1996年誕生の『たまごっち』は、現在の平成レトロブームの代表格ともいえる存在として、世代を超えて新たな熱狂を生み出し、令和に「第4次ブーム」が巻き起こっている。そんな中、株式会社バンダイと株式会社BANDAI SPIRITSは、子どもたちが記者となり、商品の企画開発の背景や担当者の想いを深堀する取材体験イベント『あつまれ!バンダイこども記者』を初開催した。イベントに参加した親子の声や子どもたちの反応、バンダイ・BANDAI SPIRITSの担当者への取材を通して、タイパ時代に「手間のかかるおもちゃ」が、再ブームとなった背景を紐解く。
◆開発者の固定観念を覆した子どもたちの「自由すぎるアイデア」
1996年誕生の『たまごっち』は、現在の平成レトロブームの代表格ともいえる存在として、世代を超えて新たな熱狂を生み出し、令和に「第4次ブーム」が巻き起こっている。そんな中、株式会社バンダイと株式会社BANDAI SPIRITSは、子どもたちが記者となり、商品の企画開発の背景や担当者の想いを深堀する取材体験イベント『あつまれ!バンダイこども記者』を初開催した。イベントに参加した親子の声や子どもたちの反応、バンダイ・BANDAI SPIRITSの担当者への取材を通して、タイパ時代に「手間のかかるおもちゃ」が、再ブームとなった背景を紐解く。
そんな中、バンダイ・BANDAI SPIRITSは子どもたちが「記者」としておもちゃの企画開発の背景や担当者の想いに迫る体験型イベント『あつまれ!バンダイこども記者』を初開催。令和の「たまごっちキッズ」たちが企画開発担当者へ直接取材を行い、自由な発想で新しい『たまごっち』のアイデアを提案し、新聞制作する企画が実施された。
『たまごっち』の企画開発担当者は、「枠にとらわれない柔軟さ」「子どもの真っ直ぐな観察眼」などに触れ、驚かされる場面が多かった。大人の固定観念を飛び越える斬新なアイデアが次々と飛び出し、「既存の『たまごっち』の見た目に捉われず、新しい設定や“動くと光る”といったギミックまで考えてくれる発想に驚かされました」(トイ事業部・中山優衣さん)、「自分なりのオリジナリティーを上手く加える発想の自由さ、思考の柔軟さ、スピード感に“うらやましさ”を覚えました」(トイ事業部・西田結々さん)などと刺激を受けたようだ。
また、「企画開発の裏話を聞いた後に、子どもたちが手元の『たまごっち』をそれまで以上に大切そうに見つめる姿もありました。商品の背景を知ることで、より愛着を持ってもらえたのだと感じ、とてもうれしかったです」(トイ事業部・山本ひなたさん)と振り返る。子どもたちの素直な問いかけや独自の視点は、『たまごっち』がどれほど深く愛されているかを担当者に再認識させる、温かなひと幕だった。
さらに、「おもちゃ作りの仕事」を将来の夢とする子どもたちも少なくなかった。「好きなものを集めるうちに、『自分で作ったらどうなるんだろう?』と考えたのがきっかけです」(小学5年生女児)と夢を語る姿に、「自分も好きなものへの憧れを原点に、この仕事に就いたことを思い出しました」(山本さん)と胸が熱くなったという。
◆令和の親子を繋ぐ共通言語となった『たまごっち』の熱量
1996年発売当時は、女子高生を中心に人気を博した。今回参加した保護者の多くは初代の“たまごっち世代”で、子どもと一緒に『たまごっち』を楽しんでいる人が多かった。なぜ『たまごっち』は世代を超えて愛されるのか? その理由について、参加者と企画開発担当者の声から、3つのポイントが浮かび上がった。
①忙しい現代っ子にフィットする「手がかかるけれど隙間時間で育む愛着」
習い事や学校生活で多忙を極める現代の子どもたちにとって、「隙間時間で遊べる点が良いと思います」(小6女児の母)と、画面に張り付きっぱなしにならない『たまごっち』の絶妙な距離感は最適だと言えるだろう。
また、「アクションゲームなどでは相手を倒すと終わりですが、『たまごっち』は何日も何ヵ月もかけて1体のたまごっちを育てるので、他のおもちゃにはない学びがあります」(小6女児の母)と言う。あえて時間と手間をかけながら育てるプロセスを通じて、「愛情をかけた分だけ応えてくれる喜びや大切さ」を学ぶこともできる。
