『ノッティングヒルの恋人』のロジャー・ミッシェル監督長編遺作で、ジム・ブロードベント×ヘレン・ミレン共演の映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』が、先月25日より日英同日公開（公開中）。製作国イギリスでは、652スクリーンで公開され、大作が多数公開される中、興行収入ランキングでは『ナイル殺人事件』を抑え初登場3位の大ヒット発進を果たした。そんな本編から、イギリスが誇る名優2人による、まるで夫婦漫才かのような軽妙なやり取りが見どころの本編映像が解禁となった。

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　ジム・ブロードベントは、『アイリス』（2001年）でアカデミー賞助演男優賞を受賞し、『ハリー・ポッター』シリーズや『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』（11年）など話題作に出演。

　ヘレン・ミレンは、『クィーン』（06年）でアカデミー賞主演女優賞を受賞し、『黄金のアデーレ 名画の帰還』（15年）や『RED』『ワイルド・スピード』シリーズなどジャンルを問わず活躍している。

　本作は、1961年にロンドン・ナショナル・ギャラリーで起きた絵画「ウェリントン公爵」盗難事件を基にした驚きの実話。事件の犯人である60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントンをジム、長年連れ添った妻ドロシーをヘレン、夫婦と一緒に暮らす息子ジャッキーをフィン・ホワイトヘッドが演じている。

　今回解禁された映像では、盗難事件前の一家の様子が伺える様子が収められており、バントン夫妻が夕食を食べ終えたところ、ジャッキーが兄ケニー（ジャック・バンデイラ）と帰宅する場面から始まる。

　ケンプトンが「“放蕩息子の帰還”金を渡すな」とつぶやくと、ドロシーは「お金はない」と嫌味を吐く。息子たちが入店禁止を食らっているパブに行っていたと知ったケンプトンは「裏切者」とつぶやき、「最低の店だ」「私を“トイレ紙泥棒”と」と愚痴をこぼす。それにドロシーはすかさず「盗んだわ」とツッコミ。「そうだが証拠はないぞ」と食い下がるケンプトンだったが、これにもドロシーが「バカなの？」と辛辣（しんらつ）な言葉で返す。言い返す言葉に困ったケンプトンは言葉に詰まってしまう。

　次に、ケンプトンが「ニュースつけろ」と言うと、ドロシーは「許可証がない」と返答。ケンプトンは、過去に受信料未払いで逮捕されているのだった。小言を並べるケンプトンに毒舌で応酬するドロシー。ケンプトン自らテレビをつけると、「ウェリントン公爵」がゴヤ史上最高額で購入されたことがテレビで報道されている。ようやく家族団らんかと思いきや、今度はケニーとドロシーの親子喧嘩へと発展。ケニーは部屋を飛び出し、ドロシーは追いかけるも口論は続く。ケンプトンは「“国連”が介入するか」と仲裁に向かうのだった…。

　この後、ケンプトンは「ウェリントン公爵」を盗み出し、絵画の身代金で公共放送（BBC）の受信料を肩代わりしようと企てるとともに、事件にはもう一つの隠された真相が…。当時、イギリス中の人々を感動の渦に巻き込んだケンプトン・バントンの“優しい嘘”とは!?

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