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19歳で投資をスタートした“87歳”伝説の投資家・シゲルさん 「『もうやらない』と思ったらスパッとやめる」時代を読む力

 87歳の現役トレーダー・藤本茂さんが投資の極意を伝える書籍『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え  資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド刊)が、昨年11月の発売からすでに12万部を突破するなど好セールスを続けている。「日本のウォーレン・バフェット」と呼ばれるシゲルさんは、貧農生まれながら株で資産を18億円にまで増やした現役デイトレーダー。現在も3台のパソコンとモニターで常時80銘柄ほどをチェックしているという。シゲルさんが投資の“極意”を伝える同書から、「時代を読む力」について語ったエピソードを、一部抜粋して紹介する。

87歳の現役トレーダー・藤本茂さん(写真:川瀬典子)

87歳の現役トレーダー・藤本茂さん(写真:川瀬典子)

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■「時代を読む力」が大事

 株には「相場を読む力」が必要ですが、私の人生を振り返ってみると、「時代を読む力」もそれなりにあったのではないかと思います。

 高校時代に就職先をペットショップに決めたとき、日本はペットブームの真っただ中にありました。1920年代には「熱帯魚ブーム」が起こりましたが、その後、戦争の影が色濃くなるにつれて「ペットを飼う」という余裕は日本人から失われました。神戸でいえば、1928年にできた諏訪山(すわやま)動物園も1951年に閉園しています。

 戦争が終わり、少しずつ生活が立ち直り始めると、癒やしを求めて多くの人たちがペットを求めるようになりました。いわゆる「ペットブーム」が巻き起こり、私がペットショップに就職先を決めたころには、あちこちにペットショップがありました。

 諏訪山動物園も、移転して王子動物園としてふたたび開園しました。いまや王子動物園はパンダがいる動物園としても有名です。

 私が独立して開店したペットショップにも、たくさんのお客さんが来てくれました。当時の売れ筋は犬やオウム、カナリアでしたね。犬は富裕層、小鳥は一般家庭で好まれました。そう大きくはない店でしたが、サルなどの取り扱いもありました。

 サルやオウムは前述のとおり、神戸港に来る船員から買い取っていたんです。船員は世界各国を回るなかで、東アジアのボルネオなどでサルやオウムを安く仕入れ、日本で高く売るわけです。ちょっとした小遣い稼ぎですね。

 オウムは岡山で繁殖させている人がたくさんいたので、そこまで買い付けに行くこともありました。

 サルはオナガザルにオマキザルなど、いろいろな種類がいました。印象深いのはオランウータンですね。

 珍しいので高く売れるはずだと思って80万円で買ってみたものの、なかなかオランウータンを買ってくれる個人はいませんでした。

 そのため結局、15万円で動物園に伝手(つて)のある業者に売る羽目になりました。オランウータンと手をつないで神戸・三宮の一等地を散歩したこともありましたね。いまは法律が厳しくなっているので、とても無理な話です。

 法律の締め上げに加え、1970年代にはペットブーム自体が下火になりました。都市開発による地上げという予想していなかった形ではありますが、経営が思わしくなくなる前に手放すことができたのは幸いでした。

 雀荘を開いたのも、麻雀が一大ブームを起こす直前でした。麻雀は大正時代に第1次ブームが来たものの、やはり戦争の影響でいったん沈静化。その後、1969年に阿佐田哲也という小説家が『麻雀放浪記』の連載を始めたことで、第2次麻雀ブームが到来しました。

 当時人気のあった深夜のテレビ番組「11(イレブン)PM」でも取り上げられ、麻雀の専門雑誌も創刊されました。決して「ブームに乗っかろう」と思って始めたわけではないのですが、結果的に大成功を収めました。

 いまは全国的に雀荘の数が激減しています。雀荘では知人かそうでないかにかかわらず4人で卓を囲むわけですが、コロナの影響を受けて「知らない人と対面で卓を囲む」こと自体の需要も減りました。

 昔は煙草を吸いながら麻雀をしていたものですが、喫煙の規制も厳しくなりましたしね。私が経営していた雀荘があった場所も、いまは飲食店や接骨院になっています。

 株に専念し始めたのも、バブルの直前です。資産は10億円から2億円に大きく減らしましたが、バブルが来る前から始めていたからこそ、バブルが崩壊しても2億円の資産が残っていたともいえます。

 ペットショップも雀荘も、始めるときもやめるときも、とくに悩むことはありませんでした。女房に相談もしていません。貧乏暮らしが苦でもないですし、たとえ何かが起こったとしても、きっとなんとかなるだろうという思いがありました。

 「もうやらない」と思ったらスパッとやめる、「これがやりたい」と思ったらすぐに始める。このやり方が私の性分には合っているのだと思います。

 女房もよく我慢してついてきてくれたものだと思います。普段、面と向かってはとても言えませんが、感謝しています。

『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え  資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド刊)

『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え  資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド刊)

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■プロフィール
藤本茂/1936(二・二六事件の起こった昭和11)年、貧しい農家の4人きょうだいの末っ子として生まれる。高校卒業後ペットショップに就職。そこで証券会社勤務のお客と出会ったことから、19歳で投資を始める。その後、雀荘を経営しつつ株式投資に打ち込み、1986年に転換社債の投資を機に専業投資家となる。2002年、66歳のときに生涯で初めてパソコンを買い、ネット取引を開始。いまでは取引時間中はマーケット・経済ニュース専門のチャンネル「日経CNBC」の株式市況の放送をつけっぱなしにしながら、3台のパソコンとモニターで常時80銘柄ほどチェック。月6億円分を売買する。デイトレードがなにより大好きで、テクニカル指標を重視し、命の続く限り現役デイトレーダーを続ける意気込み。「投資に年齢は関係ない」がモットー。1990年代のバブル崩壊、2008年のリーマンショックによる激動の波乱相場も乗り越え、資産18億円を築く。テクニカル分析に経験と勘を織り交ぜ、巨額資金を運用する機関投資家にも立ち向かう。毎朝2時起きで相場に挑む投資歴68年、87歳の現役デイトレーダー。

■資産18億円を築いた87歳の現役トレーダー・藤本茂さんが投資の極意を伝える
『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え  資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド刊)

関連写真

  • 87歳の現役トレーダー・藤本茂さん(写真:川瀬典子)
  • 3台のモニターでトレードに集中するシゲルさん(写真:川瀬典子)
  • 87歳の現役トレーダー・藤本茂さん(写真:川瀬典子)
  • 『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え  資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド刊)

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