お気に入りの映画の話から、気になるあの人の心の中を少しだけのぞき見る【かけがえのない1本】シリーズ。今回は、映画『ちょっと思い出しただけ』(2月11日より公開中)の脚本・監督を務めた松居大悟さんが登場。松居監督にとって不動の“かけがえのない1本”は北野武監督の『菊次郎の夏』(1999年)だ。
【松居】元々、北野武監督の映画が好きで、全作品好きです。北野監督の映画は表面的には激しい描写があったりするんですけど、内包されている優しさを観るのが好きなんです。『菊次郎の夏』は、自分にとって映画を作る上で、演劇を作る上で、生きる上で大事なことが全部詰まっているような気がして、落ち込んだ時や悩んだ時に毎回観てしまう作品です。
――それほどまでに好きな理由は?
【松居】『菊次郎の夏』は、9才の少年が離れたところにいる母親に会いに行く話です。その少年とは全く関係のない菊次郎(ビートたけし)が付きそうはめになる。基本的な映画のプロットで考えたら、母親のもとを訪ねて、会えたり、会えなかったりして、話が終わることが多いと思うのですが、『菊次郎の夏』はその帰り道をしっかり描いているんですね。菊次郎と少年はずっとただふざけているだけなんですが、なぜそんな帰り道を描いているのかを考えた時に、そこにすごく優しさを感じたんです。
母親に会いに行く話だから、会いに行って、会えた/会えなかった、それでおしまいってことじゃなくて、どうやって帰ったのか、帰り道にどういうことを思ったのかも描いている。最終的に主人公が何をする物語なのか、目的や手段を考えたりするけど、そういうことじゃなくて、描く価値がない時間もあるかもしれないけど、そこにこそ価値があるみたいなことをすごく感じるんです。『菊次郎の夏』を見るとやっぱり映画っていいな、人っていいなと思うので、もしまだ観たことがなかったら、ぜひおすすめです。(久石譲の)音楽も素晴らしいです。
――松居監督の『ちょっと思い出しただけ』の見どころは?
【松居】僕にとって初めてのラブストーリーなんです。今、北野監督の映画のことを話しながら思ったのは、何気ない時間にすごく意味があったり、価値があったりするのに、作品として仕上げていく過程では削られたり、こぼれ落ちていったりして、必要な要素だけになることがあるのですが、『ちょっと思い出しただけ』に関しては、何気ない時間にこそ意味があるような気がして、そういう映画を作りました。何も起きない男女の6年間のラブストーリーというと、“花束みたい”な感じになりますけど、そんなことには…なっているかもしれないけど、どうだろう? それも含めて答え合わせしてもらえたら、と思います(笑)。ぜひ映画館で観てほしい映画です。
■映画『菊次郎の夏』1999年、日本、北野武監督
祖母(吉行和子)と暮らす小学3年生の正男(関口雄介)は、夏休みを利用して写真でしか見たことのない母に会いにゆく事を決意。そんな正男を心配した近所の主婦(岸本加世子)は、無職でブラブラしている自分の夫・菊次郎(ビートたけし)を同行させる。嫌々引き受けた菊次郎は、少年との旅も右往左往でいい加減。だがそんな2人の間にもやがて交流が生まれ、ついに正男の母と対面の時を迎えるが…。久石譲によるメインテーマ「Summer」は名曲。
■映画『ちょっと思い出しただけ』(2月11日より公開中)
クリープハイプの尾崎世界観がジム・ジャームッシュの名作映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』に着想を得て書き上げた新曲「ナイト・オン・ザ・プラネット」を受け、松居大悟監督が初となる完全オリジナルラブストーリーを書き上げた。照明スタッフの照生(てるお)と、タクシードライバーの葉(よう)。物語はふたりが別れてしまった後から始まり、時が巻き戻されていく。愛し合った日、喧嘩した日、冗談を言い合った日、出会った日…。コロナ禍より前の世界に戻れないように、誰もが戻れない過去を抱えて生きている。そんな日々を“ちょっと思い出しただけ”。照生役を池松壮亮、葉役を伊藤沙莉が演じる。
(C)2022『ちょっと思い出しただけ』製作委員会
制作・配給:東京テアトル
公式サイト:choiomo.com
公式Twitter・Instagram:@choiomo_movie
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
【松居】元々、北野武監督の映画が好きで、全作品好きです。北野監督の映画は表面的には激しい描写があったりするんですけど、内包されている優しさを観るのが好きなんです。『菊次郎の夏』は、自分にとって映画を作る上で、演劇を作る上で、生きる上で大事なことが全部詰まっているような気がして、落ち込んだ時や悩んだ時に毎回観てしまう作品です。
――それほどまでに好きな理由は?
