フランスで開催中の「第78回カンヌ国際映画祭」(5月13日〜24日)の「監督週間」に出品された映画『国宝』(6月6日公開)の公式上映が、現地時間18日午後4時よりクロワゼット劇場にて行われた。主演の吉沢亮、横浜流星、共演の渡辺謙、そして李相日監督が登壇し、上映後には約6分間におよぶ熱烈なスタンディングオベーションが巻き起こった。4人の目には涙がにじんでいたそうだ。 「監督週間」ディレクターのジュリアン・レジ氏は「半世紀にわたる日本人歌舞伎役者の半生を描いた、近年では珍しいメロドラマ。出演者は歌舞伎役者ではありませんが、1年半の稽古を重ねてリアルな表現に挑み、幅広い観客が歌舞伎に触れられる作品に仕上がっています」と本作を紹介。 李監督は「ボンジュール!フランス語はこれしか話せなくてすみません(笑)」とユーモアを交えたあいさつをし、「この歴史ある映画祭、意義深い『監督週間』に選出されたことは、キャスト・スタッフ一同、心から光栄に思っています。今日この場に、献身的に取り組んでくれた彼ら(吉沢・横浜)と立てることをうれしく思います。少し長い映画ですが、どうぞ最後まで楽しんでください」とコメント。 吉沢も「ボンジュール!」とあいさつし、「映画に関わる者にとっての憧れの場所・カンヌで、日本の伝統芸能・歌舞伎を題材とした作品を届けられることを光栄に思います。僕と流星が1年半かけて向き合って完成させた作品です。楽しんでいただければ幸いです」と述べた。 横浜も「ボンジュール!」からはじまり、「カンヌの地に立てたことに感激しています。日本の伝統芸能を扱った人間ドラマが、どのように皆さまの心に届くのか楽しみにしています」とあいさつした。 続いて渡辺は英語で「本日ここに立てたことを大変光栄に思います。この作品は、二人の若き俳優の努力の結晶。彼らに心から敬意を表します。少し長い映画ですが、どうぞ楽しんでください」と語り、会場を沸かせた。
2025/05/19