1967年10月2日の深夜1時。「君が踊り僕が歌うとき、新しい時代の夜が生まれる。太陽のかわりに音楽を、青空のかわりに夢を。フレッシュな夜をリードするオールナイトニッポン!」という糸居五郎の第一声で、ニッポン放送“深夜ラジオの代名詞”『オールナイトニッポン(ANN)』が幕開けした。現在にいたるまで、才能豊かな数々のパーソナリティーを見出し、リスナーに寄り添い、常に時代の最先端を見つめ、話題や文化を発信してきた『ANN』が、この4月から55周年YEARを迎えた。
ORICON NEWSでは、毎月1組のパーソナリティーにスポットを当てて『ANN』の今を紹介する連載企画をスタート。第11弾の第3回は、緑黄色社会の長屋晴子がパーソナリティーを務める『緑黄色社会・長屋晴子のオールナイトニッポンX』(毎週火曜 深0:00)について、長屋と小鍛冶優子ディレクターとの対談の様子を届ける。
■印象的な放送は“ガチ友ゲスト”回 大ファン・ジェラードンの出演「過去イチくらいで緊張」
長屋が「オールナイトニッポンX」のパーソナリティーを務めるようになってから、まもなく1年。これまでの放送を振り返って、印象的な回を教えてもらった。
長屋 全部よかったんですけど、最初のほうに天野(夏実)という私のガチの友だちが来たんですよね。それも「こういう子がいてラジオに呼びたいんですけど、いいですか?」と聞いたら「いいですよ。いつでも来てください」と言ってくださって、スペシャルウィークとか関係なく、普通の回で来てもらったんですよ。
小鍛冶 放送で天野さんの話で盛り上がって、「じゃあ来週、来てもらいますか?」みたいな感じでしたね(笑)。
長屋 その場でLINEをして来てもらうことになって、ANNのフットワークの軽さというか(笑)、ラフな感じにびっくりしましたし、だからこそ面白いものが作れるんだと思いました。天野は芸能関係の仕事をしている子で学生の頃から「いつか一緒に仕事をできるといいね」と話していたので、ある意味夢が叶った瞬間でもあったし、普段以上に自分らしく喋れていたラジオだった気がします。異常な回ではあったんですけど(笑)、天野が来てから“長(おさ)”という新しい呼び方も浸透したし、うちのメンバーも「よかったね」と言ってくれていました。
小鍛冶 私は通常回だと、なんてことないんですけど「クリスマスプレゼントをどうしたらいいか」というのをリスナーさんに相談した回が印象に残っています。長屋さんがまず「私はこういうのがいいと思って、人に送ってる」と話したら、それに対してリスナーから「私もそうしてます」みたいなメールがあって「だよね〜!」と1回盛り上がったあとに、「それは、僕は絶対にイヤです」みたいなメールが来て翻弄されて(笑)。そのときは「もう私があげたいものをあげるわ!」で放送は終わったんですけど、私はそういうリスナーと長屋さんとのやり取りが面白いなと思っていて、それがすごくよく出ていたんですよね。ゲスト回だと、ジェラードンさんかな。
長屋 ですよね〜。
小鍛冶 レギュラーが決まったときに「ゲストで呼びたい方いますか?」と聞いたら、音楽関係の方が出てくるかなと思っていたんですけど、「ジェラードンさんで」と言っていて(笑)。本人はいないのに「イチゴのショートケーキ」をずっと踊り続けたりする、予習スペシャルもやったりしたんです。
長屋 そうですよね、前もってやりましたよね(笑)。
小鍛冶 本番では長屋さんの熱がバーっと伝わっておふたりがちょっと引いちゃって、「大宮の劇場に来てるお客さんみたい。お笑いファンと一緒ですよ」と言われていたことが、もうすべてだなと思いますね。
長屋 もう過去イチくらいで緊張した回だったんですよね。それまでは自分の身近な人をゲストに呼んでいたし、あとは電話で出演してもらうとか、ゲストがスタジオに来ることがあまりなかったんですよ。だから面と向かって話すことも緊張しちゃったし、どのジャンルの方でもそうなんですけど、私は本当に好きな人ほど喋れなくなっちゃうんですよね。しかもそれが生放送になると、余計に「どうしよう」みたいな。その感じを面白いと思ってもらえたのかもしれないですけど、すごく緊張しましたね。
