Jホラーの巨匠・清水崇監督の今年2作目となる『ミンナのウタ』が8月11日より公開される。今年1作目の『忌怪島/きかいじま』がポルトガルで開催されていた「第43回ポルト国際映画祭」で批評家賞(CRITICS AWARD)を受賞した直後、清水監督と話をする機会があった。「おめでとうございます」と声をかけ、“清水崇作品”がある種の“ブランド”的な地位に定着するまでホラー作品を撮り続けていることに敬意を表すると、清水監督は「浮気したいです。コメディを撮りたいんです」と照れ笑いを見せた。
清水監督は、小道具や助監督を経て1998年、関西テレビのスペシャルドラマ『学校の怪談G』内の短篇「片隅」「4444444444」で監督デビュー。『呪怨』シリーズ(1999〜2006年)で世界中の映画ファンを絶叫させ、そのハリウッドリメイク版『THE JUON/呪怨』(2004年)が日本人監督初となる全米興行収入第1位を獲得。近年も実在するホラースポットを舞台にした『犬鳴村』(20年)、『樹海村』(21年)、『牛首村』(22年)の「恐怖の村」シリーズ、古来より伝わる呪いや風習と最新技術「メタバース(ネット上の仮想空間)」に脳科学を融合させた『忌怪島/きかいじま』(公開中)を世に放ち、常にアップデートした新しい恐怖の表現で観客を震え上がらせてきた。
「中学生くらいまではホラーが苦手でまともに見ることもできなかった僕が、初めて手がけた自主制作の課題短編がホラーものだった、というだけで、よく25年もやってこれたな、と自分でも思います。今度はどんな呪いにしようか、どうやって呪いを解こうか…といったことを年中考えているので、それが死ぬまで続くのかなぁ、という不安もあります(笑)」。
一方で、「そろそろJホラーは清水か、中田(『リング』シリーズなどの中田秀夫監督)か、という時代は去ってもいいと思ってますけどね。僕は低予算でもいいのでコメディに挑戦したい。やりたいネタは、いろいろあるんですよ」と、新しい世代の発奮を期待しつつ、密かな願望を明かした。
しかし、“ホラーの神様”は清水監督に、“貞子”(『リング』シリーズ)や“伽椰子”(『呪怨』シリーズ)に続く新世代のホラーヒロイン“さな”を授けてしまった。『ミンナのウタ』は、“さな”がカセットテープに吹き込んだメロディーに呪われる話だ。
■思わず口ずさんでしまう“呪いのメロディー”誕生秘話
今年のGWより映画館で上映前の幕間に本作の特別映像を流したところ、「怖すぎる」という反響から、一部の劇場のファミリー向け映画で上映を禁止する劇場が続出したことでも話題になった『ミンナのウタ』。
劇中で“呪いのメロディー”に翻ろうされるのは、7人組ダンス&ボーカルグループのGENERATIONSのメンバーだ。「GENERATIONSを主演にホラー映画を撮って欲しい」という斬新なオファーを受けた清水監督は、悩んだ挙句、メンバーに本人役で出演してもらうというアイデアを提案した。
「GENERATIONSのメンバーにもお芝居の経験がそれなりにある人とあまりない人がいたし、なるべく素に近い方がファンは喜んでくれると思ったんです(笑)。それで、まずはメンバーにお互いのことを何て呼び合っているのかを聞いて、『関口メンディーさんだけは“さん”づけです』とか『片寄涼太さんのことをメンバーは“片寄くん”ではなく“涼太”って呼びますね』といったプライベートでの距離や関係性に関する彼らの応答や『僕は“俺”とは言わない。“僕”です』といった一人称、『こういう言い方はあまりしないですね』という物腰やパーソナリティを脚本に反映させていきました」。
劇中にメンバーがそれぞれの私服で登場するシーンを混在させ、現実と物語(フィクション)の境界を曖昧(あいまい)にしているところも、本作ならではの面白さだ。物語も、小森隼がパーソナリティを務めるラジオ番組の放送中に、不穏なノイズと共に「カセットテープ、届き…ま…した…?」というリスナーの声が聞こえてきたり、ラジオ局の倉庫で消印が30年前の封書に入っていた1本のカセットテープを発見したり。そして、ライブを控えたメンバーたちとのリハーサルを最後に、小森が突然姿を消してしまったことから物語は動き出す。
清水監督は、「メンバーの小森隼くんがラジオのレギュラー番組を持っているのは知っていたから、彼の番組局で今ではあまり見ないカセットテープが発見されて、そこから如何にも素人の少女の歌声が聴こえてくるという設定を考えました。僕が高校生だった今から30年ぐらい前に、“かぐや姫”や“レベッカ”など人気アーティストの録音テープや市販の楽曲に奇妙な声が入っている!?と、騒ぎになったことがあったので、それがヒントになりました」。
