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映画『南極料理人』特集:堺 雅人インタビュー

【インタビュー:1】堺 雅人


 NHK大河ドラマ『篤姫』(2008年放送)の徳川家定役の演技で注目を集め、一気にブレークした俳優、堺雅人。今年は“ジェネラル・ルージュ(血まみれ将軍)”との異名を持つ医師役から一転、南極観測隊の料理人を演じる。ありとあらゆる役柄で人々を惹きつける、その魅力に迫る。


◆見終わって、何が食べたくなったか、教えてください


映画『南極料理人』のワンシーン
(C)2009『南極料理人』製作委員会

――今年は出演映画の公開が目白押し。役作りのコツは?

 「自分のルールを作らない」というルールがあって、僕の役作りはこうですというのを作らない。あまり、決めつけないで現場に入るというのが、今のところ心がけていること。作品を重ねるほど、身軽に柔軟に対応できるようになってきたかもしれません。譲歩しても、ギリギリのところで手綱を握っているのは自分だというくらいになれば理想的ですね。


――8月8日(土)公開の主演映画『南極料理人』では、プロの料理人も絶賛するほどの料理の腕前を披露。もともと料理が得意なのか? それとも器用ゆえにある程度何でもこなしてしまう?

 役者・堺雅人としては、やれと言われたことはできなきゃいけないという義務感が8〜9割。やるからにはちゃんとやりたいという欲が1〜2割、それに乗っかっている感じかな。


――料理をしている時の堺さんには、演技を超えてにじみ出る、男の色気を感じました。南極の基地で“働くパパは 男だぜ”のような。

 料理シーンは、ある意味アクションに近いと思いました。包丁で何かを切ったり、お皿に盛りつけたりというのは、失敗と成功が一目瞭然ですし。主婦の方や実際の料理人の方も、気がつくと体が動いていると思うので、今回は自分の表情や演技云々は全て後回しにして、切ること、盛ることに集中しました。そんななりふり構わない隙が、色気になっているとしたら、そういう解釈もあるかもしれませんね。自分のことは後回しにして、職務を全うしようとする人の頼もしさ、魅力をこの映画から感じてくれたとしたら、役者としてうれしいですね。


――映画からひたすら伝わってくるのは「ごはんを一緒に食べると絆が深まる」というシンプルなメッセージ。

 たわいもないと言ったら、たわいもないエピソードをひとつひとつ丁寧に描いて、良くいえば見ごたえのある、悪くいえば胃にもたれる作品になりました(笑)。沖田修一監督の才能ですね。メッセージがシンプルなだけに、鑑賞した人それぞれに、いろいろ考えてしまうかもしれないですね。「やっぱり、みんなでご飯食べるとおいしいよね」と再発見する人もいるだろうし。


◆日常的に作っている料理が僕の中では価値のある料理


――そもそも料理は? 得意料理はありますか?

 自炊程度に料理はするんですけど、料理ができますというのを声高に言いたくないという気持ちもあるんです。人間にとって食べることは根源的なものですからね。ごはんを作って食べるという当たり前のことを、その何気なさも含めて大事にしておきたいと思う。得意料理は特にないんですけど、ありあわせのものでササッと作るのが好きだったりもするし、日常的に作っている料理が僕の中では価値のある料理でもあるんです。仮に僕に家族がいたとしたら、食卓は僕と家族が共有する大事な情報にもなるわけで、あえて多くを語らないということもとても贅沢なことかなと思います。


――恋愛において、料理ができるというのはひとつの武器になると思いますか?

 すごく料理が得意な女の子というのは、ものすごく武器になると思いますよ。素敵だと思う。でも、僕が一緒に時を過ごしたいと思う女性は、料理の腕があるだけでなく、それを含めた彼女の生活力に惹かれるんじゃないかな。料理を作るタイミングだったり、「旬だから空豆買ってきちゃった」といったことに気づくセンスだったり、「昨日はこってりしたものを食べたから、今日はおそうめんにしましょう」といった気配りができるとかね。


――映画『南極料理人』について、読者にメッセージを。

 物語を観て、心がほっこりしましたとか、家族や友人が愛おしくなりましたとか、そういう感想を持ってくれるのもうれしい。それ以上に「お腹すきました」と食欲を刺激されて、おいしいものをできれば大切な人と食べていただけたら、演じた僕としては非常にうれしいかな。見終わって、何が食べたくなったか、教えてほしいですね。


>>【インタビュー:2】高良健吾
堺雅人
さかい・まさと

1973年、宮崎県出身。92年から劇団『東京オレンジ』で活動を始める。2000年NHK連続テレビ小説『オードリー』、04年NHK大河ドラマ『新選組!』での演技が高い評価を集め、08年のNHK大河ドラマ『篤姫』で幅広い人気を獲得した。映画『壁男』(07年)で初主演を飾り、『ジャージの二人』(08年)に続いて、『南極料理人』(09)が主演3作目。今後の公開待機主演作に『クヒオ大佐』(09年秋)、『ゴールデンスランバー』(2010年)がある。そのほか主な出演映画に『アフタースクール』(08年)、『クライマーズ・ハイ』(08年)、『ジェネラル・ルージュの凱旋』(09年)、『ラッシュライフ』(09年)などがある。8月28日に初の著書『文・堺雅人』が発売。9月30日より舞台『蛮幽鬼』に出演。
『南極料理人』

(C)2009『南極料理人』製作委員会

【ストーリー】
氷点下54℃、標高3810m、南極にあるドームふじ基地に観測隊員として8人の男たちがやってきた。知られざる南極での生活や仕事、離れている家族や恋人を思う気持ちを募らせながらも、次第に絆を深めていく隊員たちの日々を描く。原作は、実際に南極観測隊員として調理を担当していた西村淳のエッセイ。

堺雅人演じる主人公・西村の仕事は、隊員のために毎日料理を作ること。伊勢エビや和牛、フォアグラを使った豪華な料理から、おにぎりやラーメンといったごく身近な料理まで、目にもおいしい料理の数々がスクリーンを彩る。

脚本・監督:沖田修一
出演:堺雅人 生瀬勝久 きたろう 高良健吾 西田尚美 豊原功補 ほか
原作:西村淳『面白南極料理人』(新潮文庫、春風社刊)
配給:東京テアトル

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