■リスナーのイジりに感謝「愛があるからこそ」 週1で話せる『ANNX』という場所「単純にありがたい」
ラジオといえば、その番組ごとに作り上げられるパーソナリティーとリスナーの関係性も面白さのひとつ。小鍛冶がその「やり取りが面白い」と話していたように、長屋とリスナーのあいだにはファンとはまた違う、ちょうどいい距離感が自然とできあがっていった。
長屋 リスナーさんって私のことをいじってくれるんですよ。最初は「あ、ここまで言ってくれるんだ」とびっくりはしましたけど、それで広がる話が多いし、本当にトゲを持って言ってくる人はいなくて。私たちの音楽から入った人からするとラジオでの距離感の近さに慣れなかったり、メールでも「どこまで突っ込んでいいんだろう」みたいな戸惑いを覚えたりするみたいですね。そもそも“長”という呼び方もまだ浸透しきっていなかったり、今まで“長屋さん”“晴子ちゃん”と呼んでいたのに急に呼び方を変えていいのかな?みたいな子もいるし。リスナーさんはそういう人たちとはまた違った距離感だからこそ、グイグイきてくれるかもしれません。でもそれは愛があるからこそだし、すてきだなと思います。
小鍛冶 リスナーは長屋さんのポイントを掴んで、それを踏まえた上でメールを送ってくれていますよね。これまで長屋さんとリスナーの電話回を何度かやっているんですけど、電話をつなぐと“長”よりも“長屋さん”が出るんですよ。
長屋 うん、そうかも。
小鍛冶 それもめちゃくちゃ面白いし、リスナーとの電話のやり取りがすごくいいんですよね。コーナーの「永久不滅の作り方〜長屋晴子の友達の壁〜」で電話企画をやるときは、「私と友だちになると、こんないいことがある」と直接リスナーにアピールをしてもらうんですけど、長屋さんから無茶振りをした結果、最終的に「友だちにはなれない」と×を出すこともよくあって(笑)。日頃から長屋さんが「私、こんな人なんだよ」と話してくれているから、それが電話をつないだときにも生きてきているんですよね。
長屋 電話企画は定期的にやりたいですよね。メッセージだと口調が強いリスナーさんも電話だとすごくかしこまっていたりするから、「あなた、喋るとそんな声だったの?」と直接声を聞けてうれしくなっちゃいますし(笑)、私もいつもと違う自分が出ちゃうのが面白かったりするんです。そもそもみんなが電話をかけてきてくれることが私としてはびっくりで、「声のモノマネ選手権」とか声を使った企画を結構やっているんですけど、すっごく低クオリティのものも送ってきてくれるんですよ(笑)。
それも「なんてハートが強いんだ!」と思って、愛くるしくなっちゃうんですよね。「友達の壁」で×を出すのも、最初は番組のハッシュタグで「切りすぎだよ」「意味ないじゃん」みたいに書かれていたことがあって、「みんなのことを傷つけちゃったかな」と思ったこともあったんですよ。でも自分的にはそういう本音を出すことが面白いのかなと思ったし、続けていったらそれが当たり前になっていって、みんなにも面白いと思ってもらえるようになって。今はリスナーさんといい関係になれていると思います。
制作やライブなどの音楽活動と並行してラジオのパーソナリティーを毎週担当するというのは、アーティストとしてはある種イレギュラーな時間でもあるだろう。“長”として話す1時間は、この1年で長屋にとってどんな意味を持つようになったのだろうか。
長屋 この場所があるのは単純にありがたくて、助かってもいるんです。もともとSNSがそんなに得意じゃない私にとって、今のバンドの状況を伝えるのには話したほうが早いし、リアルタイムに新鮮な感じで話せるという部分でも、ラジオはいい場所、いいコンテンツになっているなと思います。それに私はメンバーや家族、友だち以外とはあんまり話さないから、自分の話をする場所って意外となかったりするんですよ。でもそれが毎週あることによって、自分が今思っていることに気づけたりする瞬間もあったりして。今は友だちとだべっているような感覚で「疲れた」「眠い」と言うし、話すことがなかったらそれも全部吐き出していますね(笑)。
