お笑いコンビ・南海キャンディーズの山里亮太、オードリーの若林正恭による『たりないふたり』の仕掛け人・安島隆氏が、書籍『でも、たりなくてよかった たりないテレビ局員と人気芸人のお笑い25年“もがき史“』(KADOKAWA)を刊行した。ORICON NEWSでは、同書の魅力を伝えるべく「はじめに」のパートを紹介する。
演出家として誰もが知るほどの大ヒットを飛ばしたわけでもない、会社員として仕事術を語れるほどの成果を上げたわけでもない、キャリアは山あり、谷あり。圧倒的に、谷多めで深め。お笑いとテレビとライブの波間で必死にもがくテレビ局員の姿は、会社や学校、家庭で上手に生きられない「たりない」あなたの胸に突き刺さるものとなる。
バナナマン・おぎやはぎ・ラーメンズなど、ブレイク前の人気お笑い芸人たちとの知られざるエピソードのほか、山里、若林とのスペシャル対談も必読だ。
■はじめに(ほぼ全文)
今回僕が本の出版オファーをいただけたのは、「たりないふたり」という少しニッチなコンテンツ一連を企画・演出したことが大半の理由だと思います。ご存じない方にお話ししますと、「たりないふたり」は南海キャンディーズ山里亮太さんとオードリー若林正恭さんの、コンビの枠を超えた漫才ユニットとして2009年に結成。
12年間ライブやテレビ番組を舞台に断続的に活動を続け、2021年配信限定ライブで解散。この最後のライブは、お笑いライブ史上最多の5万5000人を超える方に配信でご視聴いただきました。そして2023年4月。この二人の半生と「たりないふたり」を描いた“ほぼ実話”な連続ドラマが全国ネットで放送される、という奇跡が起きました。ひとえに、山ちゃん若林くんという二人の天才のおかげです。
そもそも僕の役割は、二人の仲介でした。その後も、二人の間をなんだかんだとジタバタ動き回りました。辛さもありましたが、それを遥かに上回る喜びがありました。自分がこの世に生を享けた意味すら感じたこともありました。そんなことができたのは、ずっと自分を悩ませていた、あるコンプレックスのおかげです。この本には効率よく仕事で成功する秘訣もないし、テレビ業界の面白裏話もないです。コンプレックスこそが、人生の武器になるというお話を書いています。
誰しも自分のコンプレックスに関しては、人一倍の時間と労力をかけて考えているものではないでしょうか?なんとか克服したい。もしくは逃げたい。だからこそ、そのコンプレックスに関しては、他の人以上に積み重なった知見と捨て切れない執着があるはずです。だとすれば、それを裏返せば唯一無二の武器になりえる。
それに、コンプレックスを持つ自分を全く違う自分に上書きしようとしても、やっぱり“人(にん)”(その人が元々持っている、らしさ・雰囲気)には抗えないと思うんですよね。つまり、コンプレックスも含めた自分自身をうまいこと生かして勝負するしかないし、案外いい勝負ができるはずです。
「言われてみればご尤(もっと)も。じゃあ自分も明日からそう考えよう!」てことで、この本は読まなくていいや……と見切った、そこのタイパ重視のあなた。何卒お待ちください。理屈では簡単なんです。でもなかなか、うまく実行はできないんです。
25年以上にわたって、そのコンプレックス故に大好きなお笑いとテレビとライブで、気の遠くなるような数の失敗を繰り返してきた僕。その具体的な事例を生々しく綴ったこの本を、どうか最後まで読んでください。ここまでコンプレックスをこじらせたら社会で生きるって大変だな、さすがに自分はここまでひどくないな、でも考え方自体は悪くないな、取りあえず○○することからやってみようか……みたいなケーススタディになると思うんです。
今回の出版の話をいただいた時、自分みたいな者が……とテンプレな卑下をして迷っていました。だけど若林くんに相談して、書くことを決めました。その時に若林くんにもらった言葉が沁みました。お守りみたいに握りしめて、この本を書きました。ご本人の了承をいただいたので、彼の言葉をそのまま記します。
◇
本、絶対書いた方がいいと思います!!!!!これからのテレビの時代を支える若者を生むバイブル、まさに「明日のたりないふたり」の書になると思います。安島さんのテレビバラエティ史であり、私小説であり、後輩たちへの五輪書になると思います。俺は「エッセイは、誰にも言えないことを勇気を出して書いた人の勝ちだ」という知人に貰った言葉を大事にしてました。あれだけの表現を作ってくれた人なのですから、恥も外聞もなく書いてください!
