古代中国を舞台に、天下統一をかけて魏・呉・蜀の三つの国が争った興亡の歴史絵巻『三国志』。今から1800年前の歴史だが、現代に至るまでさまざまな形で伝承されてきた。現代の日本でも故・横山光輝氏が遺した全60巻に及ぶ長編コミック『三国志』はじめ、小説、ゲームと随所でブームを起こし、ジョン・ウー監督によって“赤壁の戦い”をもとに映画化された『レッドクリフ』の大ヒットも記憶に新しい。その『三国志』の発祥の地・中国から、日本人の常識を覆す超大河ドラマが上陸する。

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　今年、中国で放映されたガオ・シーシー監督による『三国志 Three Kingdoms』は、古典『三国志演義』を原作に、中国ドラマ史上最高となる総製作費25億円、製作期間6年、主要登場人物300人超、延べ15万人のエキストラを動員し、全95話の圧倒的スケールで完全映像化した。

　10月27日よりDVDのレンタルが開始されるにあたり、第1話から第18話までの“群雄割拠”の時代に登場する最強の武将・呂布を演じたピーター・ホーと、その呂布を虜にする古代中国四大美女の一人、貂蝉役のチェン・ハオが来日し、作品をPRした。

　後漢末期、中央政界では権力争いが続き、その混乱に乗じて董卓という独裁者が政治の実権を握っていた。世界に二頭とない良馬の赤兎馬で戦場を駆け抜ける最強の武将・呂布を養子に迎えた董卓はますます専横を極めるのに対し、他の諸侯は何ら有効な手を打てないでいた。朝廷の重臣である王允は、類稀なる美貌を持つ歌い女・貂蝉を利用して、両者の仲を割くことを考える。“連なる環（わ）”のようにひとつひとつの計略が次から次へとつながっていく「連環の計」とも呼ばれる策略で、呂布に董卓を葬らせることに成功する。その後、呂布は曹操によって処刑されてしまうのだが、今回のドラマでは、罠に陥れるはずの呂布を貂蝉が心から愛してしまい、悲恋の物語としてドラマチックに描かれる。

――歴史上の美男美女を演じた気分は？

【チェン・ハオ】　歴史上の人物を演じられるのはとても光栄でした。1万人いれば1万通りのイメージがあると思われるので、全ての人を満足させる呂布と貂蝉の場面を創り上げることは大きなプレッシャーでした。でも、私たちが演じた呂布と貂蝉の別れのシーンは中国でも多くの人が涙したと、大好評でした。

【ピーター・ホー】　僕も大きなプレッシャーを感じました。でも、貂蝉役を演じる女優さんが、本物の美女で助かりました（笑）。貂蝉を愛する呂布の気持ちに自然となれました。

――日本では歴史に興味を持つ女性を“歴女（れきじょ）”と呼んだり、戦国武将に理想の男性像を追い求める女性が増えているので、『三国志』の英雄、策士、武将などもこのドラマをきっかけに人気に火がつくかもしれません。

【ピーター・ホー】　そうなの？　それはいいなぁ。中国には“歴女”はいないよね。“拝金女（拝金主義の女性のこと）”ならいっぱいいるけど…。

【チェン・ハオ】 （爆笑）。中国の女性が、現代の男性に失望したからといって、歴史上の人物に憧れるってことはまずないでしょうね（笑）。今、中国には筋トレ男子がいっぱいいるし〜。スポーツジムは筋トレに励んでいる男性でいっぱいよ。もし彼らに失望しても、中国の女性はジムで鍛えている外国人にひかれるんじゃないかしら？

【ピーター・ホー】　中国の男性はもっと筋トレに励まないといけないってこと？

【チェン・ハオ】　男性ファンを惹きつけるアクションシーンが満載ですので、男性も必見。女性は私たちが演じたラブストーリーに涙を誘われるのではないでしょうか。男女問わず楽しんでいただけると思います。

【ピーター・ホー】　日本に歴女が多いのでしたら、さまざまな武将たちを気に入っていただけるんじゃないでしょうか。

　ピーター・ホーは歌手デビューした後、多くの映画やドラマで活躍中。2009年には映画『ソフィーの復讐』でソ・ジソプとチャン・ツィイーと共演。日本でも映画『T.R.Y』『仮面ライダー555　パラダイス・ロスト』『着信アリ2』、NHKドラマ『上海タイフーン』などに出演している。チェン・ハオは日本でCDデビューも果たしている。

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