テレビ朝日系で放送中のドラマ『ノッキンオン・ロックドドア』（毎週土曜　後11：00）で原作（著：青崎有吾）でも根強い人気を誇る犯罪コンサルタント・糸切美影役を演じる早乙女太一に、今後の見どころを聞いた。

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　同ドラマは、松村北斗（SixTONES）演じる不可能（HOW）専門探偵・御殿場倒理と、西畑大吾（なにわ男子）演じる不可解（WHY）専門探偵・片無氷雨という、相棒にしてライバルの最強ダブル探偵が、数々の難事件に挑んでいく本格ミステリードラマ。メイン監督を、『トリック』（2000年〜）、『ケイゾク』（1999年〜）、『SPEC』（2010年〜）などで、バディミステリーを次々と大ヒットさせてきた堤幸彦が務めている。

　事前情報なく、第1話に美影役で早乙女がサプライズ出演した際には、SNSで「美影を早乙女さんに演じてもらうの大正解すぎる」、「来週から美影という人物がいろいろ起こしてくれそうで、すごく楽しみです！」などと、大反響。原作ファンの間でずっと“誰が演じるのか？”と注目されていたキャラクターに「ピッタリ！」と支持されるのは良いことだが、美影は殺人を目論む依頼人にトリックを指南し、犯罪を作り出している人物。

　「映像作品では僕が出るってだけで犯人が誰かわかっちゃうんじゃないかな、と思うくらい犯罪者の役が多いので、そういうイメージもあるなんだろうなって（笑）。でも、今回はちょっと違う特殊な役どころなので新鮮でしたし、楽しかったです」

　美影は、主人公の倒理、氷雨、そして、警視庁捜査一課の刑事・穿地決（石橋静河）の大学時代の同級生。共に天川教授（渡部篤郎）の犯罪社会学ゼミに所属しており、当時から皆が一目置くほど圧倒的な才能を持っていた人物。６年前に突然姿を消し、３人とは疎遠になっていた。

　「第1話での登場の仕方からしてものすごく謎めいていましたよね。美影は敵なのか味方なのかわからない、得体の知れない感じが伝わるよう、心がけて演じました」

　早乙女は、もともとブラッド・ピット主演で猟奇的な連続殺人事件を描いたサスペンス・スリラー『セブン』（1995年）やベネディクト・カンバーバッチ主演のドラマシリーズ『SHERLOCK（シャーロック）』（2010年〜）など、ミステリーや探偵モノが好きで、堤監督の作品もよく観ていたという。

　今回、初めて堤監督の作品に参加して「衣装合わせの時に初めてお会いして、その時すでに監督の中にドラマ版の糸切美影像が明確にあって。台本には書かれていないキャラクターの設定をとても細かく設定した資料もいただきました。そういった資料をもらっての役づくりは初めてだったんです。現場で試行錯誤しながら作っていく作品もありますが、今回は原作小説をどうドラマ化するか、明確なビジョンが堤監督の中にあるのを感じて、道筋がはっきりしていたので、僕も迷うことなく演じることができました」。

　トリック担当の倒理と動機担当の氷雨の掛け合いが小気味よく、やがてひも解かれる真相には人間の恐ろしさもチラリ。コメディとシリアスさのさじ加減も絶妙で、テンポもよく、目が離せないほどドラマに入り込める。その秘密を早乙女は「撮影は長回しが多く、会話と会話の間も現場でちゃんと作っているので、舞台に近い感覚がありました」とひも解いていた。

　先週放送の第7話から、ドラマは最終章へ突入。倒理と氷雨のＷ探偵 vs 天才犯罪コンサルタント・美影の新たな戦いの火ぶたが切られ、きょう16日放送の第8話ではＷ探偵が不退転の決意をもって、最高難度の謎＝《不可能狙撃トリック》を仕掛けた美影と、《最後の対決》を繰り広げる。

　早乙女は「このドラマは倒理、氷雨という2人の探偵と刑事の穿地決たちが各話で解き明かしていくミステリーだけでなく、登場人物にもミステリー、隠された謎がある。美影がなぜ姿を消してしまったのか、倒理がタートルを着ている理由なども解き明かされていくと思うので、楽しみにしていてほしいと思います」と語っていた。