ドラマ&映画 カテゴリ
ORICON NEWS

クリストファー・ノーラン×山崎貴、アカデミー賞受賞監督同士の対談実現「アンサー映画の監督にふさわしい」

 現地時間10日に開催された「第96回アカデミー賞」授賞式で作品賞、監督賞をはじめ最多7部門で受賞した映画『オッペンハイマー』(3月29日公開)のクリストファー・ノーラン監督と、アジア映画で初となる視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-1.0』(公開中)の山崎貴監督による対談が実現し、その動画が公開された。

山崎貴監督とクリストファー・ノーラン監督の対談が実現

山崎貴監督とクリストファー・ノーラン監督の対談が実現

写真ページを見る

 『オッペンハイマー』は、第二次世界大戦中、原子爆弾開発・製造のためのマンハッタン計画を遂行した天才科学者J・ロバート・オッペンハイマーを描いた伝記映画。完成した原爆は、日本の広島と長崎に投下された。

 受賞直後の囲み取材で、「いつか『オッペンハイマー』のアンサーとなる映画を日本人として作らなくては」とコメントしていた山崎監督。ノーラン監督も『ゴジラ-1.0』を「とても刺激的で細かいこだわりが感じられる、見る者を引き込む映画」だと高く評価していた。

 公開された特別対談映像は、山崎監督の「知的好奇心を刺激されました」という感想から始まる。「パンドラの箱を開けてしまった人間が、どのような社会的な立ち位置でいたのか。時系列を組み替えながら描いていて、ハードなテーマのエンターテインメントになっている。すごく面白い、素晴らしい作品。オッペンハイマーが残酷な幻影をみるという、栄光と悲惨さが同じ画面に収められている作り方がすごい」と山崎監督が絶賛。

 ノーラン監督は「私が物語の中で興味があるのは頭脳明晰な人たちが世界を理解し驚くべき創造性を飛躍させテクノロジーを用いてどのようなことを可能にするのか、そしてその裏に潜む恐ろしい暗示です。そのコントラストを映画に映し出し観客のみなさんに直で感じてもらいたい」と応じ、「開発を進めていく先に待ち受けている恐ろしさの片鱗が既に見えているわけです。しかし時代の状況ゆえに行動するしかなかった。その緊張感を観客のみなさんに体験してほしいと思いました」と述懐。天才物理学者の脳内に入り、その時彼は何を感じていたのか、その瞬間を観客と共有する“没入体験”を目指したと語る。

 「悪い人間、素晴らしい人間を決めつけていない、その両方がこん然一体となっている」描写に驚嘆したとする山崎監督に、ノーラン監督は「それは物語を伝える上で大切にしたことでオッペンハイマー役のキリアン・マーフィーともよく話し合いました。観客にはオッペンハイマーを裁くのではなく理解してほしかったのです。皆さんにこの人物の両面を体験してもらい、彼がした選択について自分だったらどうするか考えてみてほしかった。自分とは考えや立場が全く違う人の、考えや思いがわかるというところが映画の魅力です」と、どう受けとめるかは観客ひとり一人の判断に委ねることを最優先したとコメントしている。

 『オッペンハイマー』に触発された山崎監督はノーラン監督に直接「日本が返答の映画を作らねばならない」と宣言。ノーラン監督は「アンサー映画を作るのであれば山崎監督以上にふさわしい監督は思い浮かびません。ぜひ実現していただけたらと思います。これからも山崎監督の作品を楽しみにしています」と笑顔で応じている。

 また、映像へのこだわりについてノーラン監督は、「観客の感覚に訴えかける映画を常に作りたいと思っています。今まで多くの映画をIMAX用の70ミリフィルムで撮影してきました。驚くほど鮮明で色の再現度が高いからです。大きなスクリーンに投影するとスクリーンの枠が消え映画に没入することができます。劇場のさまざまなサウンドシステム 音響や音楽との融合によって観客を物語に引き込むことができるのです。こういった没入感を これからも映画制作で大事にしていきたいです」というコメント。

 これを受けて山崎監督は「すごく伝わってきました。IMAXならではの作品だと思います」と言い、映像は締めくくられる。

YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」

>このニュースの流れをチェック

  1. 1. 「第96回アカデミー賞」『オッペンハイマー』最多7冠 『君たちはどう生きるか』『ゴジラ-1.0』も受賞【結果一覧】
  2. 2. クリストファー・ノーラン×山崎貴、アカデミー賞受賞監督同士の対談実現「アンサー映画の監督にふさわしい」

オリコントピックス

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索