現代に生きる女子高生がタイムスリップし、1945年の日本で特攻隊員と出会う号泣必至のラブストーリー『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』（著：汐見夏衛／スターツ出版文庫）が、福原遥、水上恒司のダブル主演で映画化されることが発表された。2人の共演はドラマ『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』（21年、日本テレビ）に続いて2度目となる。

【写真】その他の写真を見る

　設定こそファンタジーだが、テーマは「命の大切さ」や「相手を愛しく思う気持ち」。75年前も、今も変わらない普遍的なもので、TikTokで10代の若者を中心に話題となった。

　親や学校、すべてにイライラして不満ばかりの女子高生・加納百合（福原）が、ある日、母親と喧嘩をして家出をし、目が覚めると1945年、戦時中の日本にタイムスリップ。偶然通りかかった彰（水上）に助けられ、彼の誠実さや優しさにどんどんひかれていく百合だったが…。彰は特攻隊員で、程なく命がけで戦地に飛ぶ運命だった。

　福原は、連続テレビ小説『舞いあがれ！』（22年後期、NHK）の主演を務め上げた後、初となる主演映画について、「まずは原作を読ませていただいたのですが、とても感動して素敵な作品でした。戦争について学校で学んだことはあっても、感じきれなかった思いをこの作品から感じ、切なく胸が苦しくなりました。不安もありますが、私の演じる百合が、彰という人に出会い初めての恋をして、愛というものをどう知って成長していくのか、ぜひ見守っていただければと思います」とコメント。

　百合と出会う特攻隊員・佐久間彰を演じる水上は、「私自身が芝居に興味を持ったきっかけが高校演劇で特攻隊員の古賀正一という青年を演じたことでした。今回彰という役を生きる意味は、私より下の世代に『戦争』というもの、日本がしてきたこと、世界の戦争の歴史を知るきっかけを与えるためだと思います」と、ある種の使命感をにじませる。

　お互いについての印象は、「とてもストイックな方なので、ご一緒させていただけてうれしいですし、すごく安心感があります。撮影に入る前にたくさんお話をさせていただいたので、役についていろいろと考えることができました」（福原）、「とても無邪気で、清涼感あふれ、この世の全てを愛しているような、まさに百合のようなお方だと思いました」（水上）と語っている。

　監督は、CM界で長く活躍をし、長編映画は2作目となる成田洋一がメガホンをとった。「脚本を書いている時も、撮影している時も、幾度となくそのやるせなさに涙しました。若い人にこそ見ていただきたい映画です」と完成に期待を寄せ、原作者の汐見は、「撮影見学の際、スタッフの皆様キャストの皆様が試行錯誤しながらひとつひとつのシーンを作り上げていらっしゃる姿を目の当たりにして、こんなふうに大切に作っていただけて幸せだなと感激しました」とコメントを寄せている。

　本編は4月1日にクランクインをし、茨城県行方市内に建てられたオープンセットや、栃木県・群馬県などで撮影、今月4日に静岡県・可睡ゆり園にてクランクアップした。完成は10月初旬、公開は12月8日を予定している。

★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」