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山下智久×新木優子、王道ラブストーリーが教えてくれた人生の大切な「気づき」

 動画配信サービス「Prime Video」で独占配信中の映画『SEE HEAR LOVE 見えなくても聞こえなくても愛してる』(イ・ジェハン監督)。現在ディレクターズカット版が劇場公開もされている本作で主演を務めた山下智久と、ヒロインを務めた新木優子がそろってORICON NEWSのインタビューに応じ、作品について語り合った。

映画『SEE HEAR LOVE 見えなくても聞こえなくても愛してる』山下智久、新木優子(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

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 漫画を描いて生計を立てている泉本真治(山下)は、視力を徐々に失う病を患い、やっと軌道に乗って人気がでてきた連載漫画も休載せざるを得なくなる。絶望した真治は、ベランダから身を投げ出そうとして…。そんな時、真治の漫画のファンで、生まれつき耳が聞こえない相田響(新木)に助けられる。こうして出会った真治と響が支え合いつつ織りなす、切なくも温かい感動ラブストーリー。

――完成した作品をご覧になった感想は?

【山下】僕は、いつも自分が携わった映画やドラマを初めて観た時はなかなか客観視できないのですが、この作品は一観客としてストーリーの世界に没入できたというか、感情移入してしまって。自分にとっては珍しい経験でした。どうしてだろう、と考えた時に、イ・ジェハン監督をはじめ、現場のみんなで緻密に作り上げていった結果なのかな、と思いました。

【新木】私はすごくハラハラドキドキしながら観ました。バラバラに撮影したシーンやカットが編集でどうつながっているんだろうって。不安でもあり、楽しみでもあり、いろんな感情があったんですけど、観終わった後、幸せって何なのか、誰かと話したくなりました。そういうことって、なかなか気恥ずかしくて普段は話せないけれど、この映画を観た後なら自然と話せるんじゃないかな。ぜひ、大切な人と一緒に観て、いろいろ話してほしい。良いきっかけになる作品だと思いました。

映画『SEE HEAR LOVE 見えなくても聞こえなくても愛してる』山下智久(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

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――病で視力を失う漫画家の真治を演じるにあたり、どんな役作りをされましたか?

【山下】視覚障がいのある方々にお会いして、お話をうかがいました。視覚に障がいがあるといっても、生まれつきの方もいらっしゃるし、真治のように病気や事故などでそうなる方もいらっしゃいます。障がいの程度も一人ひとり異なりますし、当然のことながら人それぞれ立ち居振る舞いなども違います。動き的なことは、映画を観たり、演技の先生に相談したりもしました。また、自分も目隠しをして過ごして、見えない状態を疑似体験して。その時、自分の家の中なのに何がどこにあるのかわからなくなって、とてつもない恐怖を感じました。どうやって恐怖心に打ち勝ち、絶望から立ち直っていったのか、リアルな経験談を参考にさせていただきました。

映画『SEE HEAR LOVE 見えなくても聞こえなくても愛してる』新木優子(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

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――新木さんは聴覚に障がいがある響を演じるにあたり、どんな役作りをされましたか?

【新木】音が聞こえない世界がどういうものなのか、疑似体験したくてもなかなか難しくて。ある時、お風呂に潜った時に水中では音が聞こえづらいことに気づいて、それが突破口になりました。音を意識しないように努めていても、体が勝手に反応してしまうことが結構あって、音から得ている情報がどれだけ多いのか、すごくよくわかりました。目では捉えられない背後で何かあった時に、音で気づいて、危険を察知することもあると思うのですが、それに気づけないというのはすごく怖いことだと思いました。

 手話にも挑戦したのですが、人それぞれ話し方に個性があるように、手話にも個性があるんですよね。響は、生まれつき耳が聞こえないので、子どもの頃から手話で気持ちを伝えてきた。彼女らしい手話に見えるように、撮影中もずっと先生に指導していただきました。

■妥協を許さない強さと柔軟性を学んだ

――山下さんは、近年、ハリウッド俳優たちと共演した映画『マン・フロム・トロント』(2022年)や、日本では今年9月に配信される米仏日共同製作の海外ドラマ『神の雫/Drops of God』の主演を務めるなど、ワールドワイドな活躍をされていますが、今回、イ・ジェハン監督の指揮のもと、韓国のスタッフらとともに作品づくりを経験して得たものは?

【山下】監督は、小物を撮るにしても何テイクも重ねるほど、良くても悪くてもだいたい5テイクくらい撮るんですよ。僕らもいろんなアプローチを試すことができて、その中で自分が思ってもみなかった方向にそれてしまったように見えても、なんかちゃんとつながって新しい流れが生まれて、自分でも驚くようないいサプライズが何度もあって、監督には何か状況を変える特殊能力があるのかなと思うくらいでした。撮影をしていく中で、発想を変えていく柔軟性を教わった気がします。

映画『SEE HEAR LOVE 見えなくても聞こえなくても愛してる』山下智久(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

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――本作には、「見えなくても、見えます。聞こえなくても、聞こえます」「つらい時こそ、笑うのよ」など、いまを懸命に生きる人たちの心に寄り添うすてきなせりふがたくさんちりばめられていますが、二人の関係性について感じたことは?

【山下】人を愛する気持ち、真実の愛って何だろう、ということに僕はまだ明確な答えを持っていないのですが、この役を通じて僕は、本当に大切なものは、目に見えなくて、聞こえないものなんじゃないかという風に感じました。だから真治と響の関係において障がいなんてものはなくて、それが本当の愛なんじゃないか、と感じています。

 あと、この作品ですごく印象に残ってるのが、「魂まで売れないです」というせりふ。真治の強い気持ちは、イ・ジェハン監督にも通じるものがあって、いい刺激をいただきました。僕は、本当は違う気がするけど、今それを言うとみんなに迷惑をかけてしまうかもしれないから、妥協した方がいいかな、と勝手に悩んでしまうことがあるので、そういうことはなるべく減らしていきたいなと思いました。自分の魂、心の奥底にある譲れないものと真摯(しんし)に向き合う強さを大切にしていきたいと思います。

映画『SEE HEAR LOVE 見えなくても聞こえなくても愛してる』新木優子(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

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【新木】見えてるものが全てじゃないし、聞こえてくるものが本当かどうかわからない。その中で自分自身が信じられるものを選択していく。人生とはそういう選択の連続なんだと思います。いろんな情報が目に入って来るし、聞こえてくるけれど、ちゃんと自分の心で見極めて、自分で選んだことには自信を持って前に進んでいけるようになりたい、と思いました。

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