イタリア・ベネチアで開催される「第80回ベネチア国際映画祭」(8月30日〜9月9日)のクラシック部門(VENICE CLASSICS/べニス・クラシックス)に、小津安二郎監督作品『父ありき 4Kデジタル修復版』(1942年製作、英題:There Was a Father 4K Digitally Restored Version)が選出され、現地でワールドプレミア上映を行うことが決定した。
今年(2023年)12月12日に生誕120年を迎える、日本を代表する映画監督、小津安二郎。その人気や評価は今なお色あせることなく、昨年、英国映画協会(British Film Institute)の発行する映画雑誌「Sight&Sound」誌において、『東京物語』が「史上最高の映画100選」の4位(日本映画最高位)に輝くなど、世界中の映画人や映画ファンから高い支持を得ている。
これまでも小津作品は数々の映画祭での上映が行われ、その度に観客から喝采を浴び、再評価を高めてきた。『父ありき 4Kデジタル修復版』が上映されるベニス・クラシックスは、2012年に設立されたべネチア国際映画祭の一部門で、過去1年間に復元されたクラシック作品の中から、特に優れた作品が選出される。小津作品では『彼岸花』(1958年)が13年に、『お茶漬の味』(1952年)が17年に、『風の中の牝鶏(※鶏=「奚隹」のにわとり)』(1948年)が22年に選出されて以来、通算4作目の選出となった。
戦時下に製作された『父ありき』は、同じ教師の道を選んだ父と子の親子関係を繊細かつ濃厚に描いた、哀感にあふれた作品。笠智衆の初主演作品であり、佐野周二など後の小津作品の常連となるスターたちを数多く起用。後の小津作品にも共通する、「人と人とのつながり」や「家族」といった、普遍的なテーマを題材としている。
公開当時のオリジナル版は、本編尺が94分、フィルムの長さにして2588メートルと記録に残されている。当時の社会状況や戦争に関して言及していた同作は、戦後占領期の1945年再公開時にGHQの検閲によりオリジナル版から多くのシーンがカットされ、松竹に残された原版素材(16ミリマスターポジ)は、本編尺が87分に短縮されていた。
国立映画アーカイブと松竹の共同事業にて修復を行い、 4Kデジタル修復(フル4K(4K解像度=4096× 3112)スキャン、4KDCP)では、松竹が所有する16ミリマスターポジと、ロシアで新たに発見され、国立映画アーカイブが保管している35ミリプリント(72分)の両方を4Kスキャン。双方の画と音を比較し、欠落している箇所を組み合わせ、1942年公開当時のオリジナル版に限りなく近い状態への修復が行われた。ベネチアでお披露目される4Kデジタル修復版の上映尺は92分でとなる。
画像修復は、キャメラマンの近森眞史氏が監修し、イマジカにて作業。音声修復は96kHz24bitでデジタイズし、電源、キャメラ、光学編集、ネガのキズや劣化等、さまざまな要因によるノイズ、レベルオーバーによる歪みを、原因に立ち返って類推し、清水和法氏の監修のもと松竹映像センターにて修復。小津安二郎監督の製作意図を尊重して修復する事を主眼に作業された。
■あらすじ
金沢で中学教師をしている堀川周平(笠智衆)は妻に先立たれ、息子の良平(佐野周二、少年時代:津田晴彦)と2人で暮らしていた。そんな中、周平は修学旅行先で教え子を溺死させてしまい、責任を感じて退職。良平を寄宿舎に残し、東京の工場で働きだした。時が過ぎ、良平は仙台の帝大を卒業して、秋田の学校で教師となった。彼は久々に父親と再会するのだが…。
今年(2023年)12月12日に生誕120年を迎える、日本を代表する映画監督、小津安二郎。その人気や評価は今なお色あせることなく、昨年、英国映画協会(British Film Institute)の発行する映画雑誌「Sight&Sound」誌において、『東京物語』が「史上最高の映画100選」の4位(日本映画最高位)に輝くなど、世界中の映画人や映画ファンから高い支持を得ている。
戦時下に製作された『父ありき』は、同じ教師の道を選んだ父と子の親子関係を繊細かつ濃厚に描いた、哀感にあふれた作品。笠智衆の初主演作品であり、佐野周二など後の小津作品の常連となるスターたちを数多く起用。後の小津作品にも共通する、「人と人とのつながり」や「家族」といった、普遍的なテーマを題材としている。
公開当時のオリジナル版は、本編尺が94分、フィルムの長さにして2588メートルと記録に残されている。当時の社会状況や戦争に関して言及していた同作は、戦後占領期の1945年再公開時にGHQの検閲によりオリジナル版から多くのシーンがカットされ、松竹に残された原版素材(16ミリマスターポジ)は、本編尺が87分に短縮されていた。
国立映画アーカイブと松竹の共同事業にて修復を行い、 4Kデジタル修復(フル4K(4K解像度=4096× 3112)スキャン、4KDCP)では、松竹が所有する16ミリマスターポジと、ロシアで新たに発見され、国立映画アーカイブが保管している35ミリプリント(72分)の両方を4Kスキャン。双方の画と音を比較し、欠落している箇所を組み合わせ、1942年公開当時のオリジナル版に限りなく近い状態への修復が行われた。ベネチアでお披露目される4Kデジタル修復版の上映尺は92分でとなる。
画像修復は、キャメラマンの近森眞史氏が監修し、イマジカにて作業。音声修復は96kHz24bitでデジタイズし、電源、キャメラ、光学編集、ネガのキズや劣化等、さまざまな要因によるノイズ、レベルオーバーによる歪みを、原因に立ち返って類推し、清水和法氏の監修のもと松竹映像センターにて修復。小津安二郎監督の製作意図を尊重して修復する事を主眼に作業された。
■あらすじ
金沢で中学教師をしている堀川周平(笠智衆)は妻に先立たれ、息子の良平(佐野周二、少年時代:津田晴彦)と2人で暮らしていた。そんな中、周平は修学旅行先で教え子を溺死させてしまい、責任を感じて退職。良平を寄宿舎に残し、東京の工場で働きだした。時が過ぎ、良平は仙台の帝大を卒業して、秋田の学校で教師となった。彼は久々に父親と再会するのだが…。
2023/07/25