ドラマ&映画 カテゴリ
ORICON NEWS

08年映画シーンを総括!! 09年復活のカギとは

 洋画(米映画)の不振ぶりが一段と鮮明になった2008年。07年の映画界は、全体の興行収入が1984億4000万円。最終的な08年の興行収入は、正月興行の動向いかんだが2000億円を超えるかどうかは、微妙な情勢だ。ただ、邦画は1000億円を超えることがまず間違いなく、洋画はこれにかなり届かないことがほぼ確実視されている。
■ 過去に前例がないほどの洋画の成績…… 洋画の不振ぶりは、作品別の興収上位10本を見ても明らかだ。10本のうち、洋画は何と3本。そのうちの1本が『レッドクリフ PartI』なので米映画は2本。これほど洋画の苦戦が目立つ成績は、過去あまり前例がない。
 07年にあったような強力なシリーズものが、08年は影をひそめた。期待された大作『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』が57億1000万円で止まってしまい、目標の100億円から大幅にショートしてしまったことも大きい。そのほか中クラスのヒットを狙えた作品が、軒並み成績を下げたことなど、ヒットしてしかるべき作品の数がとにかく減ってしまった。こうした事態からは、日本人のなかから洋画への関心がかつてないほど低くなってしまった現状が見えてくる。
 配給面では、東宝がただ1社、記録的な成績を上げ、怒涛の快進撃を見せた。年間の興行成績では、740〜750億円が視野に入るとのことで、これは同社のこれまでの年間記録であった595億円を大幅に上回る。興収上位10本のうち、何と6本を占める。宮崎アニメ『崖の上のポニョ』の記録的なヒットが大きかったとはいえ、それのみではないヒットのボリュームは、邦画のみならず、洋画をさえ大きく凌駕した。

■ 厳しさが増す配給各社に負の連鎖!? 東宝とは逆に、他の配給会社は厳しさが一段と増してきた。そのなかではギャガ・コミュニケーションズが事業の縮小を行ったのが象徴的だった。買い付けと製作事業をそれぞれ中止し、配給の縮小を行った。高額な買い付けだった『ライラの冒険 黄金の羅針盤』(松竹と共同配給、興収37億5000万円)が、思うような成積を上げられなかったとともに、邦画へのシフト変更も大きな結果を出せず、配給事業の業績悪化に伴う措置だった。
 ギャガに限らず、洋画の買い付けを行って配給事業を展開している他のインディペンデント系の洋画配給会社も厳しい業績のところが多い。特に最近では、洋画の買い付けを手控える会社も増えている。しかし、作品がなければ業績は当然上がらない。まさに負の連鎖が配給会社を覆っており、それが08年は一段と鮮明になってきたと言わざるをえない。
 監督、俳優では、市川崑、緒形拳が亡くなった。2人とも、死の直前まで現役であったことは、改めて仕事への執念を感じさせた。ちなみに08年は、渥美清が亡くなって10年目。映画の上映含め、様々なイベントも開催され、映画の良き日を思い出させてくれた。

■ 大作が出揃う2009年、不況に打ち勝つカギは? 09年の映画界は、洋画の復活が大きなカギを握ることになりそうだ。前半には『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』や『レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで』など、アカデミー賞に絡みそうな異色作品が並ぶこともあり、08年よりは明るさが見える。さらに『天使の悪魔 ダ・ヴィンチ・コードII』や『ハリー・ポッターと謎のプリンス』の最新作など、08年とは明らかにスケールが違う話題作、大作が待機している。大いに期待ができるのではないか。
 “映画は不況に強い”と言われてきたが、今回の“不況”は、これまでの不況とはわけが違う。だから、影響がないわけがない。しかし、人々の関心を強く引き付ける作品が登場してくれば、このケタ外れの不況も、少しは跳ね返せるかもしれない。
 つまり、そうした作品が何本あるかによって、09年の映画界が決定づけられるといっていいのではないだろうか。それが邦画だろうが、洋画だろうが関係ない。全体の興行を牽引していく作品の数こそが、映画界には求められる。



(C)2008「花より男子ファイナル」製作委員会 (C) 2008フジテレビジョン / アミューズ / S・D・P / FNS27社 (C) 2008映画「おくりびと」製作委員会 (C) 2008「デトロイト・メタル・シティ」製作委員会 (C)2008二馬力・GNDHDDT TM&(C)2008 Lucasfilm Ltd.. All Rights Reserved. Used under authorization. (C) 2008「相棒-劇場版-」パートナーズ (C) 2008 Paramount Pictures Corporation and Warner Bros. Entertainment All Rights Reserved (C)2008 Dreamworks LLC. All Rights Reserved. (C)2008 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights (C)J.K.R.Harry Potter characters, names and related indicia are trademarks of and (C) Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

 
タグ

    オリコントピックス

    あなたにおすすめの記事

    >

    メニューを閉じる

     を検索