『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』で物語のカギを握る妖怪・濡れ女を演じる寺島しのぶ
一方、アクションホラー作品ともいえる『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』への参加については「今までの私の出演作は大人にしかみせられない作品が多かったので、子どもにみてもらえる作品への出演に憧れていました。その点でも今回のお話はうれしかった」とも語っている。
■芸能界のサラブレッド、舞台からスクリーンへ
その寺島がスクリーンでの注目度を高めたのは2003年公開の映画『赤目四十八滝心中未遂』、続く『ヴァイブレータ』の2作品。一見エキセントリックだが傷ついた心を抱えた繊細な現代女性を、文字通り体当たりの演技で熱演、それまでの舞台女優としての正統派イメージを一新した。さらに、2005年に嵐の松本潤と共演した『東京tower』では若い男と不倫を重ねる平凡な主婦を、2007年の豊川悦司と共演で話題となった『愛の流刑地』では愛に翻弄される“古風”ともいえる女性を熱演し、またも周囲のイメージを覆した。
■出演作選びは演じる役が愛おしいと思えるか
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■日本映画界に思う「大人の女性が魅せる作品を」
悩みを抱える働く女性から平凡な主婦まで、様々なキャラクターを演じ分ける寺島だが、インタビューの最後に「今の邦画は、若い人向けの映画が多すぎる」と日本映画界の現状を憂う。漫画を原作とした作品が増え、そこに多くの観客が足を運んでもらえることは素晴らしいことと、日本アニメの功績を認める反面「昔の溝口映画(※)のような、ほんのりとした作品も日本映画の側面として残していきたい。若い世代向けだけではない“大人の女性”が魅せるフランス映画のような作品を」。
すでに数々の映画賞を受賞している寺島だが、これからの日本映画の“温故知新の道しるべ”として、今後の活躍にさらに期待が高まりそうだ。
※溝口映画……映画監督・溝口健二の作品のこと。黒澤明、小津安二郎らと並び称される日本映画の巨匠。代表作は『西鶴一代女』(1952年)『雨月物語』(1953年)など。
1972年12月生まれ。京都市出身。歌舞伎役者の尾上菊五郎と大女優・富司純子の間に生まれ、弟は父と同じく歌舞伎役者・尾上菊之助。1989年にNHK『詩城の旅びと』に出演しドラマデビュー。その後、数多くの舞台に出演し、1996年に舞台『華岡青洲の妻』で文化庁芸術祭賞新人賞を受賞する。映画デビューは2002年の『シベリア超特急2』。近年の出演映画には『愛の流刑地』(2006年)『茶々 天涯の貴妃(おんな)』(2007年)『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』(2008年)『ハッピーフライト』(2008年)などがある。テレビ朝日系木曜ドラマ『四つの嘘』(7月スタート)に出演する。
2008/07/18