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【第96回アカデミー賞】『君たちはどう生きるか』『ゴジラ-1.0』『PERFECT DAYS』日本映画3作品に注目【ノミネート一覧】

 米アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーは23日(現地時間)、「第96回アカデミー賞」のノミネート作品を発表。スタジオジブリ・宮崎駿(※崎=たつさき)監督の『君たちはどう生きるか』が長編アニメ映画賞に、『ゴジラ-1.0』が日本映画で初めて視覚効果賞に、役所広司主演&ヴィム・ヴェンダース監督による『PERFECT DAYS』が国際長編映画賞にそれぞれノミネートされた。

『ゴジラ-1.0』 (C)2023 TOHO CO., LTD.

『ゴジラ-1.0』 (C)2023 TOHO CO., LTD.

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 さらにメイクアップ&へアスタイリング賞に『マエストロ:その音楽と愛と』で特殊メイクを担当した京都出身のカズ・ヒロ(辻一弘)がノミネートされている。受賞作品・受賞者の発表は3月10日(※現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターにて行われる。

■日本映画3作品について

 『君たちはどう生きるか』の宮崎駿監督は、第75回(2003年開催)の『千と千尋の神隠し』、第78回(06年開催)の『ハウルの動く城』、第86回(14年開催)の『風立ちぬ』に続く、4度目の長編アニメ映画賞へのノミネートとなり、日本作品で初めて受賞した『千と千尋の神隠し』以来、2度目の受賞を狙う。今月7日(現地時間)に発表されたアカデミー賞の前哨戦とされるゴールデングローブ賞では、日本の作品として初めてアニメ映画賞を受賞している。

『君たちはどう生きるか』(C)2023 Studio Ghibli

『君たちはどう生きるか』(C)2023 Studio Ghibli

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 『ゴジラ-1.0』がノミネートされた視覚効果賞は、視覚効果(VFX)を用いた作品に与えられる栄誉で、過去には『スターウォーズ』、『タイタニック』、『アバター』などの映画史を代表する傑作が受賞してきた。山崎貴監督が、映像制作会社「白組」とともにVFXも手掛けており、監督が「視覚効果賞」を受賞したのは、アカデミー賞の長い歴史の中でも、第41回(1969年開催)『2001年宇宙の旅』のスタンリー・キューブリックのみ。山崎監督が受賞すれば55年ぶり、史上2人目の受賞監督となる。また、同賞を日本映画・アジア映画が受賞した実績はなく、映画の歴史を変える史上初の快挙にも期待がかかっている。

 『PERFECT DAYS』は、昨年5月に開催された世界3大映画祭の1つ、フランスの第76回カンヌ国際映画祭で主演の役所が最優秀男優賞を受賞し、19年ぶり2人目の日本人俳優の受賞で注目された。

 ノミネートされた国際長編映画賞は、第94回(22年開催)で『ドライブ・マイ・カー』(濱口竜介監督)の受賞が記憶に新しい。初受賞は、第81回(09年開催)の『おくりびと』(滝田洋二郎監督)。今回、受賞すれば3作目となる。かつて、「名誉賞」と呼ばれていた時代には、第24回(1952年開催)『羅生門』(黒澤明監督)、第27回(1955年開催)『地獄門』(衣笠貞之助監督)、第28回(1956年開催)『宮本武蔵』(稲垣浩監督)が受賞している。

『PERFECT DAYS』 (C) 2023 MASTER MIND Ltd.

『PERFECT DAYS』 (C) 2023 MASTER MIND Ltd.

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■最多は『オッペンハイマー』の13部門

 日本に投下された原爆の開発を指揮したJ・ロバート・オッペンハイマーの伝記映画『オッペンハイマー』が作品賞、クリストファー・ノーランが監督賞と脚色賞、主演のキリアン・マーフィー、助演のエミリー・ブラントロバート・ダウニー・Jr.に加え、作曲賞、撮影賞、美術賞、編集賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、音響賞の13部門で最多ノミネートとなった。

『オッペンハイマー』(C)Universal Pictures. All Rights Reserved.

『オッペンハイマー』(C)Universal Pictures. All Rights Reserved.

