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劇場版『モノノ怪』演出物議でプロデューサー引退 山本幸治氏、降板させた声優を再起用で謝罪

 現在公開中のアニメ映画『劇場版モノノ怪 第三章 蛇神』で企画プロデュースを担当していた山本幸治氏が5日、自身のXを更新し、プロデューサー業を引退することを発表した。引退の理由は、同作において2022年に一部週刊誌で不倫報道があった主人公・薬売り役の櫻井孝宏を降板させたが、今作で事前告知なく再起用したことがネット上で物議となっており、その責任もとって引退・謝罪した。

アニメ『劇場版モノノ怪 第三章 蛇神』ティザービジュアル(C)ツインエンジン

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 『劇場版モノノ怪』は3部作として2024年より公開。当初は2023年に公開予定だったが、櫻井が2022年10月に『文春オンライン』で一般女性との不倫が報じられたこともあり、主人公・薬売り役を降板、後任は神谷浩史へ変更となっていた。

 キャスト変更理由としては、「『劇場版モノノ怪』は舞台を大奥に移し、女性たちの苦しみと救済を描こうとしております。その作品性の観点からの決断となります。ファンの皆様にはお詫び申し上げるとともに、変わらぬ声援をいただけますと幸いです」と説明していた。

 そして先月、『劇場版モノノ怪 第三章 蛇神』が公開されると、降板した櫻井が演じる薬売りが登場しており、事前に再起用したことを告知していないこともあり、ネット上では物議となっていた。

 一連の騒動を受け今回、山本氏は「現在、声優の降板と再起用とその情報の出し方について、たくさんのご意見を頂戴しております。製作を統括する立場より、経緯のご説明とお詫びを申し上げます。お詫びする立場でありながらのお願いとなり誠に恐縮ですが、個人攻撃や誹謗中傷、お客様同士の論争のようなことが起きないことを願っております。総監督はじめスタッフ一同、お客様に楽しんでもらいたいという一心で作品制作に励んで参りました。ご理解とご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます」と演出の経緯を説明することに。

 まず、櫻井の降板については「降板の原因となる一連の騒動によって、スタッフ内からもこのまま作り続けることが難しいのではないかという声が上がり、このままでは作品制作が継続できないと感じていました。それとともに、お客様に作品を楽しんでいただく環境が崩れてしまったのではないかというのが降板を決めた理由です」と告白。

 櫻井の再起用については「監督のインタビュー等にもありますが、蛇神の後に登場する百目とどう決着をつけるかが懸案となっており、もう一人の薬売りを召喚するというアイデアが出されました。もちろん、そこで離以外の薬売りを登場させる選択肢や、離の薬売りを映像だけで登場させる選択肢もありました。しかし、どこかで離の薬売りを求めるお客さんの声に応えたいと考えていたこともあり、離の薬売りを良い形で登場させ、お客様に喜んでもらえることができれば、最終章の節目にふさわしいものができると再起用を決断しました」「大好きだったキャラクターが存在しなかったかのようになってしまったと悲しんでいらっしゃる方々に、離の薬売りとの再会を喜んでもらいたいと考えました」と説明した。

 物議となった情報の出し方についても触れ、「一番の問題はその決断に伴い必要な配慮が欠けていたことだと考えております。前項の描き分けができていれば、離の薬売りの登場は喜んでいただけるはずだと考えておりました。離の薬売りとの再会を事前情報なく体験してもらいたいと考え、事前の情報出しを行わず、3日間ネタバレをしない期間を設ける施策を行いました。結果的にこの施策が、離の薬売りの登場を望まない方々に対して、鑑賞するか、鑑賞をしないかを選択する機会を損ねる結果となりました。想定の甘さを痛感し、大変申し訳なく思っております。事前に出演者情報をお伝えしなかったことで不快な思いをされた方がいらっしゃることについて、配慮が不足しておりましたことを心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。

 そして「今回その責任を取ってプロデューサー業を引退することとしました。昨夜、グループ内にも周知しました。これまでも、自分が強引に進めたことがトラブルの要因となっていることが多く、その瞬間瞬間は、諦めないこと、進むことを選んできたのですが、『モノノ怪』については自分で責任を取るべきと考えていました」と引退を宣言。

 「モノノ怪に限らず、これまで不快な思いをされたお客様、ご迷惑をおかけした関係者の皆様に対してお詫び申し上げます。時代感覚、顧客感覚との乖離を感じることが増え、それによるチームへの影響、グループスタジオ、作品への影響などを考えてのことです。今後は経営と後進の育成、業界のゲームチェンジに挑むつもりです。(仕込み済みの作品のクレジットは変更しません)」と伝えた。

 最後に「フジテレビ時代から20年以上、企画・製作のプロデューサーを濃淡含めて100作品くらい関わらせてもらってきましたが、その中でも中村監督作品は自分にとっていつも特別なものでした。最後の作品が『劇場版モノノ怪』でよかったです。最高の出来上がりになっておりますので、ぜひ楽しんでいただきたいです」とつづった。

 『モノノ怪』は、2007年7月にフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放送されていた作品で、「真(まこと)」「理(ことわり)」「形(かたち)」を見極め、モノノ怪を斬ることのできる退魔の剣を持つ、謎の男「薬売り」の物語。人の心とアヤカシが生み出す凄絶なる惨劇を、諸国を巡る薬売りと退魔の剣が断つ姿を描いたストーリー。

 完全新作劇場版・3部作が2024年に始動し、第1部『劇場版モノノ怪 唐傘』は驚異のロングラン上映を記録。続く2025年3月には続編となる第2部『劇場版モノノ怪 第二章 火鼠』が公開。完結となる今作3部は、女たちの情念が渦巻く“大奥”を舞台に、豪華絢爛で荘厳美麗な世界に潜む“女の情念”と、そこで生まれる“モノノ怪”の正体を描く物語で、大奥内で永きにわたり隠されてきた“最大の秘密”に迫り、シリーズ最恐のモノノ怪が出現し、最後の“救済の儀”を描いている。

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