秋になり涼しく過ごしやすくなったが、急に肌がごわつき「一気に老けた?」と感じる人も多いのではないだろうか。その原因は、夏に蓄積した紫外線ダメージと秋口の乾燥、秋花粉などにあるという。トラブルが増える時期のおすすめのスキンケア成分やNG習慣など、肌を立て直すための正しい秋のスキンケア術について、クリニックフォア監修医兼ナチュラルスキンクリニック院長の皮膚科医・圓山尚先生に聞いた。
■夏のダメージ、紫外線、花粉…秋の肌を取り巻く見えないリスク
――「秋は肌が一気に老ける」という噂を聞きますが、主な原因は何でしょうか?
「秋になると、夏の強烈な紫外線のダメージが時間差で目立ってくるのがメインの原因です。それに加えて、お風呂で洗いすぎて皮脂が落ち、乾燥が進んでしまう…といった要因が重なります。夏のダメージ蓄積と乾燥シーズンへの突入、また秋花粉の肌への影響などが重なって、ごわつきやシミなどのトラブルが出てくる形ですね」
――10月になって日差しが弱まっても、やっぱり紫外線対策は必要ですか?
「必要です。今年は雨や曇りの日も多く油断しがちですが、晴れると強い日差しがありました。紫外線が弱まってくるのは10月から3月頃ですが、グラデーションのように少しずつ弱まるだけなので、依然として日焼け止めは必須です。夏のUVB(紫外線B波)のようにすぐに真っ赤になる急性のダメージと違い、UVA(紫外線A波)は後から蓄積してダメージが出てくるので注意してください」
――秋花粉についても教えてください。春のスギ花粉と比べてどんな違いがありますか?
「秋はブタクサやヨモギなどがメインになりますが、症状自体に大きな違いはありません。ただ、より乾燥していく季節に入るため、アレルギーを持っている方は秋の方が不調を訴えることが多いかもしれません」
――アレルギーの自覚がなくても、皮膚への影響だけが出ることも?
「あります。『鼻の症状はないが目だけがかゆい』『目の周りをこすって肌がガサガサになっている』という方もいるため、不調が花粉のせいなのかどうか分かりにくい場合もあります。ただ、『晴れた日に外に出たらひどくなる』『家の中だと大丈夫』といった患者さんからのエピソードと、実際の肌に現れている症状を診て、秋の花粉症が肌荒れの原因かを見極めます」
――夏のダメージや秋の肌荒れをリセットするために、積極的に取り入れたいスキンケア成分は何でしょうか?
「紫外線のダメージによる炎症を鎮めることと、メラニンを作る細胞(メラノサイト)の活性化を抑える美白ケアの両方をやっていくのが良いですね。おすすめは『トラネキサム酸』です。ビタミンCにも美白効果はありますが、炎症を鎮める作用はそれほど強くありません。トラネキサム酸は肌の炎症を鎮める作用があるので、スキンケアや内服薬で取り入れると良いと思います」
――この時期は保湿成分として、ヒアルロン酸などがよく話題に上りますが。
「ヒアルロン酸は取り入れていただいて良いと思います。ただ、ヒアルロン酸は分子の大きさが様々で、大きすぎると肌の中(角質層)に入らずに膜を張るだけの状態になってしまいます。これはワセリンなどを塗って蓋をするのと同じです。一方、分子が小さければ、肌の中に入って水分をスポンジのように留めてくれます。商品に書いてある成分表だけでは分からないことも多いので、公式サイトなどで『角質層まで入る』と打ち出しているものを選ぶのもおすすめです」
――本格的な乾燥シーズンを迎える前に見直すべき「秋のNGスキンケア習慣」を教えてください。
「秋は肌が荒れやすい時期なので、高濃度のビタミンCやレチノールといった『攻める成分』は控えた方が良いかもしれません。スクラブやピーリングを頻繁に行って、肌のバリア機能を自ら壊してしまうような行為も避けてください。夏場のベタつき対策のケアから、しっかり保湿できるアイテムへ切り替えるタイミングとして意識していただくと良いと思います」
■肌寒い季節のお風呂の入り方、長湯もキャンセルもNG
――最後に、お風呂の入り方についてもお聞かせください。寒くなると熱いお湯に長く浸かりたくなりますが、乾燥肌を悪化させることにつながりますか?
「はい。42度以上の熱いお湯に浸かることや、長湯をすることで皮脂が流れ落ちてしまい、より乾燥してしまう原因になります。目安としては、だいたい38度から40度ぐらいのお湯に10分程度浸かるのが良いですね。お風呂にスマートフォンを持ち込んで長湯してしまう方も多いと思うので、ご注意ください」
――では、乾燥を防ぐためにお風呂をキャンセルするのは…?
