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【手紙全文】藤島ジュリー景子氏「ジャニー喜多川の痕跡をこの世から一切なくしたい」 歪んだ親子関係も告白

 ジャニーズ事務所は2日、都内で今後の会社運営に関する会見を行い、欠席した藤島ジュリー景子前社長からの手紙を、ジャニーズJr.を擁するジャニーズアイランド社長を務める井ノ原快彦が代読した。

藤島ジュリー景子氏の手紙を読んだ井ノ原快彦 (C)ORICON NewS inc.

藤島ジュリー景子氏の手紙を読んだ井ノ原快彦 (C)ORICON NewS inc.

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■以下、手紙全文
 この度、叔父・ジャニーズ喜多川により性被害に遭われた方々にあらためて心からお詫び申し上げます。5月2日に被害にあわれた方と初めてお会いしました。その後も色々と実際にお話を伺う中で、この方々にどのように補償をしていくのが良いのか、加害者の親族としてやれることは何なのか考え続けております。

 そしてジャニーズ事務所は名称を変えるだけでなく、廃業する方針を決めました。

 これから私は被害にあわれた方々への補償や心のケアに引き続きしっかり対応させて頂きます。

 叔父ジャニー、母・メリーが作ったものを閉じていくことが、加害者の親族として、私ができる償いなのだと思っております。

 私は4年前に母親であるメリーからジャニーズ事務所を相続しました。

 ジャニーズ事務所は、ジャニーだけでなく、私の母であるメリーも権力を握っていたと思います。ジャニーはメリーからお小遣いをもらうという形でしたので、経営的なことは全てメリーが決めていたと思います。

 ジャニーと私は生まれてから一度も二人だけで食事をしたことがありません。会えば普通に話をしていましたが、深い話をする関係ではありませんでした。

 ジャニーが裁判で負けたときもメリーから「ジャニーは無実だからこちらから裁判を起こした。もしも有罪なら私たちから騒ぎ立てるはずがない。本人も最後まで無実だと言い切っている。負けてしまったのは弁護士のせい」と聞かされておりました。当時メリーの下で働いていた人達もそれを聞かされてそれを信じていたと思います。

 そんなはずはないだろうと思いますが、ジャニーがある種、天才的に魅力的であり皆が洗脳されていたのかもしれません。私も含め良い面を信じたかったのだと思います。

 そして母メリーは私が従順な時はとても優しいのですが、私が少しでも彼女と違う意見を言うと気が狂ったように怒り、叩き潰すようなことを平気でする人でした。

 20代の時から私は時々、過呼吸になり、倒れてしまうようになりました。当時、病名はなかったのですが、今ではパニック障害と診断されています。

 私はそんなメリーからの命令でジャニーズ事務所の取締役をされておりましたが、事実上、私には経営に関する権限はありませんでした。そして2008年春から新社屋が完成した2018年まで、一度もジャニーズ事務所のオフィスには足を踏み入れておりません。

 これは、性加害とは全く違う話で、私が事務所の改革をしようとしたり、タレントや社員の環境を整えようとしたこと等で、二人を怒らせてしまったことが発端です。

 ジャニーとも2008年頃から2016年までライブ会場ですれ違うことはあっても会話はしておりませんでした。その後、ジャニーの稽古場に呼び出されて久しぶりに話しましたが、それ以降もジャニー本人に会ったのは数回です。その期間のJr.からのデビューや管轄外のグループの解散のプロセスにも関わっておりません。

 メリーからは私の娘である孫に会いたいと切望され、1年に数回、一緒に食事をすることや、お正月には孫と旅行することを決められておりましたが、私自身はメリーと話をすることを極力避けてきた人生でした。

 このような説明をすると嘘だとか親子で仲が良かったのを見たことがある等、また、バッシングされる記事が大量に流れるのだと思いますが、近い関係者の方、タレントの方々、社員などであれば、こうした事情を知っていると思います。

 心療内科の先生に「メリーさんはライオンであなたは縞馬(しまうま)だからパニック障害を起こらないようにするには、この状態から逃げるしかない」と言われ、自分で小さな会社を立ち上げ、そこに慕ってくれるグループが何組が集まり、メリー・ジャニーとは全く関わることなく、長年仕事をしておりました。

 このような理由でジャニーがいる稽古場とは全く違う場所で働いており、Jr.の皆さんとの接点もなかったので、今回申し出てくださった中で、私がお会いしたことがあるのは9人です。それ以外の多くの方々とはお会いしたことがないのです。

 今から思えば、ジャニーの親族であり、女性である私にJr.の皆さんはもちろんのこと、タレントの皆さんも噂話をすることや相談をしにくかったのだと思います。

 今被害を申告されている方々の中で、私を含めて現在の役員が被害者の方々について直接知る情報は、在籍していたかどうか以外にほぼございません。

 そこでジャニーやJr.と私以上に近い距離で接していらした元役員、元社員、外部スタッフの皆さまには被害者救済のご協力をぜひお願いできたらと思っております。

 ジャニーズ事務所は廃業に向かっておりますが、一人たりとも被害者を漏らすことなくケアしていきたいと思っております。

 知らなかったということを言い訳にするつもりは全くありません。メリーが言うことを信じてしまっていたことやそれを放置してきた自分の鈍感さ、全て私の責任です。

 また、今回なぜ私が100%の株主として残るのか、多くの方々から批判されました。

 実は多くのファンドの方々、企業の方々から私個人に有利な条件で買収のお話もたくさんいただいております。そのお金で相続税をお支払いし、株主としていなくなるのは補償責任もなくなり、一番楽な道だと何度も何度も多くの専門家の方々からアドバイスされました。

 しかし、100%株主として残る決心をしたのは他の方々が株主で入られた場合、被害者の方々に法を超えた救済が事実上できなくなると伺ったからでした。

 そういう理由で現在の会社には株主100%として残りますが、チーフコンプライアンスオフィサーを外部から招聘し、今後私は補償とタレントの心のケアに専念し、それ以外の業務には一切当たりません。

 また、今後私は全ての関係会社からも代表取締役を降ります。また、ジャニーとメリーから相続したとき、ジャニーズ事務所を維持するためには事業承継税制を活用しましたが、私は代表権を返上することでこれをやめて、速やかに収めるべき税金全てをお支払いし、会社を終わらせます。

 ジャニーズ事務所を廃業することが、私が加害者の親族としてやりきらなければいけないことだと思っております。ジャニー喜多川の痕跡を、この世から一切なくしたいと思います。

 最後にジャニーズ事務所の所属タレントをこれまで応援してくださった世界中のファンの方々のお気持ちを考えると、本当に本当に申し訳なく言葉にもなりません。

 また、関係各所の皆さま、ご迷惑、ご心配をおかけしてしまい、大変申し訳ありません。

 今日、記者会見に出席せず、このようなお手紙を出すことで逃げた、卑怯だと言われることは重々承知です。

 今回は初めて公に話をしたメリーは本当にひどい面も多くあったのですが、優しい一面もあり、自分の母でもあり、皆様の前でお話したいことを過呼吸にならずにお伝えできる自信がなく、このようなお手紙にさせていただきました。誠に申し訳ございません。

 改めて被害者の皆さま、ジャニーのしたことを私も許すことができません。
 心から申し訳ないと思っています。

 また、タレント、社員の皆さまがこれから新しい道に思いっきり羽ばたき、みんなが幸せになれるよう、私はそれを後押しできる形になるよう、精一杯頑張っていきたいと思っております。

 どうか引き続き、ご指導ご鞭撻いただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

2023年10月2日
藤島ジュリー景子

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