兼人賞』授賞式の模様 (C)ORICON DD inc. 
  • 2010年度『新藤兼人賞』「SARVH賞」を受賞した桂壮三郎監督(左)と若松孝二監督 (C)ORICON DD inc. 

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