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第170回「直木賞」は河崎秋子『ともぐい』&万城目学『八月の御所グラウンド』のW受賞 加藤シゲアキ受賞ならず

 「第170回芥川龍之介賞・直木三十五賞」の選考会が17日、都内で行われ、「直木賞」に河崎(崎=たつさき)秋子氏の『ともぐい』(新潮社)と万城目学氏の『八月の御所グラウンド』(文藝春秋)が選ばれた。候補5作品にノミネートされていたNEWSのメンバー・加藤シゲアキ(36)の『なれのはて』は受賞を逃した。

『第170回直木三十五賞』を受賞した(左から)河崎秋子、万城目学

『第170回直木三十五賞』を受賞した(左から)河崎秋子、万城目学

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 選考委員の林真理子氏は『ともぐい』『襷がけの二人』『八月の御所グラウンド』の3作に絞られた後、『ともぐい』が先に決まり、『襷がけの二人』『八月の御所グラウンド』で決選投票になった結果、『八月の御所グラウンド』の受賞が決まったと経緯を説明した。

 そして「非常にレベルが高い選考会となりました。非常に時間がかかったということです」と総括。『ともぐい』は「圧倒的な文章力、計算が行き届いた自然描写が美しいところも挙げられましたが、選考委員の方々が独自の解釈をもってぶつけ合うスリリングな選考会になりました」と振り返り、「すごい文章力と迫力、とにかく圧倒される。1位ですぐに受賞が決まりました」と絶賛した。

 続いて『八月の御所グラウンド』については、「(京極)夏彦先生からは、『エンターテインメントの一種の理想形である。普通を描いていて、読ませて感動がある。このような文章を書くのは非常にすごいことだ』という高い評価がありました」とコメント。「日常の中に非日常がふわっと入って来るバランスの良さがすばらしいということから、すごい書き手であるという評価でした。すべて納得させてします筆力がすごい、場所が京都であることも計算されて書かれているのではないかという意見もありました」と語った。

 6回目のノミネートで受賞となった万城目氏は、1976年大阪府生まれ。2006年にボイルドエッグズ新人賞を受賞した『鴨川ホルモー』でデビュー。ほかの小説作品に『鹿男あをによし』『プリンセス・トヨトミ』『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』『偉大なる、しゅららぼん』『とっぴんぱらりの風太郎』『悟浄出立』『バベル九朔』『パーマネント神喜劇』『ヒトコブラクダ層ぜっと』など、エッセイ作品に『べらぼうくん』『万感のおもい』などがある。『八月の御所グラウンド』は全国高校駅伝にピンチランナーとして挑む方向感覚の悪い女子高校生と借金のカタに謎の草野球大会に参加する大学生の物語。

 河崎氏は、1979年北海道別海町生まれ。2012年『東陬遺事』で第46回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)受賞。2014年『颶風の王』で三浦綾子文学賞、同作で2015年度JRA賞馬事文化賞、2019年『肉弾』で第21回大藪春彦賞、2020年『土に贖う』で第39回新田次郎文学賞を受賞。他書に『鳩護』『絞め殺しの樹』『鯨の岬』『清浄島』などがある。『ともぐい』は、明治後期の北海道の山で、獣そのものの嗅覚で獲物と対峙する男・熊爪の物語。

 両賞は1935(昭和10)年に制定。芥川賞は新聞・雑誌(同人雑誌を含む)に発表された純文学短編作品、直木賞は新聞・雑誌(同)・単行本として発表された短編および長編の大衆文芸作品の中から優れた作品に贈られる。前者は主に無名・新進作家、後者は無名・新進・中堅作家が対象となる。贈呈式は2月22日に都内で行われ、受賞者には正賞として時計、副賞として賞金100万円が贈られる。

 なお、「芥川賞」には、九段理江氏の『東京都同情塔』(『新潮』十二月号)が選ばれた。

■第170回芥川龍之介賞 候補作(掲載誌)※作者五十音順・敬称略
安堂ホセ『迷彩色の男』(『文藝』秋季号)
川野芽生『Blue』(『すぱる』八月号)
九段理江『東京都同情塔』(『新潮』十二月号)
小砂川チト『猿の戴冠式』(『群像』十二月号)
三木三奈『アイスネルワイゼン』(『文學界』十月号)

■第170回直木三十五賞 候補作(出版社)
加藤シゲアキ『なれのはて』(講談社)
河崎(崎=たつさき)秋子『ともぐい』(新潮社)
嶋津輝『襷がけの二人』(文藝春秋)
万城目学『八月の御所グラウンド』(文藝春秋)
宮内悠介『ラウリ・クースクを探して』(朝日新聞出版)
村木嵐『まいまいつぶろ』(幻冬舎)

■選考委員
【芥川賞】
小川洋子、奥泉光、川上弘美、島田雅彦、平野啓一郎、堀江敏幸、松浦寿輝、山田詠美、吉田修一

【直木賞】
浅田次郎、角田光代、京極夏彦、桐野夏生、高村薫(高=はしごだか)、林真理子、三浦しをん、宮部みゆき
※2023年11月24日に亡くなった伊集院静さんも選考委員を務めており、今回は8人での選考となった。
※五十音順・敬称略

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