2018年に公開され、アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞した『スパイダーマン：スパイダーバース』から4年。待望の続編で、『スパイダーマン』シリーズ最新作、『スパイダーマン：アクロス・ザ・スパイダーバース』が全米で現地時間6月2日に公開。日本では6月16日より全国の映画館で公開される。日本語吹替版では、主人公マイルス・モラレス／スパイダーマン役の小野賢章の続投が決定。まさに本作のアフレコが行われた当日、スタジオに押しかけ、今作について語ってもらった。

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　全米で「今年の夏に最も期待されている大作映画」の第1位（※）に選ばれ、＜スパイダーマンの歴史を決定的に変える映画＞としてすでに世界中で大きな注目を集めている本作。

　主人公のマイルス・モラレスは、ブルックリンに住む高校生。トビー・マグワイア、アンドリュー・ガーフィールド、トム・ホランドの3人が演じたスパイダーマンの誰とも異なる、シリーズ4人目のスパイダーマンだ。前作『スパイダーバース』で、亡きピーター・パーカー（過去の映画に登場したピーターとは別人）の遺志を継ぎ、新たなスパイダーマンとして目覚め、別次元のスパイダーマンたちと共に敵に立ち向かった。

――マイルス役の続投が決まったお気持ちは？

【小野】前作が衝撃的だったので、あの1作だけで終わりたくない、続きが観たいとずっと思っていました。マイルスを再び演じることができて、すごくうれしいです。僕自身、マーベル作品が好きで、その中でもイチ推しがスパイダーマン。トビー・マグワイアのスパイダーマン（2002年〜07年の3部作）から好きで、個人的な思い入れもすごくあります。

――実写版はMCUシリーズの3部作が完結してしまいましたね。

【小野】昨年公開された『スパイダーマン：ノー・ウェイ・ホーム』はすごかったですよね。トビー版、アンドリュー版のスパイダーマンが登場した時は、拍手が起きたという話を聞きますしたが、僕も拍手したくなりました。あの感動は、今、思い出しても鳥肌が立ちます。ヴィランたちも懐かしかった。

――ファンが夢見てきたスパイダーマン同士の共闘が実現したのは、「マルチバース」ならでは。「マルチバース」は昨今のトレンドになっていますが、いち早く取り入れ、成功したのが前作『スパイダーバース』でした。アカデミー賞まで受賞して。

【小野】衝撃的でしたよね。普通のアニメーション作品とは一線を画す、コミックをそのままアニメーションにしたような革新的な映像表現、一種のアート作品を観ているような色彩感覚も印象に残っています。前作ですごいと感じたものは、最新作『スパイダーマン：アクロス・ザ・スパイダーバース』でも健在。いやもっと進化していると思います。観た瞬間に体温が2、3度上がるくらい、世界はまたびっくりするんじゃないかな。

――話せないこともあると思いますが、アフレコを終えての感想は？

【小野】前作で高校1年生だったマイルスは、今作で2年生になって急に大人っぽくなっています。マルチバースの概念もより広がっていて、なんと今回は猫や恐竜のスパイダーマンまで登場するんですよ。ヴィランもマジで強くていい感じなんです。前作の時は1日で録り終えたのですが、今回は2日がかり。スケールの壮大さというか、アクションシーンがどれぐらいあるのか、察してもらえたらと思います（笑）。

――会ってみたい、ほかのバースにいる“小野賢章”は？

【小野】一般職についた自分に会ってみたいです。子役からやってきて、芸能以外の仕事に就く自分を想像したことがなかったので、別の世界線でどんな生活してるのか、気になります。

■『スパイダーマン：アクロス・ザ・スパイダーバース』

　ピーター・パーカー亡きあと、スパイダーマンを継承した高校生マイルス。共に戦ったグウェンと再会した彼は、様々なバースから選び抜かれたスパイダーマンたちが集う、マルチバースの中心へと辿り着く。そこでマイルスが目にした未来。それは、愛する人と世界を同時には救えないという、かつてのスパイダーマンたちが受け入れてきた＜哀しき定め＞だった。それでも両方を守り抜くと固く誓ったマイルスだが、その大きな決断が、やがてマルチバース全体を揺るがす最大の危機を引き起こす…。

（※）米国最大のチケット販売サイト「Fandango」が2023年2月から3月にかけて、6000人以上のユーザーを対象にした調査より。