制作で頭がパンクしているときはこの場所が息抜きになったりするし、曜日感覚がなくなるときも毎週火曜日の放送があるから、そういった感覚を取り戻させてもらえていて(笑)。なんなら(CDなどの)リリースって大体水曜日にあるから、この火曜日の24時から始まる枠だと最初に曲が解禁できたりして、アーティストとしてはめちゃくちゃありがたいなと思っています(笑)。
ORICON NEWSでは、毎月1組のパーソナリティーにスポットを当てて『ANN』の今を紹介する連載企画をスタート。第11弾の第3回は、緑黄色社会の長屋晴子がパーソナリティーを務める『緑黄色社会・長屋晴子のオールナイトニッポンX』(毎週火曜 深0:00)について、長屋と小鍛冶優子ディレクターとの対談の様子を届ける。
■印象的な放送は“ガチ友ゲスト”回 大ファン・ジェラードンの出演「過去イチくらいで緊張」
長屋が「オールナイトニッポンX」のパーソナリティーを務めるようになってから、まもなく1年。これまでの放送を振り返って、印象的な回を教えてもらった。
長屋 全部よかったんですけど、最初のほうに天野(夏実)という私のガチの友だちが来たんですよね。それも「こういう子がいてラジオに呼びたいんですけど、いいですか?」と聞いたら「いいですよ。いつでも来てください」と言ってくださって、スペシャルウィークとか関係なく、普通の回で来てもらったんですよ。
小鍛冶 放送で天野さんの話で盛り上がって、「じゃあ来週、来てもらいますか?」みたいな感じでしたね(笑)。
長屋 その場でLINEをして来てもらうことになって、ANNのフットワークの軽さというか(笑)、ラフな感じにびっくりしましたし、だからこそ面白いものが作れるんだと思いました。天野は芸能関係の仕事をしている子で学生の頃から「いつか一緒に仕事をできるといいね」と話していたので、ある意味夢が叶った瞬間でもあったし、普段以上に自分らしく喋れていたラジオだった気がします。異常な回ではあったんですけど(笑)、天野が来てから“長(おさ)”という新しい呼び方も浸透したし、うちのメンバーも「よかったね」と言ってくれていました。
小鍛冶 私は通常回だと、なんてことないんですけど「クリスマスプレゼントをどうしたらいいか」というのをリスナーさんに相談した回が印象に残っています。長屋さんがまず「私はこういうのがいいと思って、人に送ってる」と話したら、それに対してリスナーから「私もそうしてます」みたいなメールがあって「だよね〜!」と1回盛り上がったあとに、「それは、僕は絶対にイヤです」みたいなメールが来て翻弄されて(笑)。そのときは「もう私があげたいものをあげるわ!」で放送は終わったんですけど、私はそういうリスナーと長屋さんとのやり取りが面白いなと思っていて、それがすごくよく出ていたんですよね。ゲスト回だと、ジェラードンさんかな。
長屋 ですよね〜。
小鍛冶 レギュラーが決まったときに「ゲストで呼びたい方いますか?」と聞いたら、音楽関係の方が出てくるかなと思っていたんですけど、「ジェラードンさんで」と言っていて(笑)。本人はいないのに「イチゴのショートケーキ」をずっと踊り続けたりする、予習スペシャルもやったりしたんです。
長屋 そうですよね、前もってやりましたよね(笑)。
小鍛冶 本番では長屋さんの熱がバーっと伝わっておふたりがちょっと引いちゃって、「大宮の劇場に来てるお客さんみたい。お笑いファンと一緒ですよ」と言われていたことが、もうすべてだなと思いますね。
長屋 もう過去イチくらいで緊張した回だったんですよね。それまでは自分の身近な人をゲストに呼んでいたし、あとは電話で出演してもらうとか、ゲストがスタジオに来ることがあまりなかったんですよ。だから面と向かって話すことも緊張しちゃったし、どのジャンルの方でもそうなんですけど、私は本当に好きな人ほど喋れなくなっちゃうんですよね。しかもそれが生放送になると、余計に「どうしよう」みたいな。その感じを面白いと思ってもらえたのかもしれないですけど、すごく緊張しましたね。
ラジオといえば、その番組ごとに作り上げられるパーソナリティーとリスナーの関係性も面白さのひとつ。小鍛冶がその「やり取りが面白い」と話していたように、長屋とリスナーのあいだにはファンとはまた違う、ちょうどいい距離感が自然とできあがっていった。
