9月16日に心不全で亡くなった俳優・小林桂樹さん(享年86)の『お別れの会』が24日、都内で営まれた。世話人として名を連ねた毒蝮三太夫は「こんなに素晴らしい仕事をおやりになる方と親しくさせていただいて、亡くなるともったいないなと思います」と涙目で語り、小野ヤスシも「僕にとって父親のような人。もっとおそばにいて、付き人でも運転手でもなんでもいいから小林さんという人間をもっと知りたかった」と振り返った。会場には一般出席者100人を含めて著名人、関係者約450人が駆けつけ、別れを惜しんだ。
発起人には淡島千景、石井ふく子、大林宣彦、北大路欣也、草笛光子、小谷承靖、司葉子、津川雅彦、中井貴一、仲代達矢、古谷一行、槇坪夛鶴子、森光子、八千草薫、吉川一義など、小林さんを慕う豪華な名前が並び、祭壇には4000本のカーネーションやトルコ桔梗が彩った。
小野は「小林さんの人柄でしょうかね。みなさん、和気あいあいと楽しんで会話が弾んでおります。思っていたとおりの会になった」と目を細め、小林さんからの冗談まじりの叱咤激励から「小林さんという人間をもっと聞き取りたかった」と唇をかみしめた。
お互いに先に人生の伴侶を亡くした八千草は「奥様が亡くなって、小林さんも大変ショックを受けてましたけど、『自然と時の流れに沿って歩くしかないね』と言ってくださった」と励まし合う存在だったといい「何か月前に会ったときは元気だったんですよ。またお芝居したいと思っていたんですけどね」と突然の訃報を嘆いた。
小林さんは、1942年に映画『微笑の国』でデビューし、『社長』シリーズや『一等社員』などのサラリーマン喜劇作を中心に活躍。映画やドラマなどにも幅広く出演し、昭和を代表する名俳優として親しまれていた。
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2010/10/24