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NHK効果も如実 アンジェラ・アキ「手紙」ロングヒットの秘密

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 人気シンガー・ソングライターのアンジェラ・アキが、昨年9月に発売したシングル「手紙〜拝啓 十五の君へ〜」がロングヒットになっている。08/9/29付で3位に初登場して以来、常にTOP50以内をキープし続け、昨年4/7付から今年の4/6付までの1年間では、TOP50滞在週数が28週と1位。長期間ハイレベルな位置をキープしていたことになる。今週(5/4付)でTOP100登場週数が32週と、毎週入れ替わりの激しいシングルランキングの中では異例のヒットだ。売上げ枚数もコツコツ積み上げ、21万枚を超えている。なぜここまでのロングヒットになっているのだろうか?

アンジェラ・アキ「ANSWER」 

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 この「手紙」は、昨年NHK全国学校音楽コンクールの課題曲として、全国で単純計算でも10万人を超える中学生が歌い全国に広がっていった。さらに昨年5月と9月に、課題曲を練習する中学生の元をアンジェラ自身が訪れたドキュメント番組もオンエアされ、大きな反響を呼んだ。暮れの「NHK紅白歌合戦」でも披露し、年明け1/19付のシングルランキングでは12週ぶりにTOP10に返り咲いている。
 ちなみに75回の歴史を誇る同合唱コンクールで、課題曲がシングル表題曲としてCD発売されたのは、この「手紙」が初めて。

 合唱コンクールを観た、年頃の子供を持つ親や、中学生に留まらず小学生、高校生から大人まで幅広い層から支持を得、この春は、卒業ソングとしても多くの学校で歌われた。
 さらに学校の先生が、このドキュメント番組を学校で教材として生徒に観せるという、大げさではなく社会現象にまでなっている。
 NHKにはドキュメント番組の再放送を望む声や、続編を期待する声が数多く届き、3月27日にはひとつのコンテンツとしては異例となる、3本目のドキュメント番組「拝啓 旅立つ君へ〜アンジェラ・アキと2000通の手紙〜」がオンエアされた。

 15才の思春期をテーマにした、どこまでもリアリティのある詞。
 それぞれが想い、悩み、考え、涙し、ともすれば自分の人生に大きな影響を与える人・物・事に遭遇してしまう大切な15才という時に、この曲は寄り添ってくれている。
 そんな思春期という大切な、一度しかないその瞬間を切り取ったドキュメント番組だ、説得力がないわけがない。

 鳴り止まない反響の声に応え、異例中の異例、NHKはこのシリーズ4本目のドキュメント番組を制作した。それが『島の歌声「手紙」にのせて〜長崎・五島列島 15才の青春〜』(NHK総合 6日(水・祝)後1:00〜1:48)だ。長崎県・五島列島、若松島。島の小さな中学校の、合唱コンクールを目指し真剣に取り組んでいる生徒の先生の心の交流を通して、成長していく島の中学生達の姿を克明に綴っている。

 80年代、ティーンは尾崎豊の「15の夜」に熱狂した。「15の夜」が“動”ならこの「手紙〜拝啓 十五の君へ〜」は“静”かもしれない。でも静かに、しかし熱く、「15の夜」と同じようにティーンの背中を押してくれる。

 またひとつ、日本の新しいスタンダードナンバーが誕生した。


 アンジェラ・アキ尾崎豊

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