俳優・井上真央が主演、佐藤健、松山ケンイチが共演する、TBS系金曜ドラマ『100万回 言えばよかった』（毎週金曜　後10：00）でプロデューサーを務める磯山晶氏が、このほどインタビューに応じ、改めて主要キャストそれぞれの魅力、そして今夜に放送を控える最終回への思いを語ってくれた。

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　同ドラマは、非情な運命に必死にあらがい、奇跡を起こそうとする3人の姿を中心に、実力派俳優たちが大切な人を思う心の機微を紡ぐ。脚本家・安達奈緒子氏が完全オリジナルで“切なくて温かい”ファンタジーラブストーリーを描く。

――改めて本作の魅力を教えてください
3人（井上、佐藤、松山）の切ないところ、可愛いところ、怖いところが共存できる振れ幅の広さが魅力だなと思います。後々にジンワリと響いてくるようなセリフもたくさん散りばめられています。

――主演の井上真央さんについて
台本に対する理解力がすごく深くて、現場でも積極的に自分の意見や的確な方向性を示してくれています。悠依というキャラクターの造形が全くブレなくて、とても頭が良くそれを表現できる方。何より可愛いですよね。本当に稀有な女優さんだなと思います。

――幽霊という難役に挑戦した佐藤健さんについて
最初は幽霊を演じるにあたり「視聴者の皆さんがどんな幽霊のシーンが見たいかを想像して、なるべくそういうシーンを作りましょう」という話し合いをしていましたね。幽霊シーンのアイデアを出し合ってました。物語後半は愛する人を守れない切なさ、気持ちを伝えられない悲しさ、もはや現世に戻れないことを考えている事が多いんですね。最近の撮影では最終回に向けて、より内面的な部分を話し合っています。

――SNS上でも“ゆずキュン”が話題となっている松山ケンイチさんについて
そもそも彼（譲）がいないと話が成立しないんです。視聴者の譲への共感度が高まっていますが「作り手と視聴者の皆さんの気持ちは一緒です！」と言いたいです。もちろんカップルが大事なんだけど、今作に限ってはその人達だけでは何もできないので…。お芝居的にも彼が面白く空気を変えてくれることで2人が救われることが多い。巻き込まれキャラですけど、最高な癒やしの存在。おまけに犯人を捕まえてくれるし、何度でも美味しいキャラクターですね。

ちなみに譲が直木に憑依されるシーンは、佐藤さんが一連のシーンを演じて、それを全部見た松山さんが改めて演じているんです。「あそこは直木につなげた方がいいですか？」と監督に確認したりして。いろんな試行錯誤をしています。

――事件の鍵を握るキーマン・莉桜を演じている香里奈さんについて
謎の人物として事件の鍵を握っているけど、彼女が全部を喋ってしまうと物語は5分で終わっちゃんですよね（笑）。そのためにずっと喋ってはいけないという難しい役だったと思います。起用理由としては、演技力もそうですし“みんなが見たい人”じゃないきゃダメ。『恋つづ（恋はつづくよどこまでも）』のときも頼りになりましたし、圧倒的な華がある方なのでお願いした次第です。第6話で車に乗せられる直前に悠依を見てフッと笑うシーンがすごくよかったなと思います。ずっと謎のまま、しかも先の台本を渡せないままの難しい撮影だったと思います。ふと見せたあの笑顔はすごくいいなと思いました。

――悠依と直木をつなぐ“口笛”について
なぜ口笛だったのか。幽霊は物に触れない。重力のあるものが苦手となると、最初に動かせるのは空気かなと。でも風だとはっきり伝わらないので「口笛がいいんじゃないかな」という風になりました。

――最終回に向けての見どころをお願いします
3人が起こす奇跡とは…というところに注目してほしいです。視聴者の方が暗い気持ちにならないで終われるはず…とは思ってますけど、SNS上では「絶対にハッピーエンドじゃない」って言われていますよね（笑）。でもよく結婚して終わるドラマもありますが、結婚してもその後に離婚することだってありますよね。そのピリオドをどこで打つのか。「このドラマのエンディングはここだ！」と我々が思って作っています。そこで視聴者の皆さんがハッピーだと感じてくれたらいいなと思っています。

そもそも2人（悠依と直木）は、ロスタイムを与えられているんです。死は突然訪れたけど、普通ならそのままお別れになっちゃうところをちゃんとお別れができる。未練や後ろ髪を引かれることなく、前向きに生きていけるように終われたらいいなと。そのピリオドをどう打つのかご期待ください。

■最終回のあらすじ
直木（佐藤健）が巻き込まれた一連の事件の全貌が明らかとなり、直木を殺害した英介（荒川良々）と多くの犯罪に関与した武藤千代（神野三鈴）が逮捕された。

譲（松山ケンイチ）の計らいもあり、悠依（井上真央）と直木は最後の時間を過ごすことができた。だが本当に伝えたいことは伝えられず、別れの時間がきてしまう…。そしてついに直木は悠依と譲の前から姿を消してしまったのだった。

直木のいない世界を生きる覚悟を決めた悠依の元に、夢か幻か…姿を消した直木が現れる。一体どういうことかと混乱する悠依に、直木が告げたのは…。