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池脇千鶴、『ホームレス中学生』女子高生役に照れ笑い

 お笑い芸人・麒麟の田村裕のベストセラー小説を原作にする映画『ホームレス中学生』(10月25日公開)で、裕の姉・幸子役を演じるのが、日本映画界が誇る実力派女優・池脇千鶴。突然ホームレスになる一家の心温まる家族の再生の物語のなかで、役柄を通してその笑顔と元気な姿でスクリーンを明るくし、観る人にさわやかな感動を届ける。そんな池脇が「制服姿は久しぶり」と笑顔をみせながら本作への思いを語る。

(C)2008「ホームレス中学生」製作委員会 

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■女子高生役で久々の制服姿は……


 小説は販売部数220万部を超えるベストセラー。テレビドラマ化もされ、すでにそのタイトルは絶大な知名度を誇る。そんな作品の映画化にあたっては、ファンの注目度や関係者の期待が高い分、のしかかるプレッシャーも大きくなりそうだが、池脇は気負うことなく自然体でこの仕事を受けた。

「原作は読んでいませんでしたが、脚本をいただいて目を通したら、すごく優しくて温かい話で、裕が成長していくすごくいい人間ドラマだと思いました。幸子が高校生というのはひっかかりましたが、徹平ちゃんが中学生をやるんだったらバランスがとれると思ってお受けしました。制服はしばらく着ていなかったですね。正直、(制服を着られて)普通にうれしいんですけど(笑)」

 そんな池脇が演じるのは、思い悩む思春期の裕を、なんとか兄とともに受け止めて明るく生きていこうとする姉・幸子。生きる強さと明るさを持った元気な女子高生だ。劇中ではつらいシーンの後にスクリーンを温かくする笑顔をみせる。自身との共通点を聞いてみると、自分のほうが女っぽい乱暴なところがあるという。

「幸子は、雑なところもあるけど、面倒見がよくていつも兄弟の身を案じていて、すごく思いやりがあります。私は兄弟は上しかいないから、下の子を幸子のように面倒みられるかはわからないですね。でも、タイプは違うかもしれませんが、元気なところは一緒です。幸子のほうがお母さんっぽい。私のほうが女っぽい乱暴なところがあるかもしれないです」

■こんな現場は初めてというくらい楽しかった




(C)2008「ホームレス中学生」製作委員会

 主人公・裕役の小池徹平と兄・研一役の西野亮廣(キングコング)とは、本物の仲のよい兄弟のような自然な空気感をかもしだす。それは撮影現場の雰囲気がそのまま伝わってきているようだ。

「現場はそれこそ和気あいあいという言葉がピッタリで、本物の兄弟のような感じでした。普通は現場に入ってから兄弟の役を作っていくんですけど、今回はそういう意識的なものがいらなかったですね。食事もずっと一緒でしたし」

 池脇は役者としては西野の大先輩にあたる。撮影でのアドバイスやダメ出しなどのエピソードを期待したが、残念ながら……。その代わりに、現場での様子がそのまま伝わってくるような笑顔をみせた。

「ギャグで『今の(素の)西野やったで〜』みたいなことはいいましたけど、アドバイスなんて全然していないです(笑)。撮影で苦労とか大変だったことはとくにないですね。本当にずっと楽しくて、こんな現場は初めてというくらいおもしろかったです」

 いまや映画やテレビドラマのほか、女優としての顔以外に幅広い活躍をみせる池脇。多忙を極めるなかで、新たな仕事を受けるときの基準は意外にシンプルだった。

「ほとんど勘ですね。まずは企画書、台本ありきなんですけど、それを読んで自分がおもしろいと思ったら、主演でもそうじゃなくても出たいと思いますね。それが売れるか売れないかではなく、自分が観たいか観たくないか、小さなワクワクがあるかです。そういう気持ちが生まれれば役にこだわらずお受けします。今回の『ホームレス中学生』も、感覚でいいなって。出演させてもらえるならぜひ、と思いました」

■おもしろいと感じれば、役にこだわらない

 『ホームレス中学生』は、家族が非日常的な状況に追い込まれることで、それまで感じることができなかった小さな発見があり、何気ない普通の生活のなかの幸せを再確認させる。では、池脇自身が最近感じた幸せとは……

「支えてくれている仲間がいることですね。最近、大事な人が亡くなって、そういう時にみんなすごく優しくしてくれるんです。そういうことで、改めて生きるっていうことの大切さを感じることができて、十分に生きなきゃって思うし、落ち込んでいる自分があったから、周りの優しさをまた確認できます。実は深い幸せなんですけど」

 決してホームレスの生活が主題ではない本作。家族の再生を描く人間ドラマのなかで、池脇は日常の小さなうれしさと温かい気持ちに気付かせてくれる。

池脇千鶴:PROFILE
1999年、故・市川準監督『大阪物語』のヒロインに抜擢されて映画デビュー。キネマ旬報日本映画新人女優賞など数々の栄誉に輝く。その後、『金髪の草原』(2000年)『ジョゼと虎と魚たち』(2003年)『きょうのできごと』(2004年)『誰がために』(2005年)など数多くの作品に出演。今年は本作『ホームレス中学生』のほか、『犬と私の10の約束』『音符と昆布』が公開されている。また、NHK大河ドラマ『風林火山』などのテレビドラマやテレビCMなど、幅広く活躍する。
 

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