歌舞伎俳優の坂東玉三郎(73)が、今年10月から11月にかけて全国の映画館で上映されるシネマ歌舞伎『坂東玉三郎 泉鏡花抄4作品』について、このほど報道陣からの取材に応じた。
明治から大正、昭和にかけて活躍し、今もなお多くの人々に読み継がれる浪漫主義文学の大家・泉鏡花。玉三郎は、養父・守田勘彌が出演した『天守物語』で泉鏡花作品と出会い、以来ライフワークとして、泉鏡花作品の舞台にたびたび出演、また演出としても関わり、さらに映画作品の主演や監督もつとめてきた。
今年、泉鏡花の生誕150年を迎えるにあたり、10月から11月にかけて、泉鏡花作・坂東玉三郎主演によるシネマ歌舞伎4作品を、2週間ごとに2作品ずつ上映。前半は海底の宮殿を舞台にした煌びやかな舞台『海神別荘(かいじんべっそう)』と、泉鏡花の怪奇幻想小説の代表作『高野聖(こうやひじり)』を、そして後半は異界の姫と人間の青年の恋を美しく描いた『天守物語(てんしゅものがたり)』と、花柳界に生きる女の恋物語『日本橋』を届ける。『海神別荘』、『高野聖』、『天守物語』の冒頭では、玉三郎が泉鏡花作品への思いを語る、特別インタビューも見ることができる。
玉三郎は「こんなに4つ並べていただいて、とてもうれしく思っています。その時、その時に作ってきた作品がこうやって集まると、よく撮ってきたなと。映画だったらお芝居よりも気軽に観に行けるのがいいかなと思うので、とてもありがたいと思っています。ぜひ皆さんご来場くださいますようお願いいたします」と感謝とともに呼びかけた。
養父・十四代目 守田勘彌が出演する『天守物語』を、10歳の頃に観たのが泉鏡花作品に触れた最初だという玉三郎だが「父の舞台は全然意識していない」と明かす。「当時は幽霊とかが面白くて、遊園地感覚で観ていて(笑)。幽霊をどうやってやるかを楽屋で話していたのを見るのが当時楽しかった」と回顧。演出の違いについては「いまより照明的にも暗い感じだったり、屋台を組まないで舞台を使っているので、(今は)もっと明るい、広がった世界になっている」と印象との変化を語った。
泉鏡花作品の魅力について改めて聞くと「あまりひと言では言いたくないんだけど、幻想的なところでしょうね。あと、現世でないものが出てくるところ。でもその非現実な空間があまり“悪”のほうにいかない。全くの“善”とも言えないけど、人間の汚濁を嫌っている人たちが、美文でつづられているのが魅力」と力説した。
また、今回上演される4作品のうち『海神別荘』と『天守物語』で市川團十郎(当時は海老蔵)と共演。十数年前の共演を振り返ると「(海老蔵が)稽古中に『わかんない』って言うからね(笑)。わかるまで説明していた」と打ち明けた。しかし、「もちろん、その時も理解したのだと思うけど、その後いろんな作品をやって、『こういうものはなかなかない』と素晴らしい作品だと改めて理解しているみたい」と話す。
続けて「彼にとっては、きっと古くさいものだと思っていたはず。でも、新作やったり、違うものやったり、書き下ろしもやったりしていて、(泉鏡花作品が)バランスの取れている作品だということを理解したと思います」と語っていた。
『海神別荘』、『高野聖』は11月2日まで、『天守物語』、『日本橋』は11月3日〜11月16日に全国の映画館で上演される。
明治から大正、昭和にかけて活躍し、今もなお多くの人々に読み継がれる浪漫主義文学の大家・泉鏡花。玉三郎は、養父・守田勘彌が出演した『天守物語』で泉鏡花作品と出会い、以来ライフワークとして、泉鏡花作品の舞台にたびたび出演、また演出としても関わり、さらに映画作品の主演や監督もつとめてきた。
今年、泉鏡花の生誕150年を迎えるにあたり、10月から11月にかけて、泉鏡花作・坂東玉三郎主演によるシネマ歌舞伎4作品を、2週間ごとに2作品ずつ上映。前半は海底の宮殿を舞台にした煌びやかな舞台『海神別荘(かいじんべっそう)』と、泉鏡花の怪奇幻想小説の代表作『高野聖(こうやひじり)』を、そして後半は異界の姫と人間の青年の恋を美しく描いた『天守物語(てんしゅものがたり)』と、花柳界に生きる女の恋物語『日本橋』を届ける。『海神別荘』、『高野聖』、『天守物語』の冒頭では、玉三郎が泉鏡花作品への思いを語る、特別インタビューも見ることができる。
養父・十四代目 守田勘彌が出演する『天守物語』を、10歳の頃に観たのが泉鏡花作品に触れた最初だという玉三郎だが「父の舞台は全然意識していない」と明かす。「当時は幽霊とかが面白くて、遊園地感覚で観ていて(笑)。幽霊をどうやってやるかを楽屋で話していたのを見るのが当時楽しかった」と回顧。演出の違いについては「いまより照明的にも暗い感じだったり、屋台を組まないで舞台を使っているので、(今は)もっと明るい、広がった世界になっている」と印象との変化を語った。
泉鏡花作品の魅力について改めて聞くと「あまりひと言では言いたくないんだけど、幻想的なところでしょうね。あと、現世でないものが出てくるところ。でもその非現実な空間があまり“悪”のほうにいかない。全くの“善”とも言えないけど、人間の汚濁を嫌っている人たちが、美文でつづられているのが魅力」と力説した。
また、今回上演される4作品のうち『海神別荘』と『天守物語』で市川團十郎(当時は海老蔵)と共演。十数年前の共演を振り返ると「(海老蔵が)稽古中に『わかんない』って言うからね(笑)。わかるまで説明していた」と打ち明けた。しかし、「もちろん、その時も理解したのだと思うけど、その後いろんな作品をやって、『こういうものはなかなかない』と素晴らしい作品だと改めて理解しているみたい」と話す。
続けて「彼にとっては、きっと古くさいものだと思っていたはず。でも、新作やったり、違うものやったり、書き下ろしもやったりしていて、(泉鏡花作品が)バランスの取れている作品だということを理解したと思います」と語っていた。
『海神別荘』、『高野聖』は11月2日まで、『天守物語』、『日本橋』は11月3日〜11月16日に全国の映画館で上演される。
2023/10/24