②平成女児だった親世代と令和の子どもの「共通言語」
参加した子どもたちはデジタルネイティブ世代だが、アナログなおもちゃである『たまごっち』にも違和感なく適応していた。バンダイの中山さんは、「みんな想像以上に夢中になってくれたのが印象的でした。普段からデジタルコンテンツに親しんでいる子どもたちだからこそ、自分の手を動かして遊ぶ体験を新鮮に感じてくれていたようです」と振り返る。
“平成女児”である母親と、デジタルネイティブである令和の子どもたちの両世代に渡って愛され続ける『たまごっち』。「世代に関係なく『可愛い』と思えるデザイン性は、『たまごっち』が愛される秘訣だと思います」(小6女児母)、「親子で2種類の『たまごっち』を買い、一緒に育てています。『これに進化したよ』と報告し合ったり、シールを一緒に集めたり、親子で楽しんでいます」(小5女児母)などと、日常の中で親子共通の話題となり、家族の絆を深める接点にもなっているようだ。
③「非効率」だからこそ生まれる達成感と想像力
何かとタイパや効率が重視される現代社会だが、それとは真逆である“手がかかる非効率さ”こそが、『たまごっち』最大の特徴である。
「『たまごっち』の魅力は、お世話を通じて愛着を持ち、その成長を見守る喜びを感じられることだと思います。手間がかかり、思い通りにならないこともありますが、だからこそ生まれる愛情や達成感があります。そうした“世話のやける喜び”を世界中の子どもたちに届けたいと考えています」(トイ事業部)
また、ドット絵・ドット液晶ならではのシンプルな表現だからこそ、子どもたちの想像力がかき立てられ、さらには“多様性”の学びにも繋がるという。
「1人ひとりが自由に想像を膨らませられることが、それぞれの『たまごっち』との思い出や愛着につながっていると感じています。『たまごっち』たちは、さまざまな個性を持っていますが、それぞれの違いを楽しみながら受け入れることで、多様な価値観に自然と触れるきっかけにもなってほしいと思っています」(トイ事業部)
◆万博ガンダムがきっかけに…バンダイが「こども記者」を企画したワケ
そもそも今回の『あつまれ!バンダイこども記者』は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)でバンダイナムコグループが出展した『GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION』にて、小中学生から取材を受けたことが企画構想のきっかけになった。
「この時、子どもたちがさまざまな視点で『GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION』を捉え、たくさん質問をして、記事化してくれました。私たちが伝えたかったメッセージがしっかり子どもたちに伝わっていることを感じ、関係者一同感激しました」(経営企画部・塙知美さん)
今回の企画では、直接交流の機会を通して「バンダイのものづくりに対する姿勢や、おもちゃを作る仕事の面白さを感じてもらいたい」との思いがあった。それと同時に、「私たちが子どもたちに一方的に何かを『与える』のではなく、私たちが子どもたちから多くの学びを『受け取る』こともできる相互のコミュニケーションになることを期待していた」と塙さんは言う。
現役記者から「記者の心得」のレクチャーを受け、新聞を制作したり、その過程で「たまごっちの企画開発の背景」について、子どもたちから「何人で作っているの?」「『たまごっち』ができるまで、どのくらいかかるの?」など、さまざまな質問が寄せられた。また、新しい『たまごっち』を考えるグループワークでは、初対面の子ども同士が話し合い、意見をすり合わせる体験を通じて「担当者みんなで商品を作り上げる」という企画開発プロセスを追体験した。
このイベントで見られた風景もそうだが、発売から30周年を迎える今も、“温かい体験”を届け続ける『たまごっち』。世代を超えて愛される背景には、「あえて手間をかける体験が育む愛着」と「世代を繋ぐコミュニケーション」という共通の本質がある。効率化やデジタル化が進みタイパ重視の現代において、隙間時間でじっくり育てる「非効率さ」は、子どもたちの想像力や愛情を深める学びとなり、同時に平成の親世代と令和の子どもを繋ぐ「共通言語」として機能している。便利さばかりが追求される時代に、この「手間暇を楽しむ体験」こそが、時代を超えて親子の心を惹きつける唯一無二の魅力となっている。