一度聴いたら忘れられない“メロディー”にも、清水監督のこだわりがたっぷり。「僕が真っ先に提案したのは『ローズマリーの赤ちゃん』(1968年、日本公開は69年)の“ローズマリーの子守歌”や『悪魔の棲む家』(1980年)の冒頭でかかる子どものメロディーのような曲。そのイメージをミュージシャンの小林うてなさんに伝えて、ハミングで歌う、他愛も無さそうで、どこか寂しげな歌詞のないメロディーを作ってもらいました」。
GENERATIONSのほかに、事件の真相に迫る探偵・権田役でマキタスポーツ、GENERATIONSのマネージャー・凛役で早見あかりが出演。“さな”役は、オーディションで選ばれた穂紫朋子がおぞましい存在感で怪演する。
清水監督は「権田と凛の関係性にはコメディ要素を少し入れしまいました(笑)。もちろんホラーに戻れなくなるほどやってはいませんが。そして、マキタさん演じる権田には、僕自身の思いや立ち位置を投影させてもらいました」と、打ち明けていた。
清水監督は、小道具や助監督を経て1998年、関西テレビのスペシャルドラマ『学校の怪談G』内の短篇「片隅」「4444444444」で監督デビュー。『呪怨』シリーズ(1999〜2006年)で世界中の映画ファンを絶叫させ、そのハリウッドリメイク版『THE JUON/呪怨』(2004年)が日本人監督初となる全米興行収入第1位を獲得。近年も実在するホラースポットを舞台にした『犬鳴村』(20年)、『樹海村』(21年)、『牛首村』(22年)の「恐怖の村」シリーズ、古来より伝わる呪いや風習と最新技術「メタバース(ネット上の仮想空間)」に脳科学を融合させた『忌怪島/きかいじま』(公開中)を世に放ち、常にアップデートした新しい恐怖の表現で観客を震え上がらせてきた。
「中学生くらいまではホラーが苦手でまともに見ることもできなかった僕が、初めて手がけた自主制作の課題短編がホラーものだった、というだけで、よく25年もやってこれたな、と自分でも思います。今度はどんな呪いにしようか、どうやって呪いを解こうか…といったことを年中考えているので、それが死ぬまで続くのかなぁ、という不安もあります(笑)」。
一方で、「そろそろJホラーは清水か、中田(『リング』シリーズなどの中田秀夫監督)か、という時代は去ってもいいと思ってますけどね。僕は低予算でもいいのでコメディに挑戦したい。やりたいネタは、いろいろあるんですよ」と、新しい世代の発奮を期待しつつ、密かな願望を明かした。
しかし、“ホラーの神様”は清水監督に、“貞子”(『リング』シリーズ)や“伽椰子”(『呪怨』シリーズ)に続く新世代のホラーヒロイン“さな”を授けてしまった。『ミンナのウタ』は、“さな”がカセットテープに吹き込んだメロディーに呪われる話だ。
■思わず口ずさんでしまう“呪いのメロディー”誕生秘話
今年のGWより映画館で上映前の幕間に本作の特別映像を流したところ、「怖すぎる」という反響から、一部の劇場のファミリー向け映画で上映を禁止する劇場が続出したことでも話題になった『ミンナのウタ』。
劇中で“呪いのメロディー”に翻ろうされるのは、7人組ダンス&ボーカルグループのGENERATIONSのメンバーだ。「GENERATIONSを主演にホラー映画を撮って欲しい」という斬新なオファーを受けた清水監督は、悩んだ挙句、メンバーに本人役で出演してもらうというアイデアを提案した。
「GENERATIONSのメンバーにもお芝居の経験がそれなりにある人とあまりない人がいたし、なるべく素に近い方がファンは喜んでくれると思ったんです(笑)。それで、まずはメンバーにお互いのことを何て呼び合っているのかを聞いて、『関口メンディーさんだけは“さん”づけです』とか『片寄涼太さんのことをメンバーは“片寄くん”ではなく“涼太”って呼びますね』といったプライベートでの距離や関係性に関する彼らの応答や『僕は“俺”とは言わない。“僕”です』といった一人称、『こういう言い方はあまりしないですね』という物腰やパーソナリティを脚本に反映させていきました」。
劇中にメンバーがそれぞれの私服で登場するシーンを混在させ、現実と物語(フィクション)の境界を曖昧(あいまい)にしているところも、本作ならではの面白さだ。物語も、小森隼がパーソナリティを務めるラジオ番組の放送中に、不穏なノイズと共に「カセットテープ、届き…ま…した…?」というリスナーの声が聞こえてきたり、ラジオ局の倉庫で消印が30年前の封書に入っていた1本のカセットテープを発見したり。そして、ライブを控えたメンバーたちとのリハーサルを最後に、小森が突然姿を消してしまったことから物語は動き出す。
