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『第45回日本アカデミー賞』草なぎ剛、有村架純、西島秀俊ら、3・11を思い平和を願う式典に

 日本映画の祭典『第45回日本アカデミー賞』授賞式が11日、都内で開催された。映画界で活躍する俳優や監督、技術スタッフらが一堂に会した年に一度の式典で、今年は開催日が11年前に東日本大震災や福島第一原発事故が起きた日と重なったことから、東日本大震災で被害にあった人たちへの思いや世界平和を願うスピーチが目立った。

『第45回日本アカデミー賞』最優秀賞受賞者(C)東京写真記者協会

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 昨年「第44回日本アカデミー賞」で最優秀主演男優賞に輝き、今回はプレゼンターとして参加した草なぎ剛は、新人俳優賞受賞者に向けたスピーチで「はればれしい舞台なんですが、3.11ということで、日本中の皆さん思うところがあると思います。皆さんが出演された作品を通して、1人でも多くの方の心に元気が湧くことを祈っています。そして皆さんも、いまの自分を大切にして、これからもっともっと活躍されることを願っております」と、多くの人の激励になる言葉を残した。

 同じく「第44回日本アカデミー賞」で最優秀助演男優賞を受賞し、今回は同賞のプレゼンターを務める予定だった渡辺謙は、2年ぶりの海外作品の撮影に参加して帰国隔離中のためやむなく欠席したが、「助演男優賞に選ばれた皆様本当におめでとうございます。数ある作品の中から多くの俳優の中から選ばれし5人です。誇りに思ってください。我々の仕事は社会を映す鑑(かがみ)だと思っています。今、世界で起こっている悲しみや痛みに目を向けて、発信していくことが大切だと思います」とメッセージを寄せ、映画『Fukushima50』の若松節朗監督が代読した。

プレゼンターを務めた前回の受賞者(左から)草なぎ剛、長澤まさみ、黒木華(C)東京写真記者協会

プレゼンターを務めた前回の受賞者(左から)草なぎ剛、長澤まさみ、黒木華(C)東京写真記者協会

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 また、渡辺のメッセージを受けて、新人俳優賞を受賞した磯村勇斗も「これからも世の中に少しでも貢献できるように努めていくとともに、偏見や差別、戦争のない、平和な世界が訪れることを願っています」とコメントした。

 最優秀主演女優賞を初受賞した有村架純は、周囲への感謝と、「思いやり持って芝居、現場、人に対して誠実に向き合い続けていきたい」という自分の信念を述べた後に、「世界中が一刻も早く穏やかに過ごせますよう祈っております。私自身も皆様に貢献できるよう頑張っていきます」と平和への思いも発信した。

最優秀主演女優賞を受賞した有村架純(C)東京写真記者協会

最優秀主演女優賞を受賞した有村架純(C)東京写真記者協会

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 優秀監督賞を受賞した『孤狼の血 LEVEL2』の白石和彌監督は、広島市・呉市で撮影した同作の中で、「ワンシーンだけなんですけど、美術の今村力さんが『絶対これは必要だ』と言って、原爆ドームを作ってくれました。『孤狼の血』は暴力がたくさんある映画ですが、反戦映画です。世の中からあらゆる暴力と戦争がなくなることを切に願っております」と語った。

 今回、作品賞、監督賞、主演男優賞(西島秀俊)など最多8つの最優秀賞と同数の優秀賞、新人俳優賞(三浦透子)を獲得した、『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督、主演の西島もスピーチで言及。

最優秀作品賞ほか最多8冠に輝いた『ドライブ・マイ・カー』(左から)西島秀俊、濱口竜介(C)東京写真記者協会

最優秀作品賞ほか最多8冠に輝いた『ドライブ・マイ・カー』(左から)西島秀俊、濱口竜介(C)東京写真記者協会

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 濱口監督は、東日本大震災後、主に東北地方沿岸部津波の被害にあわれた方々にインタビューをした東北記録映画三部作『なみのおと』『なみのこえ』『うたうひと』を酒井耕監督と共同で制作した際、インタビューに応じてくれた人たちの「力強く生きる姿、その生命力を捉えていきたいとその時思いました。そのことが今の自分の映画監督としての基盤になっていると思います」と語り、その結果として海外の映画賞も席巻している『ドライブ・マイ・カー』が生まれたと話した。

 さらに、「自分たちの一日一日の仕事というものが、未来を作っていくということなんだ、間違えることもあるけれど、その時は引き返して、少しずつ、今いるところから進んでいくしかない。良い社会にするとか、良い世界にすると言ったら大げさですが、今の場所からしか始まらないんだと思っています」と語り、今後の映画制作への意欲も示した。

 西島は「いま、世界が混乱していて、いろいろなつながりが切れている中、また今日、3月11日ということで東日本大震災から11年経ちました。人とのつながり、魂の再生の物語がきょうこうやって賞をいただいたということには何か大きな意味があるのではないかと思っています」と思いを巡らせ、「これからも、人生、それから人に寄り添う、希望を持てるようなすばらしい作品に参加したいと思っています。日本映画のためにこれからも身を捧げたいと思います」と締めくくった。

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  • 『第45回日本アカデミー賞』最優秀賞受賞者(C)東京写真記者協会
  • プレゼンターを務めた前回の受賞者(左から)草なぎ剛、長澤まさみ、黒木華(C)東京写真記者協会
  • 最優秀主演女優賞を受賞した有村架純(C)東京写真記者協会
  • 最優秀作品賞ほか最多8冠に輝いた『ドライブ・マイ・カー』(左から)西島秀俊、濱口竜介(C)東京写真記者協会
  • 『第45回日本アカデミー賞』プレゼンターを務めた(左から)草なぎ剛、長澤まさみ、黒木華(C)東京写真記者協会
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  • 『第45回日本アカデミー賞』より(左から)羽鳥慎一アナ、長澤まさみ(C)東京写真記者協会

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