俳優の堺雅人が主演、阿部寛、二階堂ふみ、二宮和也、松坂桃李、役所広司が共演する、TBS系日曜劇場『VIVANT』(毎週日曜 後9:00)。最終回(17日)の放送を前に、飯田和孝プロデューサーが、第1話のポイントを振り返った。
――ドラムの付けた発信機に気づく乃木
クランクインする前には、10話までの台本はほぼできていたので、1話で乃木がドラムに盗聴器を仕掛けられたところは、すれ違うシーンを撮影する際に、別班乃木がそれに気づく5話のシーンも併せて撮影しています。
その後、乃木はCIAのサムと話すわけですが、ドラムの盗聴器がある状況なので、聞かれてはいけない話は、盗聴器から離れた広場へ出て話しているという演出になっています。衛星から乃木の顔を見るために作られたシーンと思われるかもしれませんが、実はそういう意味もあったんです。これを踏まえてもう一度あのシーンを見ていただくと、面白いかもしれません。
――乃木vsザイール
ザイールを銃で撃つシーンは、実は乃木が撃っていたという部分も同時に、撮影しています。カメラのアングルを変えることで、1話では見えないようなアングルのカメラを採用し、別の野崎の視点(野崎の小型カメラ)からのアングルは5話で採用しているんです。乃木さんの動きや体の向きも非常に繊細な演出になるので、態勢や、銃の出し方、それでいて、あれだけ正確にザイールの腕を撃ち抜くためにプロが見ても違和感のない撃ち方を、監督、堺さん、ガンアクション指導、アクション指導を交えて綿密に打ち合わせをして、工夫しながら撮影をしました。ザイールを撃った後、野崎が突入しくるので、銃を持ったままにはできない、じゃぁどう処理するかまで綿密なシミュレーションがなされていました。
考察でも気づいていただいてますが、ザイールのところへ向かう途中、乃木が警察車両の中で、少し屈む仕草は、あの時乃木さんは、銃を仕込んでいるんです。もう一度見てもらうと、警察官が、「例のものは3万だ」というようなことを言っているんですけど、「例のもの」とは、その銃のことなんです。
――アリのスマホをすり替え
堺さんとマジック指導の方と、スーツを着ている状況で、どういうふうに隠して、どうすり替えるかという打ち合わせを何度も重ねました。またアリの部屋でデータを盗むところも、サイバー監修の助言を元に、福澤(克雄)監督と助監督がなん度もシミュレーションし、現場で堺さんとも何度も話し合って、別班ではない乃木のキャラを保ちながら、どのように実行するのが良いかを検証していました。アリに気づかれないように動かなくてはならないし、でもアリはまだ乃木をただの商社マンとしか思っていないわけで、乃木の動きが鋭くても不自然ですし。かといって、アリはテロ組織の幹部クラスだということも乃木はわかっているので、バレてはいけないし、そのへんの絶妙なあんばいは、堺さんと山中さんだから、可能だったのではと思っています。
――数多く登場したモンゴルの動物たち
何頭ものヤギが一斉に移動する中を、乃木たちが逃げるというシーンがありました。昨年夏に、初めてロケハンに行ったのですが、それこそそこらじゅうに動物がいて、人間と共生していることを実感しました。そんな動物との距離感に触れたことで、監督もあのストーリーを思いついたのではないかと思います。実際の撮影では、3000頭のヤギたちをどうやって同じ方向に動かして、その中で馬を走らせるか、とても苦労していました。いざ、移動が成功するも、今度は砂埃が立ち過ぎてしまい乃木たちがまったく見えなくなるという(笑)。それから散水車を呼んで水をまいて、地面を濡らして、など試行錯誤の末に、あのシーンが誕生したのです。
他にも、VIVANTには、ラクダに命を救われるシーンもあり、動物がこのドラマの鍵を握っているんです。 “動物の社会の中に人間がいるような感じ”と堺さんがモンゴルを表していらっしゃいましたが、モンゴルは人間と動物との距離感が日本とまったく違います。人が動物を“飼っている”という感覚ではないんです。ですがそれは、日本がまだ遅れているだけあって、世界では当たり前のことだと痛感しました。長旅を助けてくれたラクダを乃木と薫が心配して、時間をかけてウランバートルまでドラムが戻すという描写はそんな世界基準の考え方を取り入れたいという監督のこだわりでもありました。乃木がラクダにモンゴル語で話しかけるのは、モンゴルの動物だからモンゴル語で、という堺さんのこだわりでもあります。
――“F”のキャラクター
乃木は普段、情けない男を演じているわけではありません。別班の乃木は“F”が担っているので、普段の乃木は温厚な性格です。1話でチンギスから逃げている道中も、乃木はいつでも逃げられる状態です。でも、野崎に素性がバレてしまう恐れがあるのであえて逃げません。また、野崎と行動を共にし、公安は“テント”に関してどこまで情報を得ているのか探る意図もあります。乃木と野崎のシーンを1話から見返してみると、そういった部分がよりわかると思います。
本作は、『半沢直樹』シリーズ、『下町ロケット』シリーズ、『陸王』『ドラゴン桜』などを手掛けた福澤克雄氏が演出だけでなく原作も手掛けた完全オリジナルストーリー。福澤監督と共に日曜劇場を作ってきた制作スタッフが集結し、主演の堺雅人のほか、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司、二宮和也ら豪華キャスト陣が出演する。
■最終回のあらすじ
「私は、別班の任務としてここに来ました」乃木(堺雅人)が別班を裏切っていなかったことが判明。そして、撃たれた別班員たちは急所を外されていて、日本で生きていた。
事実を知って激昂するノコル(二宮和也)と、乃木の言葉に刀を抜くベキ(役所広司)。過酷な運命を乗り越えた親子。40年の時を超えた宿命の物語の結末は―