◇
若林くん、俺書くよ!何もかも書くよ!だからもし、ここまでは書かないでよ、ってこと書いても怒らないでね!それと山ちゃん……ここまでまだエピソードを出せてないけど……怒らないでね!本文中にはいろいろ山ちゃんのこと書かせてもらってるから……でもそれはそれで怒らないでね!それではお笑いとテレビとライブ、それと社会の波間でアップアップしてきた、僕の“もがき史”にお付き合いください。しんどい話多めですが、そのうちスカッと広がる大海原に出るぞ!と耐えて、お読みいただければ幸いです。
【安島隆(あじま・たかし)】
1973年東京都生まれ、96年日本テレビ入社。ゴールデン帯から深夜番組、ライブまでお笑いを中心にヒット企画を演出する異色のディレクター。バナナマン・おぎやはぎ・ラーメンズが組んだ「君の席」は伝説的なユニットに。南キャン山里・オードリー若林のユニット「たりないふたり」はライブと番組連動の先駆けとなり、2021年の解散配信ライブはお笑い単独ライブ史上最多の5万5000人が視聴した。その他、企画演出として「得する人損する人」「コレってアリですか 」「落下女」「解決ナイナイアンサー」等多数。若林・山里を描いたドラマ「だが、情熱はある」では、2人をつなげたプロデューサーのモデルにもなった。
演出家として誰もが知るほどの大ヒットを飛ばしたわけでもない、会社員として仕事術を語れるほどの成果を上げたわけでもない、キャリアは山あり、谷あり。圧倒的に、谷多めで深め。お笑いとテレビとライブの波間で必死にもがくテレビ局員の姿は、会社や学校、家庭で上手に生きられない「たりない」あなたの胸に突き刺さるものとなる。
■はじめに(ほぼ全文)
今回僕が本の出版オファーをいただけたのは、「たりないふたり」という少しニッチなコンテンツ一連を企画・演出したことが大半の理由だと思います。ご存じない方にお話ししますと、「たりないふたり」は南海キャンディーズ山里亮太さんとオードリー若林正恭さんの、コンビの枠を超えた漫才ユニットとして2009年に結成。
12年間ライブやテレビ番組を舞台に断続的に活動を続け、2021年配信限定ライブで解散。この最後のライブは、お笑いライブ史上最多の5万5000人を超える方に配信でご視聴いただきました。そして2023年4月。この二人の半生と「たりないふたり」を描いた“ほぼ実話”な連続ドラマが全国ネットで放送される、という奇跡が起きました。ひとえに、山ちゃん若林くんという二人の天才のおかげです。
そもそも僕の役割は、二人の仲介でした。その後も、二人の間をなんだかんだとジタバタ動き回りました。辛さもありましたが、それを遥かに上回る喜びがありました。自分がこの世に生を享けた意味すら感じたこともありました。そんなことができたのは、ずっと自分を悩ませていた、あるコンプレックスのおかげです。この本には効率よく仕事で成功する秘訣もないし、テレビ業界の面白裏話もないです。コンプレックスこそが、人生の武器になるというお話を書いています。
誰しも自分のコンプレックスに関しては、人一倍の時間と労力をかけて考えているものではないでしょうか?なんとか克服したい。もしくは逃げたい。だからこそ、そのコンプレックスに関しては、他の人以上に積み重なった知見と捨て切れない執着があるはずです。だとすれば、それを裏返せば唯一無二の武器になりえる。
それに、コンプレックスを持つ自分を全く違う自分に上書きしようとしても、やっぱり“人(にん)”(その人が元々持っている、らしさ・雰囲気)には抗えないと思うんですよね。つまり、コンプレックスも含めた自分自身をうまいこと生かして勝負するしかないし、案外いい勝負ができるはずです。