清水監督は、「メンバーの小森隼くんがラジオのレギュラー番組を持っているのは知っていたから、彼の番組局で今ではあまり見ないカセットテープが発見されて、そこから如何にも素人の少女の歌声が聴こえてくるという設定を考えました。僕が高校生だった今から30年ぐらい前に、“かぐや姫”や“レベッカ”など人気アーティストの録音テープや市販の楽曲に奇妙な声が入っている!?と、騒ぎになったことがあったので、それがヒントになりました」。
一度聴いたら忘れられない“メロディー”にも、清水監督のこだわりがたっぷり。「僕が真っ先に提案したのは『ローズマリーの赤ちゃん』(1968年、日本公開は69年)の“ローズマリーの子守歌”や『悪魔の棲む家』(1980年)の冒頭でかかる子どものメロディーのような曲。そのイメージをミュージシャンの小林うてなさんに伝えて、ハミングで歌う、他愛も無さそうで、どこか寂しげな歌詞のないメロディーを作ってもらいました」。
GENERATIONSのほかに、事件の真相に迫る探偵・権田役でマキタスポーツ、GENERATIONSのマネージャー・凛役で早見あかりが出演。“さな”役は、オーディションで選ばれた穂紫朋子がおぞましい存在感で怪演する。
清水監督は「権田と凛の関係性にはコメディ要素を少し入れしまいました(笑)。もちろんホラーに戻れなくなるほどやってはいませんが。そして、マキタさん演じる権田には、僕自身の思いや立ち位置を投影させてもらいました」と、打ち明けていた。
このニュースの流れをチェック
- 1. 清水崇監督の新作『ミンナのウタ』公開決定 視聴注意な“メロディー”が鳴り響く映像解禁
- 2. 清水崇監督最新作『ミンナのウタ』謎めいた【少女S】の存在を示す写真を初公開
- 3. 新たなホラークイーン爆誕 清水崇監督最新作『ミンナのウタ』6つの新情報
- 4. 清水崇監督『ミンナのウタ』恐すぎて一部の映画館で上映を見送った特別映像解禁
- 5. 清水崇監督『ミンナのウタ』とあるアーティストグループが恐怖のターゲットに!? 音声データを入手
- 6. GENERATIONS、清水崇監督の新作映画に本人役で主演 “呪いのメロディー”のターゲットに
- 7. GENERATIONS、本人役で全員出演が話題の映画『ミンナのウタ』場面写真一挙解禁
- 8. 早見あかり&マキタスポーツ、GENERATIONSのメンバーとホラー映画で共演
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- 10. GENERATIONS、恐怖に震えるリアクションに個性あり 映画『ミンナのウタ』場面写真
- 11. ホラー映画『ミンナのウタ』撮影中に怪現象 GENERATIONS・佐野玲於のSiriが勝手に起動
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- 14. 『ミンナのウタ』特別イベントで“さな”増殖 GENERATIONS「僕らより人数多い」
- 15. 映画『ミンナのウタ』GENERATIONSの“心霊写真風”フォトカード 3日間限定配布
- 16. GENERATIONS白濱亜嵐、誕生日(8月4日)記念 『ミンナのウタ』自撮りメイキング映像公開
- 17. 清水崇監督、ホラーを作り続けて25年「年中“呪い”のことを考えている」“浮気”願望も
- 18. 佐野玲於が遭遇した“怪異” 自販機の下を漁る女子中学生には要注意『ミンナのウタ』本編映像
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- 23. 映画『ミンナのウタ』カセットテープ逆再生シーン解禁 恐怖を増幅させる“音”の仕掛け
- 24. ホラー映画『ミンナのウタ』“さな” って何者? 『呪怨』をほうふつさせる新カット解禁
- 25. GENERATIONS、映画『ミンナのウタ』出演でホラー映画ファンにも認知広がる
- 26. GENERATIONS白濱亜嵐からコメント到着 映画『ミンナのウタ』海外配給決定を喜ぶ【コメントあり】
- 27. GENERATIONS主演のホラー映画『ミンナのウタ』Blu-ray&DVD発売決定
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2023/08/05