キューバのアメリカ海軍基地にある悪名高い収容施設「グアンタナモ」に収監された無実の息子を取り戻すために闘った母親の1786日の実話をもとにしたドイツ映画『Rabiye Kurnaz gegen George W. Bush(原題)』が、『ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ』の邦題で、5月3日より東京の新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか全国で順次公開される。
2001年、アメリカ同時多発テロのひと月後。ドイツのブレーメンに暮らすトルコ移民一家の母ラビエ・クルナスは、長男のムラートが旅先で“タリバン”の嫌疑をかけられ、キューバのグアンタナモ湾にある米軍基地の収容所に収監されてしまったことを知る。
無実の息子を救うために奔走するラビエだったが、警察も行政も動いてくれない。藁(わら)にもすがる思いで、電話帳で見つけた人権派弁護士ベルンハルト・ドッケの元を訪れたラビエは、アドバイスを受けアメリカ合衆国最高裁判所でジョージ・W・ブッシュ大統領(当時)を相手に訴訟を起こすことに…。
監督を務めたのは、『グンダーマン 優しき裏切り者の歌』(2018年)などを撮ったドイツの俊英アンドレアス・ドレーゼン。収監中の5年間をつづったムラート・クルナスの著書を読んだドレーゼン監督は、訴訟も裁判もないまま収容所に送り込まれ、5年も出られなかったという事実に憤りを感じ映画化を計画。しかし、あまりにも悲惨な内容に二の足を踏んでいた。
そんな中で出会ったムラートの母ラビエ・クルナスの一癖も二癖もある天真爛漫なキャラクターに魅せられ、作品の方向性が決定。ドイツのコメディアン、メルテム・カプタンが主演を務めたことで、シリアスなテーマにもかかわらずコメディタッチで軽妙な快作が誕生することになった。
ラビエ本人と同じくトルコ系ドイツ人であるカプタンは、アメリカでミュージカル俳優として活動したのち、ドイツに拠点を移し、人気コメディアンにまで上り詰めた経歴を持つ。「エリン・ブロコビッチ風のずうずうしさを盛り込んだ好感の持てる主役」(DEADLINE)、「絶妙な間合いと温かさを役にもたらした真の秘密兵器メルテム・カプタン」(The Hollywood Reporter)などと評され、ドイツ映画デビュー作にして初主演となった本作で、「第72回ベルリン国際映画祭」銀熊賞(主演俳優賞)を受賞する快挙を成し遂げた。
同ベルリン国際映画祭では銀熊賞(脚本賞)のダブル受賞も果たし、ドイツで最も権威のあるドイツ映画賞では作品賞(銀賞)、主演女優賞、助演男優賞の3部門で受賞した。
日本での公開に向けて作成されたポスタービジュアルは、まっすぐと前を見つめる主人公ラビエ・クルナスの姿が大きくデザインされている。「オカン、都へ行く。」というキャッチコピーのとおり、親しみとユーモアにあふれたラビエの姿は、まさに「オカン」と呼びたくなる。
そして、ムラートを探すシーンから始まる予告編は、グアンタナモ収容所の場所すら知らなかったラビエが、弁護士のドッケと出会い、アメリカのワシントンを訪れる様子が描かれている。いつも元気で時に厚かましい母ラビエと冷静な弁護士ドッケのコンビが、立場を超えて理解し合い、協力していく姿は、観るものに爽やかな感動の予感があふれている。
(C)2022 Pandora Film Produktion GmbH, Iskremas Filmproduktion GmbH, Cinema Defacto, Norddeutscher Rundfunk, Arte France Cinema
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
2001年、アメリカ同時多発テロのひと月後。ドイツのブレーメンに暮らすトルコ移民一家の母ラビエ・クルナスは、長男のムラートが旅先で“タリバン”の嫌疑をかけられ、キューバのグアンタナモ湾にある米軍基地の収容所に収監されてしまったことを知る。
無実の息子を救うために奔走するラビエだったが、警察も行政も動いてくれない。藁(わら)にもすがる思いで、電話帳で見つけた人権派弁護士ベルンハルト・ドッケの元を訪れたラビエは、アドバイスを受けアメリカ合衆国最高裁判所でジョージ・W・ブッシュ大統領(当時)を相手に訴訟を起こすことに…。
監督を務めたのは、『グンダーマン 優しき裏切り者の歌』(2018年)などを撮ったドイツの俊英アンドレアス・ドレーゼン。収監中の5年間をつづったムラート・クルナスの著書を読んだドレーゼン監督は、訴訟も裁判もないまま収容所に送り込まれ、5年も出られなかったという事実に憤りを感じ映画化を計画。しかし、あまりにも悲惨な内容に二の足を踏んでいた。
そんな中で出会ったムラートの母ラビエ・クルナスの一癖も二癖もある天真爛漫なキャラクターに魅せられ、作品の方向性が決定。ドイツのコメディアン、メルテム・カプタンが主演を務めたことで、シリアスなテーマにもかかわらずコメディタッチで軽妙な快作が誕生することになった。
ラビエ本人と同じくトルコ系ドイツ人であるカプタンは、アメリカでミュージカル俳優として活動したのち、ドイツに拠点を移し、人気コメディアンにまで上り詰めた経歴を持つ。「エリン・ブロコビッチ風のずうずうしさを盛り込んだ好感の持てる主役」(DEADLINE)、「絶妙な間合いと温かさを役にもたらした真の秘密兵器メルテム・カプタン」(The Hollywood Reporter)などと評され、ドイツ映画デビュー作にして初主演となった本作で、「第72回ベルリン国際映画祭」銀熊賞(主演俳優賞)を受賞する快挙を成し遂げた。
同ベルリン国際映画祭では銀熊賞(脚本賞)のダブル受賞も果たし、ドイツで最も権威のあるドイツ映画賞では作品賞(銀賞)、主演女優賞、助演男優賞の3部門で受賞した。
日本での公開に向けて作成されたポスタービジュアルは、まっすぐと前を見つめる主人公ラビエ・クルナスの姿が大きくデザインされている。「オカン、都へ行く。」というキャッチコピーのとおり、親しみとユーモアにあふれたラビエの姿は、まさに「オカン」と呼びたくなる。
そして、ムラートを探すシーンから始まる予告編は、グアンタナモ収容所の場所すら知らなかったラビエが、弁護士のドッケと出会い、アメリカのワシントンを訪れる様子が描かれている。いつも元気で時に厚かましい母ラビエと冷静な弁護士ドッケのコンビが、立場を超えて理解し合い、協力していく姿は、観るものに爽やかな感動の予感があふれている。
(C)2022 Pandora Film Produktion GmbH, Iskremas Filmproduktion GmbH, Cinema Defacto, Norddeutscher Rundfunk, Arte France Cinema
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2024/02/21