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【SSFF2023】太田光代氏らが“ブランディング”を分析「広告が広告であるとバレ始めた時代」 『BRANDED SHORTS 2023』発表

 企業や広告会社が制作したブランディングを目的としたショートフィルム(ブランデッドムービー)の祭典『BRANDED SHORTS 2023』が14日、東京・赤坂インターシティコンファレンスで開催された。最優秀賞「Branded shorts of the Year」の発表前には、審査員8人(たちばなやすひと氏、安藤桃子氏、太田光代氏、きざきあやな氏、木村健太郎氏、高崎卓馬氏、藤吉雅春氏、チュック・ベッシャー氏)によるトークショーを行った。

『BRANDED SHORTS 2023』に登場した太田光代 (C)ORICON NewS inc.

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 同アワードは、6日から開催中の米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭『ショートショートフィルムフェスティバル&アジア 2023』(SSFF&ASIA)の一環として開催され、今年は世界中から集まった695のエントリー作品の中から、インターナショナル部門13作品、ナショナル部門14作品がノミネートされた。

『BRANDED SHORTS 2023』に登場したたちばなやすひと (C)ORICON NewS inc.

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 トークショーでは、たちばな氏をファシリテーターとし、審査員たちがノミネート作品の内容や選出ポイントを紹介。その後、ブランデッドムービーというジャンルのトレンドや潮流について語り合った。

 博報堂の木村氏は「広告が広告であるとバレ始めた時代」といい、“ブランデッド”を「広告を飛ばすこともできる中で、そういうところではないところからのアプローチ」と定義した。そして「今までは製品を売り出したいブランド側と、その広告を観るユーザー側のどちらかが我慢しなければいけなかったが、最近は映像コンテンツだと思って見入っていたら実は広告だったというような、Win-Winの関係にある作品が増えている」と分析した。

『BRANDED SHORTS 2023』に登場した高崎卓馬 (C)ORICON NewS inc.

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 電通グループの高崎氏は、同じく広告代理店の視点から「広告はお金を使って自画自賛するものだから、本来は観て気持ち悪いもの」とキッパリ。だからこそ「観てよかったと思わせるものでなければいけない」とし、「その意識を忘れてしまうと幼稚に見える」と語った。続けて「ナショナルとインターナショナルだと、土俵が違うことを感じる。必ずしもグルーバルスタンダードである必要はないと思うが、人に届けるという点を意識するべきだと思う」と持論を展開した。

『BRANDED SHORTS 2023』に登場したチュック・ベッシャー (C)ORICON NewS inc.

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 Plan Beのベッシャー氏は、ブランド側の立場で得た経験をもとに「“好意を抱く”というところに力を置くと、作る側も観る側も喜べる」といい、Forbes JAPAN編集長の藤吉氏は「今回のノミネート作品では、『仲間になりましょう』という呼びかけが多かったように感じる」「活字でやってきたノンフィクション作品のような」と傾向を読んだ。

 一方、NewsPicks Studiosの木嵜氏と映画監督の安藤氏は、制作者の立場から私見を語る。木嵜氏は「(ブランデッドムービーは)観る人を幸せな気分にさせないといけないし、がっかりさせてはいけない」としつつ、「面白くて、審査しながらみんな笑っていて、私自身は涙した作品もあった。映像で幸せをもらったように思います。制作者として学ばさせていただきました」とノミネート作品を回顧した。

『BRANDED SHORTS 2023』に登場した安藤桃子 (C)ORICON NewS inc.

『BRANDED SHORTS 2023』に登場した安藤桃子 (C)ORICON NewS inc.

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 安藤氏は「ファーストインプレッションを重視しながら、できるだけ同じ体調、環境で見るようにした」と審査におけるこだわり伝え、「『考えるな、感じろ』と意識していたけど、『ここはこういう狙いなんだろうな』という部分は見えてくる。その上で、作り手の情熱などはより自然に伝わってくるので、共感できる部分が多かった」と振り返った。

 タイタンの太田氏は、「こういった審査だと、何回も観るタイプなんですが、観るたびに違う作品に思えてくる」と感触を明かし、「時間帯や、誰と見るかといった環境でも違う。ただ、すべてが素晴らしい作品だった」と、ノミネート作品をたたえた。

『BRANDED SHORTS 2023』に登場した(左から)たちばなやすひと、藤吉雅春、木嵜綾奈、チュック・ベッシャー、太田光代、高崎卓馬、安藤桃子、木村健太郎 (C)ORICON NewS inc.

『BRANDED SHORTS 2023』に登場した(左から)たちばなやすひと、藤吉雅春、木嵜綾奈、チュック・ベッシャー、太田光代、高崎卓馬、安藤桃子、木村健太郎 (C)ORICON NewS inc.

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 そして、この後行われる最優秀賞などの発表について、「昨年より今年は全体的に明るい雰囲気の作品が多かったですし、そこに明るい安藤さんなども加わってくださって、きちんと意見がまとまったのではないかと思います」と胸を張った。

 今年で『SSFF&ASIA』は、インターナショナル部門が25周年、アジア・ジャパン部門が20周年を迎える。世界120の国と地域から集まった5215点の中から選びぬかれた約200作品がノミネート。今月6日〜26日にかけ都内複数会場およびオンライン会場で開催される。

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  • 『BRANDED SHORTS 2023』に登場した太田光代 (C)ORICON NewS inc.
  • 『BRANDED SHORTS 2023』に登場したたちばなやすひと (C)ORICON NewS inc.
  • 『BRANDED SHORTS 2023』に登場したチュック・ベッシャー (C)ORICON NewS inc.
  • 『BRANDED SHORTS 2023』に登場した安藤桃子 (C)ORICON NewS inc.
  • 『BRANDED SHORTS 2023』に登場した高崎卓馬 (C)ORICON NewS inc.
  • 『BRANDED SHORTS 2023』に登場した藤吉雅春 (C)ORICON NewS inc.
  • 『BRANDED SHORTS 2023』に登場した木村健太郎 (C)ORICON NewS inc.
  • 『BRANDED SHORTS 2023』に登場した木嵜綾奈 (C)ORICON NewS inc.
  • 『BRANDED SHORTS 2023』に登場した(左から)太田光代、高崎卓馬、安藤桃子、木村健太郎 (C)ORICON NewS inc.
  • (左から)たちばなやすひと、藤吉雅春、木嵜綾奈、チュック・ベッシャー (C)ORICON NewS inc.
  • 『BRANDED SHORTS 2023』に登場した(左から)たちばなやすひと、藤吉雅春、木嵜綾奈、チュック・ベッシャー、太田光代、高崎卓馬、安藤桃子、木村健太郎 (C)ORICON NewS inc.

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