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映画『怪物』黒川想矢&柊木陽太、韓国語でのあいさつに「かわいい!」と反響 釜山国際映画祭参加

 今年5月、「第76回カンヌ国際映画祭」での脚本賞&クィア・パルム賞のダブル受賞から世界の計42(10月7日現在)の映画祭での上映が決定し、190以上の国と地域での配給が決まっている映画『怪物』。42の映画祭の一つ、「第28回釜山国際映画祭」(10月4日〜13日)ではガラ・プレゼンテーション部門に選出され、7日に行われた公式上映に、日本からは是枝裕和監督、出演者の黒川想矢柊木陽太が参加した。

「第28回釜山国際映画祭」に参加した映画『怪物』の主役の少年たち(左から)黒川想矢、柊木陽太

「第28回釜山国際映画祭」に参加した映画『怪物』の主役の少年たち(左から)黒川想矢、柊木陽太

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 公式上映の会場は「映画の殿堂」釜山シネマセンターのBIFFシアター。同映画祭のメイン会場でもあり、4400人キャパシティの圧倒的な存在感のある屋外の会場だ。本作の公式上映のチケットが発売されるや、わずか2分でソールドアウトしたといい、是枝監督の人気ぶりがうかがえる。この日は、小雨が降るあいにくの空模様だったが、レインコートを着た観客で会場は満員に。熱気あふれる会場の舞台に登壇した3人は、次のように言葉を述べた。

 是枝監督は「28回目の映画祭にまた新作を持って参加できたことがうれしく、こんなにも多くの映画ファンの方にお越しいただき感激している」と感謝を述べ、黒川と柊木はそれぞれ韓国語で流ちょうにあいさつをし、観客から歓声と拍手を受けた。

 最後に是枝監督は「自分と同じデビューから28年の釜山映画祭への強い思い入れとともに、この映画での韓国映画人との出会いが自身の映画作りにプラスになっていると感謝を述べ、今後もともに頑張っていきたい」とあいあつし、大きな拍手が会場を包んだ。最後の写真撮影後、黒川と柊木が「カムサハムニダ」と韓国語であいさつをすると、「かわいい!」という声が上がっていた。

坂元裕二脚本の魅力は「核心に触れる部分はせりふに頼らない点」

 午後8時からの公式上映前には、別の場所で記者会見に出席した3人。是枝監督からは主役を演じた黒川、柊木のオーディションの様子や2人の印象、そして撮影の進め方についての説明があり、黒川、柊木からは撮影中の監督の様子や監督と話したこと、撮影時の思い出などが語られた。

 監督は、脚本家・坂元裕二や音楽を担当した故・坂本龍一さんとの仕事についても言及。坂本さんとは言葉を交わすことなく、手紙と音楽のやり取りのみで作品作りを進めたことを明かし、自身にとっても大変貴重な体験だったと語った。また、劇中の印象的な音楽室のシーンのホルンの音を邪魔しない音楽を作りたいという坂本さんの手紙を受け取り、うれしく思ったとも振り返った。

 一方、劇中で語られる言葉の多い脚本家だと思われている坂元だが、監督は坂元の脚本で一番好きなのは、核心に触れる部分はせりふに頼らない点だと指摘し、今作でも一番伝えたいことは楽器の音にしかなっていないところがとても坂元らしく、監督はそれを演出したいと思ったことを明かした。

 視点が変われば見方が変わる構成の本作に、柊木はとても考えさせられたと語り、黒川は話すことが好きではないが話すことが重要と伝えた。

 映画における「感情の共有」の役割についてどう考えるかという質問に対しては、是枝は「映画というのは共感と共有の先に行かねばならず、この脚本はそこを目指していると思った」と答えた。「むしろ黒川と柊木が演じた湊と依里に観客が共感していくのではなく、彼らに置き去りにされた私たち大人が、じゃあ何ができるのか、どう考えるべきなのか、という問いを残して終わりたい」と考え、坂元と共に考えて作っていったと話した。予定していた時間はあっという間にすぎ、質問が尽きない中、記者会見は終了した。

 是枝監督作品の釜山国際映画祭への出品は、12作品目となり、是枝監督の同映画祭参加は10回目となる。今回、同映画祭では是枝監督のスペシャルグッズを制作。内容は、これまで同映画祭に招待された是枝監督の12作品をモチーフにしたバッジ、ポストカード、ブックレット、ミニポスターのセット。昨年の俳優トニー・レオンに続き、感性的な演出でアジア映画の発展に寄与した是枝監督の功績を称えるために作られたという。グッズは映画祭の会場「映画の殿堂」の観客ラウンジ「p!tt ground」で販売された。

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  • 「第28回釜山国際映画祭」に参加した映画『怪物』の主役の少年たち(左から)黒川想矢、柊木陽太
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  • 「第28回釜山国際映画祭」で公式上映された映画『怪物』舞台あいさつに登壇した(左から)是枝裕和監督、黒川想矢、柊木陽太
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  • 「第28回釜山国際映画祭」4400人収容の会場で上映された映画『怪物』舞台あいさつの模様
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