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オリコンニュース

どうなる?07年の映画シーン大予測

21年ぶりに興収逆転! 好調邦画の勢いは続くか?
話題作めじろ押しな洋画の巻き返しなるか?



邦画のヒットばかりが目立ち洋画がかすみがちだった06年

 06年の映画界は日本映画の話題ばかりが目立つかたちとなった。洋画では05年からの公開の『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』や『ダ・ヴィンチ・コード』『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』に『M:i:?』、そしてクリント・イーストウッドの『父親たちの星条旗』と『硫黄島からの手紙』の“硫黄島”2部作あたりが気を吐いたものの、日本映画の勢いが圧倒的に勝った感がある。

 実際、日本映画製作者連盟がまとめたところでは、06年の日本映画の興行収入が洋画を21年ぶりに上回る見込みだという(11月までの興行収入の統計から)。05年の日本映画の興行収入比率は41.3パーセントだったが、06年は11月時点で53パーセントに達している。12月には『武士の一分』や『大奥』をはじめ、『劇場版 どうぶつの森』『劇場版BLEACHブリーチ Memories of Nobody』といったアニメーション作品が登場したことから、日本映画だけでも興収が1000億円を超えるとの声も上がっている。

 

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団


スパイダーマン3

 確かに、05年12月公開の『男たちの大和/YAMATO』、1月の『THE有頂天ホテル』に始まり、3月の『ドラえもん のび太の恐竜 2006』、4月の『名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌<レクイエム>』、5月の『LIMIT OF LOVE 海猿』、6月の『デスノート 前編』、7月の『日本沈没』に『ゲド戦記』、9月の『涙そうそう』、11月の『デスノート the Last name』などなど、日本映画は1年の間に満遍なくヒット作を送り出してきた。しかも、そのうち6作品が50億円を超える数字をたたきだしている。

 こうした状況をもたらした背景には、複数企業が参画する“製作委員会”方式が定着し、とりわけ各テレビ局が積極的に映画製作に乗り出したことがある。各局が自前の人気ドラマを映画化、公開にあわせて鳴り物入りでプロモーションを展開したことで、映画の認知度をさらに高め、潜在的な映画人口を大きく開発することになった。

 もちろん、こうしたテレビ局主導のかたちは今までにもあったし、それぞれ効果を上げてきたが、今年は各局が競いあうことで、例年にない盛り上がりをみせたのだ。とりわけ日本テレビは『デスノート』2部作の公開にあわせて、本編の一部を放映し、完結編公開にあわせて前編を放映するなど、突っ込んだプロモーションを展開。みごとヒットに結びつけたことは特筆に価する。

 一方、洋画はヒットした作品とそうでないものがきっちりと分かれるかたちとなった。前述したようなヒット作はいずれも、『ダ・ヴィンチ・コード』や“硫黄島”2部作のように社会ネタにまで広がったケースや、多くのファンを誇るシリーズもの。圧倒的な物量のプロモーションを行いながら、討ち死にした作品も決して少なくなかった。CGやVFXを駆使した派手な映像にはいくらインパクトがあっても、同じような趣向の作品ばかりでは飽きがくるという意見もあれば、リメイク作品やシリーズものばかりが増え続けるアメリカ映画には、もはや食傷気味との声も上がっている。

07年、洋画は人気シリーズで勝負。果たして巻き返しはなるか?

 では、07年もまた日本映画の伸びが続くかというと、ひとえに06年以上に話題をもった作品を輩出することができるかにかかっているが、ラインナップを見る限り、決して予断は許さない。むしろ洋画の方が大ヒットしたシリーズを総結集する分、確実な数字が見込めると分析されている。

 まず05年から06年にかけて110億円の興行収入をあげた『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の余勢を駆って、シリーズ最新作『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(7月)が登場する。成長著しいポッターが闇の帝王と戦うために厳しい魔法修行に乗り出すストーリーで、いよいよシリーズも佳境に入ることになる。監督にイギリステレビ界出身のデビッド・イェーツを抜擢したことによって、これまで以上のダイナミックな語り口と映像が期待されている。

 同じく100億円を超えるヒットを記録したシリーズの完結編、『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』(5月25日)がある。主演のジョニー・デップ人気もさることながら、前作が“完結編に続く”かたちで終わっているため、前作並み、もしくはそれ以上の動員が期待されている。香港映画界から世界進出を果たしたチョウ・ユンファの出演も決定しているとあって、スケールはさらに広く豪華になったとか。

 『スパイダーマン3』(5月5日)も前作が04年に67億円を稼ぎ出したとあって、大きな期待が寄せられている。今度はスパイダーマンが“内なる闇”に苛まれる展開となるらしいが、監督サム・ライミ、主演のトビー・マグワイアは健在。練りに練ったストーリーをもとに、今度は黒い衣装のスパイダーマンが登場。早くもトレーラーが露出しているが、インパクトは十分ある。

