俳優のリリー・フランキー（60）、木村多江（52）、高梨臨（35）が1日、日英合作映画『コットンテール』（3月1日公開）の初日舞台あいさつに登壇し、本作の見どころを語った。

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　本作は、学生時代にオックスフォード大学と早稲田大学で日本映画を学び、日本にも非常に造詣が深いイギリス人、パトリック・ディキンソン監督の長編劇映画デビュー作。日本人キャストによる日本の家族の物語を、東京とイギリスを舞台に描く。

　長年人生を共に歩んできた妻・明子（木村）に先立たれた兼三郎（リリー・フランキー）は、明子の「イギリスのウィンダミア湖に遺灰を撒いてほしい」という最後の願いを叶えるため、長らく疎遠だった息子の慧（錦戸亮）とその妻・さつき（高梨）たちとイギリスへと旅立つ。しかし、互いに長年のわだかまりを抱えた兼三郎と慧はことあるごとに衝突してしまう。さらに兼三郎には、慧に言えない明子とのもう一つの約束があった…というストーリー。

　リリーは満員の客席を眺め、「もっと小さな映画館でやると思っていましたし、会社にも『お客さん来ないよ？』って言っていたんです。それがこんなにたくさんの方に来ていただけてありがたい。ちょっと大変な時期に映画を作るっていうことで、いろんな人に力を貸していただいた作品なので、本当にこの日を迎えられて感無量です」と感謝した。

　木村も「コロナがあったりして撮影までなかなか進まず、撮影中もなかなか進まず、公開日もなかなか決まらず…。ずっとどうなるんだろうかと思っていましたが、やっとこうやってみなさんの前で披露目することができました」とにっこり。「キャスト、スタッフが懇親の思いを込めた撮影でしたので、本当にうれしいです。ありがとうございます」としみじみ語った。

　撮影中のエピソードを聞かれると、木村は「わざわざイギリスから来てくださったスタッフの方たちに、日本で少しでも楽しい思いをしていただきたいと思っていたんですけど、やっぱり隔離期間があったりとか…。そういう意味で大変な撮影でしたね」と振り返りつつ、「だけど、合間のティータイムで癒やされましたし、スタッフのみなさんがそこで楽しそうにしている顔を見て救われていました」と明かす。

　リリーは「話には聞いていたけど、日本での撮影でもティータイムを欠かさないんです。本当にこんなにイギリス人って紅茶を飲むんだなっていうのを痛感した」と言い、「イギリスの撮影に行ってももちろんある。なんならスタッフがずっと紅茶とビスケットを持って歩いている感じ。それを見たとき、マジでイギリス人だなって思いました」と笑いを誘った。

　ほっこりとしたエピソードも明かしながら、リリーは最後に「撮影が終わってから2年半。これはお蔵入りになるパターンだなと思っていた」と苦笑しつつ、「今までいろいろな初日あいさつに出てきましたけど、きょうは特に感慨深い。観客のみなさんに、ありがとうございますという気持ちでいっぱいです」と封切りを喜んだ。