『第52回放送文化基金賞贈呈式』が8日に都内で行われ、『ドラマ部門』最優秀賞をNHK『夜ドラ ひらやすみ』が受賞した。 『ひらやすみ』のあらすじは「生田ヒロト、29歳、フリーター。定職なし、恋人なし、普通ならあるはずの?将来の不安も一切ない、お気楽な自由人です。そんなヒロトは、人柄のよさだけで、仲良くなった近所のおばあちゃん・和田はなえから、一戸建ての平屋を譲り受けることに。そして、山形から上京してきた18歳のいとこ・小林なつみと2人暮らしを始めた。ヒロトの周りには生きづらい“悩み”を抱えた人々が集まってきて…」という内容だった。選考理由は「平屋に住むことと、平に休みにすることを掛けたと思しきタイトルがのほほんと示しているように、せわしない現代の生活にホッと息をつかせてくれる作品だ。一戸建てを他人からもらうという設定は、他者への親切が契機で運が開けるディケンズの『大いなる遺産』型の夢の設定と言えよう。幸せは目の前にあるのに、人は立ち止まってそれを感じようとしないというT・ワイルダーの『わが町』型テーマを、究極の優しさで描いた傑作だ。俳優陣の演技、ナレーションが特に優れていた」という内容だった。 また、演技賞は同ドラマに出演した岡山天音と森七菜が受賞。岡山の選考理由は「『ひらやすみ』では、俳優・岡山天音の持つ魅力のすべてが生田ヒロトという人物として結実したかのようなナチュラルさがあった。どこまでも優しく、他者を思いやることのできる人物をここまで自然に、かつ内省的に丁寧に表現し得る俳優はほかにいないのではないだろうか。これまで、屈折した陰のある役や野心的で情熱に満ちた役などさまざまにこなしてきた岡山だが、人のつらさや痛みを知っているからこそ、生きることを慈しむ大切さを自覚する品性のある力強い人物を見事に体現し得たのだろう。単なる能天気なマイペースではなく、人間としてあるべき軸をしっかり示し得たのは、彼の人間としての佇まいの確かさに基づいていると思われる」という内容だった。 森の選考理由は「さまざまなキャラクターを演じ分ける実力派だが、『ひらやすみ』では、不器用な十代の美大生を演じ、ヒロ兄や大学の友達との関係性の変化を繊細に、かつ爽快に演じて視聴者を魅了した。最初は自意識過剰でムスッとした駄々っ子をコミカルに演じつつ、次第に友達と打ち解けて自信を持てるようになっていく成長の変化をしっかりと演じてみせた。視線や表情、体の動きや態度など、あらゆる要素を大きく使いながら過剰にならずに自然に見せる演技力は尋常ではない。特にあうんの呼吸でヒロ兄との関係性を築けたのは、相手を信頼して、その場で何かを生み出す瞬発力があるからだろう。将来が楽しみな女優である」という内容だった。
2026/07/08