【松居】『菊次郎の夏』は、9才の少年が離れたところにいる母親に会いに行く話です。その少年とは全く関係のない菊次郎(ビートたけし)が付きそうはめになる。基本的な映画のプロットで考えたら、母親のもとを訪ねて、会えたり、会えなかったりして、話が終わることが多いと思うのですが、『菊次郎の夏』はその帰り道をしっかり描いているんですね。菊次郎と少年はずっとただふざけているだけなんですが、なぜそんな帰り道を描いているのかを考えた時に、そこにすごく優しさを感じたんです。
母親に会いに行く話だから、会いに行って、会えた/会えなかった、それでおしまいってことじゃなくて、どうやって帰ったのか、帰り道にどういうことを思ったのかも描いている。最終的に主人公が何をする物語なのか、目的や手段を考えたりするけど、そういうことじゃなくて、描く価値がない時間もあるかもしれないけど、そこにこそ価値があるみたいなことをすごく感じるんです。『菊次郎の夏』を見るとやっぱり映画っていいな、人っていいなと思うので、もしまだ観たことがなかったら、ぜひおすすめです。(久石譲の)音楽も素晴らしいです。
――松居監督の『ちょっと思い出しただけ』の見どころは?
【松居】僕にとって初めてのラブストーリーなんです。今、北野監督の映画のことを話しながら思ったのは、何気ない時間にすごく意味があったり、価値があったりするのに、作品として仕上げていく過程では削られたり、こぼれ落ちていったりして、必要な要素だけになることがあるのですが、『ちょっと思い出しただけ』に関しては、何気ない時間にこそ意味があるような気がして、そういう映画を作りました。何も起きない男女の6年間のラブストーリーというと、“花束みたい”な感じになりますけど、そんなことには…なっているかもしれないけど、どうだろう? それも含めて答え合わせしてもらえたら、と思います(笑)。ぜひ映画館で観てほしい映画です。
■映画『菊次郎の夏』1999年、日本、北野武監督
祖母(吉行和子)と暮らす小学3年生の正男(関口雄介)は、夏休みを利用して写真でしか見たことのない母に会いにゆく事を決意。そんな正男を心配した近所の主婦(岸本加世子)は、無職でブラブラしている自分の夫・菊次郎(ビートたけし)を同行させる。嫌々引き受けた菊次郎は、少年との旅も右往左往でいい加減。だがそんな2人の間にもやがて交流が生まれ、ついに正男の母と対面の時を迎えるが…。久石譲によるメインテーマ「Summer」は名曲。
■映画『ちょっと思い出しただけ』(2月11日より公開中)
クリープハイプの尾崎世界観がジム・ジャームッシュの名作映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』に着想を得て書き上げた新曲「ナイト・オン・ザ・プラネット」を受け、松居大悟監督が初となる完全オリジナルラブストーリーを書き上げた。照明スタッフの照生(てるお)と、タクシードライバーの葉(よう)。物語はふたりが別れてしまった後から始まり、時が巻き戻されていく。愛し合った日、喧嘩した日、冗談を言い合った日、出会った日…。コロナ禍より前の世界に戻れないように、誰もが戻れない過去を抱えて生きている。そんな日々を“ちょっと思い出しただけ”。照生役を池松壮亮、葉役を伊藤沙莉が演じる。
制作・配給:東京テアトル
公式サイト:choiomo.com
公式Twitter・Instagram:@choiomo_movie
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2022/02/12