長屋 リスナーさんって私のことをいじってくれるんですよ。最初は「あ、ここまで言ってくれるんだ」とびっくりはしましたけど、それで広がる話が多いし、本当にトゲを持って言ってくる人はいなくて。私たちの音楽から入った人からするとラジオでの距離感の近さに慣れなかったり、メールでも「どこまで突っ込んでいいんだろう」みたいな戸惑いを覚えたりするみたいですね。そもそも“長”という呼び方もまだ浸透しきっていなかったり、今まで“長屋さん”“晴子ちゃん”と呼んでいたのに急に呼び方を変えていいのかな?みたいな子もいるし。リスナーさんはそういう人たちとはまた違った距離感だからこそ、グイグイきてくれるかもしれません。でもそれは愛があるからこそだし、すてきだなと思います。
小鍛冶 リスナーは長屋さんのポイントを掴んで、それを踏まえた上でメールを送ってくれていますよね。これまで長屋さんとリスナーの電話回を何度かやっているんですけど、電話をつなぐと“長”よりも“長屋さん”が出るんですよ。
長屋 うん、そうかも。
小鍛冶 それもめちゃくちゃ面白いし、リスナーとの電話のやり取りがすごくいいんですよね。コーナーの「永久不滅の作り方〜長屋晴子の友達の壁〜」で電話企画をやるときは、「私と友だちになると、こんないいことがある」と直接リスナーにアピールをしてもらうんですけど、長屋さんから無茶振りをした結果、最終的に「友だちにはなれない」と×を出すこともよくあって(笑)。日頃から長屋さんが「私、こんな人なんだよ」と話してくれているから、それが電話をつないだときにも生きてきているんですよね。
長屋 電話企画は定期的にやりたいですよね。メッセージだと口調が強いリスナーさんも電話だとすごくかしこまっていたりするから、「あなた、喋るとそんな声だったの?」と直接声を聞けてうれしくなっちゃいますし(笑)、私もいつもと違う自分が出ちゃうのが面白かったりするんです。そもそもみんなが電話をかけてきてくれることが私としてはびっくりで、「声のモノマネ選手権」とか声を使った企画を結構やっているんですけど、すっごく低クオリティのものも送ってきてくれるんですよ(笑)。
それも「なんてハートが強いんだ!」と思って、愛くるしくなっちゃうんですよね。「友達の壁」で×を出すのも、最初は番組のハッシュタグで「切りすぎだよ」「意味ないじゃん」みたいに書かれていたことがあって、「みんなのことを傷つけちゃったかな」と思ったこともあったんですよ。でも自分的にはそういう本音を出すことが面白いのかなと思ったし、続けていったらそれが当たり前になっていって、みんなにも面白いと思ってもらえるようになって。今はリスナーさんといい関係になれていると思います。
制作やライブなどの音楽活動と並行してラジオのパーソナリティーを毎週担当するというのは、アーティストとしてはある種イレギュラーな時間でもあるだろう。“長”として話す1時間は、この1年で長屋にとってどんな意味を持つようになったのだろうか。
長屋 この場所があるのは単純にありがたくて、助かってもいるんです。もともとSNSがそんなに得意じゃない私にとって、今のバンドの状況を伝えるのには話したほうが早いし、リアルタイムに新鮮な感じで話せるという部分でも、ラジオはいい場所、いいコンテンツになっているなと思います。それに私はメンバーや家族、友だち以外とはあんまり話さないから、自分の話をする場所って意外となかったりするんですよ。でもそれが毎週あることによって、自分が今思っていることに気づけたりする瞬間もあったりして。今は友だちとだべっているような感覚で「疲れた」「眠い」と言うし、話すことがなかったらそれも全部吐き出していますね(笑)。
制作で頭がパンクしているときはこの場所が息抜きになったりするし、曜日感覚がなくなるときも毎週火曜日の放送があるから、そういった感覚を取り戻させてもらえていて(笑)。なんなら(CDなどの)リリースって大体水曜日にあるから、この火曜日の24時から始まる枠だと最初に曲が解禁できたりして、アーティストとしてはめちゃくちゃありがたいなと思っています(笑)。
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2023/03/28