 36億円の興行収入を記録した『オーシャンズ12』に続く『オーシャンズ13』(7月)も公開予定だ。ダニー・オーシャンをリーダーとする泥棒グループにメンバーがまたひとり増えて、お遊び気分の痛快ストーリーが繰り広げられる。スティーヴン・ソダーバーグの肩の力の抜けた演出、ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモンをはじめとするゴージャスなキャストが話題をさらうのは間違いないだろう。

 この他にも、12年ぶりにシリーズ復活となった、“絶対にくたばらない”男ジョン・マクレーンが派手なアクションを披露する『ダイ・ハード4.0(仮題)』(6月全米公開)や、シルベスター・スタローンが16年の歳月を経て、またまた老体に鞭打って四角いリングに立つ『ロッキー・ザ・ファイナル』(4月21日)まで、映画ファンには馴染みのある作品が並ぶ。

 ここまでシリーズ作品が揃ってしまう07年は、ある意味でアメリカ映画界の風潮の分岐点となる可能性が大だ。ハリウッドの製作者サイドは、往年の名作やTVシリーズのリメイク、あるいはコミックス、ファンタジー小説などの映画化に限界を感じはじめており、リスクを冒してもオリジナルストーリーで勝負して、次につながる新たな人気シリーズを生み出すことを急務としているからだ。そうした動きが実を結ぶかどうか、成り行きが注目されるところ。

洋邦を問わず公開がめじろ押しのアニメーションが当たる可能性は

 さて、アニメーションは日本映画の春、夏シーズンの目玉といってもいい存在で、“ドラえもん”や“名探偵コナン”“クレヨンしんちゃん”“ポケットモンスター”といった、もはや定番的なシリーズは07年も健在。これに熱狂的なファンを擁する『エヴァンゲリオン 新劇場版 前編 REBUILD OF EVANGELION:01(仮題)』(初夏)などが加わり、まさに万全の布陣だが、対する洋画の方もメジャー各社が趣向を凝らした作品を上陸させる。

 ドリームワークスからは、大ヒットしたシリーズ第3弾『シュレック3』(6月30日)に、『ウォレスとグルミット』で知られるアードマンと協力してつくりあげた『マウス・タウン ロディとリタの大冒険』(07年)がエントリー。
 老舗のディズニーは『ルイスと未来泥棒』(12月)が、CGアニメーションの草分けピクサー社からは『レミーのおいしいレストラン』(夏)が、それぞれ公開となる。これにワーナー・ブラザースが『ハッピー フィート』(3月)、ソニー・ピクチャーズが『サーフズ・アップ』(08年正月)で対抗するわけだが、奇しくも両作品の主人公のキャラクターがペンギンというのもおかしい。

 CG技術が発展したおかげで、かようにアメリカでアニメーションが量産される時代を迎えることになった。映画興行のみならず、DVDやマーチャンダイズでもヒットを計算できるとあって、しばらくはアニメーション製作が過熱しそうだが、ここでも実写映画と同じくオリジナリティが求められることになる。同じような動物キャラクターばかりが登場するのでは観客の飽きが早くなるのはいうまでもない。

 日本の実写映画に転じれば、『ALWAYS 続・三丁目の夕日』(11月)がまず挙がる。スタッフ・キャストも変わらずに、またも昭和の人情世界を笑いとペーソスで描きだす。こちらも第1作並のヒットが期待されている。
 また人気テレビドラマの映画化が多いのも07年の特徴だ。篠原涼子主演の『アンフェア the movie』(3月17日)や、香取慎吾が主演する『劇場版 西遊記』(7月14日)、あるいは『武士の一分』で動員力のあるところを証明した木村拓哉主演の『HERO』(9月)などが揃っている。この他、テレビのドラマでも話題を撒いた『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(4月14日)、実写版『ゲゲゲの鬼太郎』(4月28日)などもこの範疇に入れてもいいだろう。

 大作として仕上がりが期待されているのがチンギス・ハーンの生涯を綴った『蒼き狼〜地果て海尽きるまで〜』(3月3日)、黒澤明の名作をリメイクした『椿三十郎』(12月)あたりか。
 日本映画を見渡すと、今年に比べて、大仕掛けのスペクタクルよりもむしろ情感に訴える作品が優先されている。東京・新宿をはじめ日本各地にシネマコンプレックスがさらに誕生する映画館環境のなかで、こうした日本映画界の狙いが強力な洋画群を押さえて、06年と同じような状況をつくれるかどうか。まずは見守っていきたい。
(文/稲田隆紀)





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