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元ちとせが歌う幻の反戦歌、ベルリン映画祭“銀熊賞”映画主題歌に決定

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 歌手の元ちとせが歌う反戦歌「死んだ女の子」が、『第60回ベルリン国際映画祭』で女優・寺島しのぶが最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞した映画『キャタピラー』(若松孝二監督、8月14日公開予定)の主題歌に決まった。広島の原爆に焼かれてしまった女の子からのメッセージという形で原爆の悲劇を伝える楽曲で、元は「映画と共にこの歌が持つ言葉の意味が世界中に届きますように」と祈願している。

元ちとせが映画『キャタピラー』の主題歌を担当 

元ちとせが映画『キャタピラー』の主題歌を担当 

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 オリジナルの歌詞は、トルコの詩人ナジム・ヒクメットが広島原爆を題材に書いた詩「小さな女の子」(原題)の日本語訳を歌詞として使用し、外山雄三が作曲、音楽家・坂本龍一がプロデュースを手掛けた。2005年に期間限定配信されたほか、CDには2006年のアルバム『ハナダイロ』のDVD付初回生産限定盤にのみボーナストラックとして収録されたのみで、元の幻の名曲ともいわれている。

 若松監督が「初めて聴いた時、大きな衝撃と感銘を受けました。監督として最も伝えたかった『忘れてはならない』という思いが、奇跡のように重なった歌です」と同曲に惚れ込み元側にオファー。元も快諾し「この曲に出会って8年の月日が流れましたが、『キャタピラー』との出会いで“歌い継ぐ歌”の意味を深く感じることができ、戦争が罪のない人々に与える苦しみや悲しみを改めて考える機会を持つことができたとも思っています」と楽曲の持つ影響を痛感した。

 寺島自身も、2005年にTBS系報道番組内で、元と坂本が広島の原爆ドーム前で行った同曲の演奏パフォーマンスを偶然観ており「魂の唄に涙がとめどなく流れてきました。この曲と映画が運命の出会いをしたと思っています」と、主題歌決定にひとかたならぬ感激があったという。自身も同作への主演で、日本人として3人目、実に35年ぶりとなる銀熊賞を受賞し話題を呼んだばかりだ。

 今回の主題歌決定を受け、元にとってメジャーデビュー後初となるカバーアルバム『Orient』(8月4日発売)の初回限定盤に収録されることも決まった。この楽曲による利益は子供たちの未来のために慈善団体に寄付される。


 元ちとせ坂本龍一

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