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「でっかっ!」脚が不自由な子猫が驚きの成長、幸せ願う名前をもらった2匹の猫の物語

 NPO法人『ねこけん』に保護された中には、体の不自由な猫も多い。“初代”と“二代目”、同じ「あんよ」という名前をもらった子猫たちも、それぞれ脚に重い障害を負っていた。体は不自由ながら、初代は温かい家族を得て生き抜き、二代目も驚くほど大きく成長した。「強くしっかりと歩んでいけるように」と、願いを込めて名付けられた2匹の「あんよ」。彼らの物語を紹介する。

後ろ脚が不自由な“二代目”あんよ(写真:ねこけんブログより)

後ろ脚が不自由な“二代目”あんよ(写真:ねこけんブログより)

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■脚に重い障害を持った子猫、1年半後に驚きの成長ぶり

 二代目「あんよ」は、2020年9月にコンビニで保護された猫。発見されたとき、後ろ脚はあらぬ方向を向いていて、ケガもしていた。病院に連れて行ったところ、骨盤が骨折し、脚も奇形であったことが発覚。『ねこけん』代表理事の溝上奈緒子氏も「身体が不自由な猫が外で生活していくのは、かなり過酷なこと。普通ならすぐに死んでしまうため、あんよは本当に幸運だったと思います」と語っている。

 自力で排泄ができない「あんよ」には、圧迫排尿が必要だった。圧迫排尿とは、膀胱にあたる部分を外から手で圧迫して排尿を促す方法こと。ボランティアメンバーは、「あんよ」のためにやり方を覚え、懸命にケアした。そのおかげもあり、「あんよ」はみるみる元気に回復し、激甘なリハビリ生活を送ることになる。寂しくなると、「ふぇ〜、ふぇ〜」と鳴く「あんよ」は、すっかり甘えん坊な子猫になった。とはいえ、大きな障害を抱えているだけに、成長して生きていくことができるのかどうか。それは誰にもわからなかった。

 それから約1年半が経ち、「あんよ」が『ねこけん』ブログに登場したのは、今年の2月28日のこと。ブログに「えっ? どちらさんでしたっけ?」と書かれているとおり、驚くほど立派なキジトラ猫に成長。「でかいぃいいい!」と叫びが上がるほど、子猫だった「あんよ」は大きくなっていた。

 「あんよは女の子なんですが、すごく人懐っこくていい子。成長した今も後ろ脚は不自由でケアは必要ですが、その代わり前脚はとても強くてムキムキです(笑)。2本の脚だけで立つこともあるんですよ」

 たしかに、大きくなった今も「あんよ」の後ろ脚は前に投げ出され、機能していない。ただ、代わりに前脚2本ですくっと体を支える姿は、どこか凛々しく、力強い。生きられるか、成長できるか。心配する人々の予想に反して、今では大きく立派な猫になった「あんよ」。ケアの手は変わらず必要ながら、周りには温かい家族がいる。「あんよ」はこれからも、力強い2本の脚で前へ前へと進んでいくだろう。

こちらが初代あんよ(写真:ねこけんブログより)

こちらが初代あんよ(写真:ねこけんブログより)

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 脚にちなんだ「あんよ」という名前の猫は、これが初めてではない。前述の二代目「あんよ」の保護からさかのぼること約2年、最初に「あんよ」と呼ばれた子猫が『ねこけん』にやってきたのは、2018年10月のことだった。

 子猫は、茶白の小さな男の子。後ろの右脚は根本から完全になく、左脚は小さくねじれて縮んでいた。この状態で、普通の猫のように生きていけるのかどうか…。だが、そんな不安をよそに、子猫は驚きの能力を見せる。前脚のみで身体を持ち上げて移動し、キャットタワーにも登ることができる。うまくバランスを取って爪とぎだってできた。たとえ脚がなくても、子猫は生きようとする気持ちを失ってはいない。

 当時のブログには、「猫の神様は、ちゃんと生きていかれる能力をくれたんだね」と、感動をもって綴られている。子猫は、強くしっかりと歩んでいけるようにと願いを込めて、最初の「あんよ」という仮名をもらった。

 その後、すくすくと育った初代「あんよ」に、ぜひ家族に迎えたいという人が現れた。「“かわいそう”だからではなく、“可愛いから”」。そうして優しい家族に巡り合った初代「あんよ」は新たな名前をもらい、「コチビ」として生きていくことになった。新たな家では、家族の愛情にたっぷり浸り、可愛らしく、幸せに暮らしていた。ずっとずっと、そんな「コチビ」の日々は続くかと思われた。

 「コチビ」の突然の訃報が届いたのは、3月初旬のこと。家族はもちろん、送り出したメンバーも悲嘆にくれたという。だが「コチビ」は、障害があっても前へ進むことができること、生きていける強さがあること、そして愛情と幸せを分かち合えることを教えてくれた。家族にも、『ねこけん』にも、たくさんの宝物をくれたことは間違いない。

 「『コチビ』のほかにも、うちには障害があったり、体が不自由だったりする猫たちがたくさんいます。それでも、幸せに生きられる、生きる権利があることを知っていただきたいです」

 虹の橋を渡っていった「コチビ」。もっともっとその幸せを見守りたかったけれど、もう会うことは叶わない。だが、最初にもらった「あんよ」という名前は二代目に受け継がれ、「強くしっかりと歩んでいけるように」という願いとともに、今も生きている。
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