(編集:岩本和樹)
――ドラムの付けた発信機に気づく乃木
クランクインする前には、10話までの台本はほぼできていたので、1話で乃木がドラムに盗聴器を仕掛けられたところは、すれ違うシーンを撮影する際に、別班乃木がそれに気づく5話のシーンも併せて撮影しています。
その後、乃木はCIAのサムと話すわけですが、ドラムの盗聴器がある状況なので、聞かれてはいけない話は、盗聴器から離れた広場へ出て話しているという演出になっています。衛星から乃木の顔を見るために作られたシーンと思われるかもしれませんが、実はそういう意味もあったんです。これを踏まえてもう一度あのシーンを見ていただくと、面白いかもしれません。
――乃木vsザイール
ザイールを銃で撃つシーンは、実は乃木が撃っていたという部分も同時に、撮影しています。カメラのアングルを変えることで、1話では見えないようなアングルのカメラを採用し、別の野崎の視点(野崎の小型カメラ)からのアングルは5話で採用しているんです。乃木さんの動きや体の向きも非常に繊細な演出になるので、態勢や、銃の出し方、それでいて、あれだけ正確にザイールの腕を撃ち抜くためにプロが見ても違和感のない撃ち方を、監督、堺さん、ガンアクション指導、アクション指導を交えて綿密に打ち合わせをして、工夫しながら撮影をしました。ザイールを撃った後、野崎が突入しくるので、銃を持ったままにはできない、じゃぁどう処理するかまで綿密なシミュレーションがなされていました。
考察でも気づいていただいてますが、ザイールのところへ向かう途中、乃木が警察車両の中で、少し屈む仕草は、あの時乃木さんは、銃を仕込んでいるんです。もう一度見てもらうと、警察官が、「例のものは3万だ」というようなことを言っているんですけど、「例のもの」とは、その銃のことなんです。
堺さんとマジック指導の方と、スーツを着ている状況で、どういうふうに隠して、どうすり替えるかという打ち合わせを何度も重ねました。またアリの部屋でデータを盗むところも、サイバー監修の助言を元に、福澤(克雄)監督と助監督がなん度もシミュレーションし、現場で堺さんとも何度も話し合って、別班ではない乃木のキャラを保ちながら、どのように実行するのが良いかを検証していました。アリに気づかれないように動かなくてはならないし、でもアリはまだ乃木をただの商社マンとしか思っていないわけで、乃木の動きが鋭くても不自然ですし。かといって、アリはテロ組織の幹部クラスだということも乃木はわかっているので、バレてはいけないし、そのへんの絶妙なあんばいは、堺さんと山中さんだから、可能だったのではと思っています。
――数多く登場したモンゴルの動物たち
何頭ものヤギが一斉に移動する中を、乃木たちが逃げるというシーンがありました。昨年夏に、初めてロケハンに行ったのですが、それこそそこらじゅうに動物がいて、人間と共生していることを実感しました。そんな動物との距離感に触れたことで、監督もあのストーリーを思いついたのではないかと思います。実際の撮影では、3000頭のヤギたちをどうやって同じ方向に動かして、その中で馬を走らせるか、とても苦労していました。いざ、移動が成功するも、今度は砂埃が立ち過ぎてしまい乃木たちがまったく見えなくなるという(笑)。それから散水車を呼んで水をまいて、地面を濡らして、など試行錯誤の末に、あのシーンが誕生したのです。
他にも、VIVANTには、ラクダに命を救われるシーンもあり、動物がこのドラマの鍵を握っているんです。 “動物の社会の中に人間がいるような感じ”と堺さんがモンゴルを表していらっしゃいましたが、モンゴルは人間と動物との距離感が日本とまったく違います。人が動物を“飼っている”という感覚ではないんです。ですがそれは、日本がまだ遅れているだけあって、世界では当たり前のことだと痛感しました。長旅を助けてくれたラクダを乃木と薫が心配して、時間をかけてウランバートルまでドラムが戻すという描写はそんな世界基準の考え方を取り入れたいという監督のこだわりでもありました。乃木がラクダにモンゴル語で話しかけるのは、モンゴルの動物だからモンゴル語で、という堺さんのこだわりでもあります。
――“F”のキャラクター
乃木は普段、情けない男を演じているわけではありません。別班の乃木は“F”が担っているので、普段の乃木は温厚な性格です。1話でチンギスから逃げている道中も、乃木はいつでも逃げられる状態です。でも、野崎に素性がバレてしまう恐れがあるのであえて逃げません。また、野崎と行動を共にし、公安は“テント”に関してどこまで情報を得ているのか探る意図もあります。乃木と野崎のシーンを1話から見返してみると、そういった部分がよりわかると思います。
本作は、『半沢直樹』シリーズ、『下町ロケット』シリーズ、『陸王』『ドラゴン桜』などを手掛けた福澤克雄氏が演出だけでなく原作も手掛けた完全オリジナルストーリー。福澤監督と共に日曜劇場を作ってきた制作スタッフが集結し、主演の堺雅人のほか、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司、二宮和也ら豪華キャスト陣が出演する。
■最終回のあらすじ
「私は、別班の任務としてここに来ました」乃木(堺雅人)が別班を裏切っていなかったことが判明。そして、撃たれた別班員たちは急所を外されていて、日本で生きていた。
事実を知って激昂するノコル(二宮和也)と、乃木の言葉に刀を抜くベキ(役所広司)。過酷な運命を乗り越えた親子。40年の時を超えた宿命の物語の結末は―
(編集:岩本和樹)
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2023/09/16