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 続いて、エマ・ストーン主演、ヨルゴス・ランティモス監督の『哀れなるものたち』が、作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞(マーク・ラファロ)、脚色賞、撮影賞、編集賞、衣裳デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、作曲賞、美術賞の11部門。

『哀れなるものたち』 (C)2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

『哀れなるものたち』 (C)2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

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 Apple TV+の『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』が10部門で続く。作品賞、監督賞(マーティン・スコセッシ)、リリー・グラッドストーンがネイティブ・アメリカンとして初めて主演女優賞に、共演のロバート・デ・ニーロが助演男優賞にノミネートされた。そのほか、撮影賞、衣装デザイン賞、編集賞、美術賞、作曲賞にも選出されている。なお、スコセッシ監督は今回のノミネートで10回目となり、スティーヴン・スピルバーグの9回を上回って、現役の監督では最多となった。第79回(2007年開催)の『ディパーテッド』以来、2度目の受賞となるか…。

『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(画像提供:Apple)

『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(画像提供:Apple)

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 『バービー』は、ライアン・ゴズリングの助演男優賞、アメリカ・フェレーラの助演女優賞を含む8部門にノミネートされた。マーゴット・ロビーは主演女優賞のノミネートは逃したが、プロデューサーとして作品賞のノミネートを獲得。グレタ・ガーウィグ監督も監督賞は逃したが、共同脚本家のノア・バームバックとともに脚本賞にノミネートされた。歌曲賞には、「I’m Just Ken」とビリー・アイリッシュの「What Was I Made for ?」の2曲がノミネートされている。このほか、衣装デザイン賞と美術賞にもノミネートされた。

『バービー』(C)2023 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

『バービー』(C)2023 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

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■「第96回アカデミー賞」ノミネーションリスト

★作品賞
『アメリカン・フィクション(原題)』
『落下の解剖学』
『バービー』
『ザ・ホールドオーヴァーズ(原題)』
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
『マエストロ:その音楽と愛と』
『オッペンハイマー』
『パスト ライブス/再会』
『哀れなるものたち』
『関心領域』

★監督賞
ジュスティーヌ・トリエ(『落下の解剖学』)
マーティン・スコセッシ(『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』)
クリストファー・ノーラン(『オッペンハイマー』)
ヨルゴス・ランティモス(『哀れなるものたち』)
ジョナサン・グレイザー(『関心領域』)

★主演男優賞
ブラッドリー・クーパー(『マエストロ:その音楽と愛と』)
コールマン・ドミンゴ(『ラスティン: ワシントンの「あの日」を作った男』)
ポール・ジアマッティ(『ザ・ホールドオーヴァーズ(原題)』)
キリアン・マーフィ(『オッペンハイマー』)
ジェフリー・ライト(『アメリカン・フィクション(原題)』)

★主演女優賞
アネット・ベニング(『ナイアド〜その決意は海を越える〜』)
リリー・グラッドストーン(『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』)
ザンドラ・ヒュラー(『落下の解剖学』)
キャリー・マリガン(『マエストロ:その音楽と愛と』)
エマ・ストーン(『哀れなるものたち』)

★助演男優賞
スターリング・K・ブラウン(『アメリカン・フィクション(原題)』)
ロバート・デ・ニーロ(『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』)
ロバート・ダウニー・Jr.(『オッペンハイマー』)
ライアン・ゴズリング(『バービー』)
マーク・ラファロ(『哀れなるものたち』)

★助演女優賞
エミリー・ブラント(『オッペンハイマー』)
ダニエル・ブルックス(『カラーパープル』)
アメリカ・フェレ―ラ(『バービー』)
ジョディ・フォスター(『ナイアド〜その決意は海を越える〜』)
デヴァイン・ジョイ・ランドルフ(『ザ・ホールドオーヴァーズ(原題)』)

★国際長編映画賞
『イオ・キャピターノ(原題)』
『雪山の絆』
『PERFECT DAYS』
『ザ・ティーチャーズ・ラウンジ(英題)』
『関心領域』

★脚本賞
『落下の解剖学』
『ザ・ホールドオーヴァーズ(原題)』
『マエストロ:その音楽と愛と』
『メイ・ディセンバー(原題)』
『パスト ライブス/再会』

★脚色賞
『アメリカン・フィクション(原題)』
『バービー』
『オッペンハイマー』
『哀れなるものたち』
『関心領域』

★撮影賞
『伯爵』
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
『マエストロ:その音楽と愛と』
『オッペンハイマー』
『哀れなるものたち』

