日本劇場公開からおよそ25年の時を経て、色鮮やかに蘇った映画『フォレスト・ガンプ/一期一会 4Kニューマスター版』が、18日より全国の劇場で上映開始となった。ロバート・ゼメキス監督（『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ）とトム・ハンクス（『グリーンマイル』『プライベート・ライアン』）がタッグを組み、米アカデミー賞で作品賞を含む6部門を受賞し、世界中を感動の渦に巻き込んだ不朽の名作。これから鑑賞する前に知っておくと、より映画を楽しめかもしれないトリビアを紹介する。

　まずは、トム・ハンクスが演じたフォレスト・ガンプ役は、当初ジョン・トラボルタ（『サタデー・ナイト・フィーバー』など）にオファー。トラボルタはその役を断ったことを後悔しているとか…。

　また、本作の有名なランニングシーンにもモデルがいる。1982年、当時16歳だったルイス・マイケル・フィゲロアさんが、ガンを患っていた友人との約束を守るため、ニュージャージーからサンフランシスコまで60日間かけて走り抜けたエピソードにインスパイアされ、このシーンが生まれたという。また、ランニングシーンには、トム・ハンクスの弟ジム・ハンクスも代役として走っている。

　ガンプ家にやってきてフォレストと遊んでいるデビュー前のエルビスの声を演じたのは、1979年のテレビ映画『ザ・シンガー』で、エルヴィス・プレスリー役を演じたカート・ラッセル。そして、フォレスト＆ジェニーの間に生れたフォレストJr.を演じたのは『シックス・センス』『A.I.』のハーレイ・ジョエル・オスメントと、脇役の顔ぶれも豪華だ。

　さらに、ガンプとダン中尉が立ち上げるエビの養殖業にちなみ、映画をモチーフとした店が日本に存在する。東京では後楽園と豊洲、大阪のUSJの近くにあるシーフードレストラン「ババ・ガンプ・シュリンプ」がそれ。映画を観に行った後に立ち寄れる方はぜひ。

　本作は、アラバマ州グリンボウの田舎で女手ひとつで育てられたフォレスト・ガンプが時代に翻ろうされながら懸命に生きる姿を描く。小学校に入ったものの、勉強が苦手で脚にギブスをはめたフォレストはバカにされてばかり。遊んでくれるのはスクールバスで一緒になった優しい女の子、ジェニーだけだった。ある日、同級生たちにいじめられていたフォレストは、「走って！」というジェニーの声で猛然と駆け出す。それも脚のギブスが吹き飛ぶほどのスピードで――。アメフト全米代表、ベトナム戦争、卓球世界選手権出場、エビ漁船船長、そのままフォレストは風のような速さで自らの人生を駆け抜けていく。

　フォレストの人生とともに、アメリカ現代史がスクリーンに再現されており、ロバート・ゼメキス監督は「この時代には本当にいろいろな出来事があった。映画の物語よりも、よっぽど信じがたいようなことばかり。誰もが知っている貴重な映像と物語を合体することが出来て実にエキサイティングだった」と語っている。人生を豊かにしてくれるたくさんの名言・名ぜりふや時代を象徴する名曲の数々も見どころで、今なお多くの映画ファンに愛され続けている傑作だ。