「言われてみればご尤(もっと)も。じゃあ自分も明日からそう考えよう!」てことで、この本は読まなくていいや……と見切った、そこのタイパ重視のあなた。何卒お待ちください。理屈では簡単なんです。でもなかなか、うまく実行はできないんです。
25年以上にわたって、そのコンプレックス故に大好きなお笑いとテレビとライブで、気の遠くなるような数の失敗を繰り返してきた僕。その具体的な事例を生々しく綴ったこの本を、どうか最後まで読んでください。ここまでコンプレックスをこじらせたら社会で生きるって大変だな、さすがに自分はここまでひどくないな、でも考え方自体は悪くないな、取りあえず○○することからやってみようか……みたいなケーススタディになると思うんです。
今回の出版の話をいただいた時、自分みたいな者が……とテンプレな卑下をして迷っていました。だけど若林くんに相談して、書くことを決めました。その時に若林くんにもらった言葉が沁みました。お守りみたいに握りしめて、この本を書きました。ご本人の了承をいただいたので、彼の言葉をそのまま記します。
◇
本、絶対書いた方がいいと思います!!!!!これからのテレビの時代を支える若者を生むバイブル、まさに「明日のたりないふたり」の書になると思います。安島さんのテレビバラエティ史であり、私小説であり、後輩たちへの五輪書になると思います。俺は「エッセイは、誰にも言えないことを勇気を出して書いた人の勝ちだ」という知人に貰った言葉を大事にしてました。あれだけの表現を作ってくれた人なのですから、恥も外聞もなく書いてください!
◇
若林くん、俺書くよ!何もかも書くよ!だからもし、ここまでは書かないでよ、ってこと書いても怒らないでね!それと山ちゃん……ここまでまだエピソードを出せてないけど……怒らないでね!本文中にはいろいろ山ちゃんのこと書かせてもらってるから……でもそれはそれで怒らないでね!それではお笑いとテレビとライブ、それと社会の波間でアップアップしてきた、僕の“もがき史”にお付き合いください。しんどい話多めですが、そのうちスカッと広がる大海原に出るぞ!と耐えて、お読みいただければ幸いです。
【安島隆(あじま・たかし)】
1973年東京都生まれ、96年日本テレビ入社。ゴールデン帯から深夜番組、ライブまでお笑いを中心にヒット企画を演出する異色のディレクター。バナナマン・おぎやはぎ・ラーメンズが組んだ「君の席」は伝説的なユニットに。南キャン山里・オードリー若林のユニット「たりないふたり」はライブと番組連動の先駆けとなり、2021年の解散配信ライブはお笑い単独ライブ史上最多の5万5000人が視聴した。その他、企画演出として「得する人損する人」「コレってアリですか 」「落下女」「解決ナイナイアンサー」等多数。若林・山里を描いたドラマ「だが、情熱はある」では、2人をつなげたプロデューサーのモデルにもなった。
このニュースの流れをチェック
- 1. 山里&若林「たりないふたり」の仕掛け人・安島隆氏、著書『でも、たりなくてよかった』発売「25年を全部書きました」
- 2. 山里&若林「たりないふたり」の仕掛け人・安島隆氏、25年の“もがき史”書籍化
- 3. 山里&若林「たりないふたり」の仕掛け人・安島隆氏、25年の“もがき史”目次大公開 締めは山里との対談
- 4. 山里&若林「たりないふたり」の仕掛け人・安島隆氏、25年の“もがき史”年表公開 詳細な軌跡がひと目でわかる
- 5. 安島隆氏、25年の“もがき史” 「たりないふたり」山里&若林のコメント解禁
- 6. 安島隆氏、25年“もがいて”たどりついた「たりなくてよかった」 “たりないふたり”山里&若林が見守る新画像
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2023/10/25