ドラマ&映画 カテゴリ
ORICON NEWS

沖縄の若年層を描いた『遠いところ』「第23回東京フィルメックス」観客賞受賞

 都内で開催中の映画祭「第23回東京フィルメックス」(10月29日〜11月6日)のコンペティション部門で上映された、工藤将亮監督の『遠いところ』(英題:A Far Shore)が、世界各国から参加した数多くの作品を押さえ、観客賞を受賞した。同映画は、来年(2023年)初夏に公開予定。

「第23回東京フィルメックス」観客賞を受賞した映画『遠いところ』の工藤将亮監督

「第23回東京フィルメックス」観客賞を受賞した映画『遠いところ』の工藤将亮監督

写真ページを見る

【写真】その他の写真を見る


 工藤監督の長編3作目となる同映画は、沖縄の若年層を描いた実話に基づいた物語。15年以降同時多発的に出版された沖縄の子どもの困窮した状況、DV、シングルマザーの様子を描いたルポルタージュを、工藤監督自身の生い立ちに重ね合わせて企画された。構想3年、独自で沖縄を取材し、繁華街に集まる若者から生活困窮者の支援団体まで徹底した取材を重ね、全編沖縄で撮影を敢行。

 映画のリアリティを重視するという制作チームの強い思いから、主な出演者は、あえて新人もしくはデビュー間もない俳優をオーディションで選んでキャスティング。主演は、花瀬琴音が務めた。

 今回の上映後のティーチ・インで工藤監督が観客に対して、「この映画のラストを、希望と見るか、絶望と見るか、ご覧いただいた皆さんに委ねたい」と問いかけ、これに多くの観客が心動かされた証ともいえる観客賞の受賞となった。

 2000年からスタートした東京フィルメックスでは、2010年の第11回から観客賞を新設、インターネットによる一般投票で観客に最も支持された映画を選んできた。これまでに、キム・ギドク監督が『アリラン』『ピエタ』で連続受賞を果たし、モフセン・マフマルバフ監督やピーター・チャン監督の作品も同賞を受賞。昨年は濱口竜介監督の『偶然と想像』が受賞している。

 工藤監督は「才能豊かな監督たちが集まる東京フィルメックスのコンペティションで上映できたこと、そんな中で観客賞を受賞できたこと、大変光栄です。まだ何者でもない自分の作品を信じ、演じてくれた花瀬琴音さん、キャストのみんなの演技が観客の皆様に届いたことが何よりもうれしいです。そして、撮影に関わってくださった全ての沖縄の皆様にスタッフを代表して御礼申し上げます」と感謝を伝えた。

 また、観客賞受賞の一報を受け、主演の花瀬は「とても光栄に思います。この作品を通して、皆様がなにかを感じてくださったと信じて、この喜びを工藤組と、協力していただいた沖縄県に住む皆様へ伝えたいです。今後も、世界中の皆様の元へこの作品が届くことを願っております。おめでとうございます」とコメントを寄せている。

>このニュースの流れをチェック

  1. 1. 沖縄の若年層を描いた『遠いところ』「第23回東京フィルメックス」観客賞受賞
  2. 2. 家庭内暴力、貧困の連鎖…日本の社会問題を描いた衝撃作 映画『遠いところ』本編映像

関連写真

  • 「第23回東京フィルメックス」観客賞を受賞した映画『遠いところ』の工藤将亮監督
  • 「第23回東京フィルメックス」観客賞を受賞した映画『遠いところ』2023年初夏公開 (C)2022「遠いところ」フィルムパートナーズ
タグ

オリコントピックス

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索