「今は何でもすぐに答えが出る時代です。だからこそお世話を重ねながら少しずつ愛情を育てていく体験には、大きな価値があると考えています。親子で一緒にお世話をしたり、成長を見守ったりする時間を通して、『たまごっち』が世代を超えたコミュニケーションのきっかけになればうれしいです」(トイ事業部)
【写真】こんなに小さいの!?「Tamagotchi ring」 を着けるゆうちゃみ
◆開発者の固定観念を覆した子どもたちの「自由すぎるアイデア」
そんな中、バンダイ・BANDAI SPIRITSは子どもたちが「記者」としておもちゃの企画開発の背景や担当者の想いに迫る体験型イベント『あつまれ!バンダイこども記者』を初開催。令和の「たまごっちキッズ」たちが企画開発担当者へ直接取材を行い、自由な発想で新しい『たまごっち』のアイデアを提案し、新聞制作する企画が実施された。
『たまごっち』の企画開発担当者は、「枠にとらわれない柔軟さ」「子どもの真っ直ぐな観察眼」などに触れ、驚かされる場面が多かった。大人の固定観念を飛び越える斬新なアイデアが次々と飛び出し、「既存の『たまごっち』の見た目に捉われず、新しい設定や“動くと光る”といったギミックまで考えてくれる発想に驚かされました」(トイ事業部・中山優衣さん)、「自分なりのオリジナリティーを上手く加える発想の自由さ、思考の柔軟さ、スピード感に“うらやましさ”を覚えました」(トイ事業部・西田結々さん)などと刺激を受けたようだ。
また、「企画開発の裏話を聞いた後に、子どもたちが手元の『たまごっち』をそれまで以上に大切そうに見つめる姿もありました。商品の背景を知ることで、より愛着を持ってもらえたのだと感じ、とてもうれしかったです」(トイ事業部・山本ひなたさん)と振り返る。子どもたちの素直な問いかけや独自の視点は、『たまごっち』がどれほど深く愛されているかを担当者に再認識させる、温かなひと幕だった。
さらに、「おもちゃ作りの仕事」を将来の夢とする子どもたちも少なくなかった。「好きなものを集めるうちに、『自分で作ったらどうなるんだろう?』と考えたのがきっかけです」(小学5年生女児)と夢を語る姿に、「自分も好きなものへの憧れを原点に、この仕事に就いたことを思い出しました」(山本さん)と胸が熱くなったという。
◆令和の親子を繋ぐ共通言語となった『たまごっち』の熱量
1996年発売当時は、女子高生を中心に人気を博した。今回参加した保護者の多くは初代の“たまごっち世代”で、子どもと一緒に『たまごっち』を楽しんでいる人が多かった。なぜ『たまごっち』は世代を超えて愛されるのか? その理由について、参加者と企画開発担当者の声から、3つのポイントが浮かび上がった。
①忙しい現代っ子にフィットする「手がかかるけれど隙間時間で育む愛着」
習い事や学校生活で多忙を極める現代の子どもたちにとって、「隙間時間で遊べる点が良いと思います」(小6女児の母)と、画面に張り付きっぱなしにならない『たまごっち』の絶妙な距離感は最適だと言えるだろう。
また、「アクションゲームなどでは相手を倒すと終わりですが、『たまごっち』は何日も何ヵ月もかけて1体のたまごっちを育てるので、他のおもちゃにはない学びがあります」(小6女児の母)と言う。あえて時間と手間をかけながら育てるプロセスを通じて、「愛情をかけた分だけ応えてくれる喜びや大切さ」を学ぶこともできる。
②平成女児だった親世代と令和の子どもの「共通言語」
参加した子どもたちはデジタルネイティブ世代だが、アナログなおもちゃである『たまごっち』にも違和感なく適応していた。バンダイの中山さんは、「みんな想像以上に夢中になってくれたのが印象的でした。普段からデジタルコンテンツに親しんでいる子どもたちだからこそ、自分の手を動かして遊ぶ体験を新鮮に感じてくれていたようです」と振り返る。