★編集賞
『落下の解剖学』
『ザ・ホールドオーヴァーズ(原題)』
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
『オッペンハイマー』
『哀れなるものたち』

★美術賞
『バービー』
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
『ナポレオン』
『オッペンハイマー』
『哀れなるものたち』

★衣装デザイン賞
『バービー』
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
『ナポレオン』
『オッペンハイマー』
『哀れなるものたち』

★メイクアップ&ヘアスタイリング賞
『ゴルダ(原題)』
『マエストロ:その音楽と愛と』
『オッペンハイマー』
『哀れなるものたち』
『雪山の絆』

★作曲賞
『アメリカン・フィクション(原題)』
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
『オッペンハイマー』
『哀れなるものたち』

★歌曲賞
The Fire Inside(『フレーミングホット!チートス物語』)
I’m Just Ken(『バービー』)
It Never Went Away(『ジョン・バティステ:アメリカン・シンフォニー』)
Wahzhazhe(A Song for My People)(『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』)
What Was I Made for ? (『バービー』)

★音響賞
『ザ・クリエイター/創造者』
『マエストロ:その音楽と愛と』
『ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART ONE』
『オッペンハイマー』
『関心領域』

★視覚効果賞
『ザ・クリエイター/創造者』
『ゴジラ−1.0』
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVOLUME 3』
『ナポレオン』
『ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART ONE』

★長編アニメーション映画賞
『君たちはどう生きるか』
『マイ・エレメント』
『ニモーナ』
『ロボット・ドリームズ』
『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』

●長編ドキュメンタリー映画賞
『ボビ・ワイン:ゲットー・プレジデント』
『ジ・イターナル・メモリー(英題)』
『フォー・ドーターズ(英題)』
『トゥ・キル・ア・タイガー(原題)』
『実録 マリウポリの20日間』

★短編ドキュメンタリー映画賞
『ジ・ABCズ・オブ・ブック・バニング(原題)』
『ザ・バーバー・オブ・リトル・ロック(原題)』
『アイランド・イン・ビトゥイーン(英題)』
『ラスト・リペア・ショップ』
『ナイナイ・アンド・ワイポー(原題)』

★短編アニメーション映画賞
『レター・トゥ・ア・ピッグ(原題)』
『ナインティーファイブ・センシズ(原題)』
『アワー・ユニフォーム(原題)』
『パシダーム(原題)』
『ウォー・イズ・オーヴァー!インスパイアード・バイ・ザ・ミュージック・オブ・ジョン・アンド・ヨーコ(原題)』

★短編映画賞
『ジ・アフター(原題)』 
『インヴィンシブル(原題)』
『ナイト・オブ・フォーチュン(原題)』
『レッド・ホワイト・アンド・ブルー(原題)』
『ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語』

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  1. 1. 【第96回アカデミー賞】宮崎駿監督『君たちはどう生きるか』長編アニメ映画賞ノミネート
  2. 2. 【第96回アカデミー賞】山崎貴監督『ゴジラ-1.0』日本映画初、視覚効果賞ノミネート
  3. 3. 【第96回アカデミー賞】役所広司主演『PERFECT DAYS』国際長編映画賞ノミネート
  4. 4. スタジオジブリ鈴木敏夫P、『君たちはどう生きるか』アカデミー賞ノミネート受け「3月の発表を心待ちに」
  5. 5. 役所広司『PERFECT DAYS』アカデミー賞ノミネート発表まで「ドキドキ」【コメントあり】
  6. 6. 山崎貴監督、『ゴジラ-1.0』日本映画初の視覚効果賞ノミネート「新しい扉が開いた感じ」
  7. 7. 【第96回アカデミー賞】『君たちはどう生きるか』『ゴジラ-1.0』『PERFECT DAYS』日本映画3作品に注目【ノミネート一覧】
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