「それは良くないです。お風呂で皮脂が流れても、入浴後5分以内に保湿ケアをすれば問題はありませんので、お風呂は入っていただきたいですね」
【監修】
圓山 尚(えんやまたかし)
ナチュラルスキンクリニック院長兼クリニックフォア監修医。金沢医科大学医学部卒業後、日本医科大学附属病院皮膚科に入局し皮膚科・皮膚外科・レーザーを中心とした診療を行う。その後、湘南美容クリニックでの勤務を経て、2019年にクリニックフォア新橋院を開院。現在はクリニックフォア監修医と永福スキンクリニック(現ナチュラルスキンクリニック)の院長を務め、“美のかかりつけ医”として活動している。
■夏のダメージ、紫外線、花粉…秋の肌を取り巻く見えないリスク
――「秋は肌が一気に老ける」という噂を聞きますが、主な原因は何でしょうか?
「秋になると、夏の強烈な紫外線のダメージが時間差で目立ってくるのがメインの原因です。それに加えて、お風呂で洗いすぎて皮脂が落ち、乾燥が進んでしまう…といった要因が重なります。夏のダメージ蓄積と乾燥シーズンへの突入、また秋花粉の肌への影響などが重なって、ごわつきやシミなどのトラブルが出てくる形ですね」
――10月になって日差しが弱まっても、やっぱり紫外線対策は必要ですか?
「必要です。今年は雨や曇りの日も多く油断しがちですが、晴れると強い日差しがありました。紫外線が弱まってくるのは10月から3月頃ですが、グラデーションのように少しずつ弱まるだけなので、依然として日焼け止めは必須です。夏のUVB(紫外線B波)のようにすぐに真っ赤になる急性のダメージと違い、UVA(紫外線A波)は後から蓄積してダメージが出てくるので注意してください」
――秋花粉についても教えてください。春のスギ花粉と比べてどんな違いがありますか?
「秋はブタクサやヨモギなどがメインになりますが、症状自体に大きな違いはありません。ただ、より乾燥していく季節に入るため、アレルギーを持っている方は秋の方が不調を訴えることが多いかもしれません」
――アレルギーの自覚がなくても、皮膚への影響だけが出ることも?
「あります。『鼻の症状はないが目だけがかゆい』『目の周りをこすって肌がガサガサになっている』という方もいるため、不調が花粉のせいなのかどうか分かりにくい場合もあります。ただ、『晴れた日に外に出たらひどくなる』『家の中だと大丈夫』といった患者さんからのエピソードと、実際の肌に現れている症状を診て、秋の花粉症が肌荒れの原因かを見極めます」
「紫外線のダメージによる炎症を鎮めることと、メラニンを作る細胞(メラノサイト)の活性化を抑える美白ケアの両方をやっていくのが良いですね。おすすめは『トラネキサム酸』です。ビタミンCにも美白効果はありますが、炎症を鎮める作用はそれほど強くありません。トラネキサム酸は肌の炎症を鎮める作用があるので、スキンケアや内服薬で取り入れると良いと思います」
――この時期は保湿成分として、ヒアルロン酸などがよく話題に上りますが。
「ヒアルロン酸は取り入れていただいて良いと思います。ただ、ヒアルロン酸は分子の大きさが様々で、大きすぎると肌の中(角質層)に入らずに膜を張るだけの状態になってしまいます。これはワセリンなどを塗って蓋をするのと同じです。一方、分子が小さければ、肌の中に入って水分をスポンジのように留めてくれます。商品に書いてある成分表だけでは分からないことも多いので、公式サイトなどで『角質層まで入る』と打ち出しているものを選ぶのもおすすめです」
――本格的な乾燥シーズンを迎える前に見直すべき「秋のNGスキンケア習慣」を教えてください。
「秋は肌が荒れやすい時期なので、高濃度のビタミンCやレチノールといった『攻める成分』は控えた方が良いかもしれません。スクラブやピーリングを頻繁に行って、肌のバリア機能を自ら壊してしまうような行為も避けてください。夏場のベタつき対策のケアから、しっかり保湿できるアイテムへ切り替えるタイミングとして意識していただくと良いと思います」
■肌寒い季節のお風呂の入り方、長湯もキャンセルもNG
――最後に、お風呂の入り方についてもお聞かせください。寒くなると熱いお湯に長く浸かりたくなりますが、乾燥肌を悪化させることにつながりますか?
「はい。42度以上の熱いお湯に浸かることや、長湯をすることで皮脂が流れ落ちてしまい、より乾燥してしまう原因になります。目安としては、だいたい38度から40度ぐらいのお湯に10分程度浸かるのが良いですね。お風呂にスマートフォンを持ち込んで長湯してしまう方も多いと思うので、ご注意ください」
――では、乾燥を防ぐためにお風呂をキャンセルするのは…?
「それは良くないです。お風呂で皮脂が流れても、入浴後5分以内に保湿ケアをすれば問題はありませんので、お風呂は入っていただきたいですね」
【監修】
圓山 尚(えんやまたかし)
ナチュラルスキンクリニック院長兼クリニックフォア監修医。金沢医科大学医学部卒業後、日本医科大学附属病院皮膚科に入局し皮膚科・皮膚外科・レーザーを中心とした診療を行う。その後、湘南美容クリニックでの勤務を経て、2019年にクリニックフォア新橋院を開院。現在はクリニックフォア監修医と永福スキンクリニック(現ナチュラルスキンクリニック)の院長を務め、“美のかかりつけ医”として活動している。
2026/10/16