“平成女児”である母親と、デジタルネイティブである令和の子どもたちの両世代に渡って愛され続ける『たまごっち』。「世代に関係なく『可愛い』と思えるデザイン性は、『たまごっち』が愛される秘訣だと思います」(小6女児母)、「親子で2種類の『たまごっち』を買い、一緒に育てています。『これに進化したよ』と報告し合ったり、シールを一緒に集めたり、親子で楽しんでいます」(小5女児母)などと、日常の中で親子共通の話題となり、家族の絆を深める接点にもなっているようだ。
③「非効率」だからこそ生まれる達成感と想像力
何かとタイパや効率が重視される現代社会だが、それとは真逆である“手がかかる非効率さ”こそが、『たまごっち』最大の特徴である。
「『たまごっち』の魅力は、お世話を通じて愛着を持ち、その成長を見守る喜びを感じられることだと思います。手間がかかり、思い通りにならないこともありますが、だからこそ生まれる愛情や達成感があります。そうした“世話のやける喜び”を世界中の子どもたちに届けたいと考えています」(トイ事業部)
また、ドット絵・ドット液晶ならではのシンプルな表現だからこそ、子どもたちの想像力がかき立てられ、さらには“多様性”の学びにも繋がるという。
「1人ひとりが自由に想像を膨らませられることが、それぞれの『たまごっち』との思い出や愛着につながっていると感じています。『たまごっち』たちは、さまざまな個性を持っていますが、それぞれの違いを楽しみながら受け入れることで、多様な価値観に自然と触れるきっかけにもなってほしいと思っています」(トイ事業部)
◆万博ガンダムがきっかけに…バンダイが「こども記者」を企画したワケ
そもそも今回の『あつまれ!バンダイこども記者』は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)でバンダイナムコグループが出展した『GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION』にて、小中学生から取材を受けたことが企画構想のきっかけになった。
「この時、子どもたちがさまざまな視点で『GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION』を捉え、たくさん質問をして、記事化してくれました。私たちが伝えたかったメッセージがしっかり子どもたちに伝わっていることを感じ、関係者一同感激しました」(経営企画部・塙知美さん)
今回の企画では、直接交流の機会を通して「バンダイのものづくりに対する姿勢や、おもちゃを作る仕事の面白さを感じてもらいたい」との思いがあった。それと同時に、「私たちが子どもたちに一方的に何かを『与える』のではなく、私たちが子どもたちから多くの学びを『受け取る』こともできる相互のコミュニケーションになることを期待していた」と塙さんは言う。
現役記者から「記者の心得」のレクチャーを受け、新聞を制作したり、その過程で「たまごっちの企画開発の背景」について、子どもたちから「何人で作っているの?」「『たまごっち』ができるまで、どのくらいかかるの?」など、さまざまな質問が寄せられた。また、新しい『たまごっち』を考えるグループワークでは、初対面の子ども同士が話し合い、意見をすり合わせる体験を通じて「担当者みんなで商品を作り上げる」という企画開発プロセスを追体験した。
このイベントで見られた風景もそうだが、発売から30周年を迎える今も、“温かい体験”を届け続ける『たまごっち』。世代を超えて愛される背景には、「あえて手間をかける体験が育む愛着」と「世代を繋ぐコミュニケーション」という共通の本質がある。効率化やデジタル化が進みタイパ重視の現代において、隙間時間でじっくり育てる「非効率さ」は、子どもたちの想像力や愛情を深める学びとなり、同時に平成の親世代と令和の子どもを繋ぐ「共通言語」として機能している。便利さばかりが追求される時代に、この「手間暇を楽しむ体験」こそが、時代を超えて親子の心を惹きつける唯一無二の魅力となっている。
「今は何でもすぐに答えが出る時代です。だからこそお世話を重ねながら少しずつ愛情を育てていく体験には、大きな価値があると考えています。親子で一緒にお世話をしたり、成長を見守ったりする時間を通して、『たまごっち』が世代を超えたコミュニケーションのきっかけになればうれしいです」(トイ事業部)
2026/09/30